入学
洗礼の日から半月後。
僕は立っていた。
そこには《王立聖城第一学園》という看板が掲げられた門が。
そう、今日からこの学園に通うのだ。
スキルが発現されると同時に、就学するのがこの国の決まりだ。スキルの内容に加え、学力、身体能力などのテストを踏まえ、第一から第六までの学園に振り分けられる。
第一は戦闘、特殊
第二は生産、研究
第三は商業
第四は医療
第五は情報
第六は芸術
と、おおよそジャンルが決められており、けして優劣での番号付けではない。
僕は地獄帰りと呼ばれる特殊例、かつ闘士のスキルをもつブッチャを倒すほどの謎スキルということで第一への入学となった。珍しさからか教師陣の中ではかなりの話題になっているらしい。
「うーん、絡まれたりしないといいなあ」
『いまさら何言ってんだ、あんだけ派手に目立ったらイヤでも注目されるに決まってるだろ』
「だよねぇ、、」
『ま!絡まれたらぶっ飛ばしちまえ、オレの力を使えば楽勝だよ』
カラカラとリスクが笑う。
人の気も知らないで、、、。
「あの、、、」
後ろから声をかけられる。女の子の声だ。
「はい?」
振り向いて相手を視認する。
「!!!」
見るなり僕は衝撃を受ける。
ロングの黒髪、小柄だけど服の上からでもわかるトランジスターグラマーとでもいうような起伏のわかる体型。そして、守ってあげたくなるようなどこか薄幸そうな美少女、正直、、タイプだ。
「えっと、、はじめましてですよね?
僕になにか用ですか?」
少しなにかに期待?するように少女に応じる。
「すみません、あの地獄帰りさん、、ですよね?」
やめてよ、そんな物騒な呼び名、、。
まだ初日だよ?入学式すらしてないのに、、、。
しかし事実ではあるから否定も出来ない。
「ま、まあそうらしいですが、、」
「そうですか、あなたが、、」
お互いなんか歯切れが悪い。
何の用なのかさっぱりわからないが、そろそろ入学式も始まるし本題に入って欲しいな。
「す、すみません!
えっと、、いきなりで言いづらいんですが、、」
ゴクリ、、。緊張のあまり思わず唾を飲み込む。
「わっ、私と手合わせしてもらえませんか?」