11/96
二人の語らい
「ねぇリスク?
君は僕の前世の記憶を持ってるんだよね?
どんな人だったの?」
『聞きたいか?
オレはいわゆるトレーダーってやつでな。
いろいろなものを取引して金儲けをしてたんだよ。』
へー!なんかカッコいいね?
んなことねぇよ、それはイメージだろ。
実際やることは地味で、しんどいんだぞ。
そうなの?
ああ。いろいろな情報に敏感でなくちゃいけないから、常に気を張るし、人間として大事な感情が薄れたり失うものも多々あるしな、、、。
リスクはどうだったの?
どうってなんだよ?
なにか失ったりしたの?
失ったさ、、たくさんな。
時間も、家族も、人の信頼も、最愛の人も。なにもかもだな、、。情けねえことに、最後には自分の命すらな。
だからってわけじゃないが、今度はまっとうに生きていきたいんだよ。
お前の力になるよ、オレの前世みたいにならねぇようにな。
そうなんだ、ありがとう。
一緒に頑張ろうね。
おうよ、困ったときにはアドバイスやらなんやら任せな。伊達に修羅場をくぐり抜けてきてねぇからよ。
頼むね、わからないこととか任せるから。
自分でもちょっとはアタマつかえよ、、、。