始まりの末路
プロローグ
とあるビルの最上階
1人の男が最後の言葉を震えながらつぶやく。
「なぜだ、、なぜオレがこんな目に合わなければならないんだ、、。こんなはずじゃない、あってたまるか、、!
あの時、あんなことが起きなければ、こんな最後を迎えていなかったのに、、、!!
こんなのが俺の最後かよ、、まあ、、裏切り者にふさわしい最後か。自業自得だよな、、。
もし来世なんてものがあるなら母ちゃんの言うとおり、謙虚・誠実に生きなきゃな。
母ちゃん、ごめん、、、母ちゃんの子供でよかったよ!!」
そして、男は無念と母への謝罪を胸に自らの命を絶った。
きっと男は地獄に行くのであろう。
彼は巨万の富を得るため、あらゆる財を成す方法を身につける代償に最愛の人、家族を裏切り、嘘と虚栄、傲慢さゆえにこの末路に至ったのだから。
男の傍らに黒いローブを身に纏った髭を蓄えた世捨て人のような老人が佇みながら、
『ふむ、この男、、、。気まぐれの散歩で良い拾い物をしたな。
地獄への送り人も溢れてきたし、こやつの執着と反省、母への想いはなかなか面白い。どれ、実験も兼ねて少し様子を見てみるか。』
と呟き、次の瞬間天に手をかざしたその場から男の亡骸と共に消えた。
『傲慢な貴様には、死すら生ぬるい罰を与えてやろう、、!』