第9話
前回の対戦相手【キングホーンビートル】を
的確な指示のもと、勝利を掴んだクルム達。
だが、そんな最中父の仇である黒衣の男こと
【ゼクス】とかの闇竜が現れた
彼らの力はクルム達より優れているのも
目に見えて分かっている。
しかしながらアペタイトの闘いを観て
他の選手達が脅えたのか即辞退を始めた
結局、クルム達はそのままゼクスとの
決勝戦へとついた。
会場は辞退選手がいたのにもかかわらず
歓喜と熱気に満ち溢れていた
実況係がマイクを手に取り口を開く
『遂に来ました最終決戦トーナメント!
出場選手はクルム&ゼクス‼︎』
2人の名前を聴いた観客は更に盛り上がった
『この2人の選手が操る二体の類似した竜
あの王角王虫を倒したクルム選手の利用と
蛮族竜として名高いアペタイトを一撃の元に
撃沈させたゼクス選手の竜‼︎
両者熱い闘いが予想されます‼︎』
観客達のテンションは最高潮
だが、クルムはそれどころではなかった
相手は父の仇で倒すべき『敵』
今ここで…決着をつける‼︎
試合開始の合図が鳴らされた‼︎
しかし、試合が始まったにもかかわらず
両者は動かない。
クルムは警戒していた、もし奴らの懐に
潜り込もうとすれば…あの蛮族竜の二の舞になる
相手をよく見て出方を伺うのよ…
とクルムがあれこれ考えている間にゼクスの
右腕がすっと上がる。
ぱちんっと指を鳴らすと轟音を轟かせながら
闇竜が既にゼノの目の前まで迫っていた
『速い‼︎』
闇竜はゼノを叩き伏せる為、右腕から渾身の
一撃を放った‼︎
しかし間一髪、またギリギリで避けたゼノ
『よかった…ゼノ‼︎カウンタ…』
『避けれたと思ったか?』
図太い声と共にゼノは闇竜の左拳を受けていた
地面に叩き伏せられ、ピクリと動かない
口元からは血液が溢れ、目は白目をむいていた
試合終了の合図が鳴らされた
結果はクルム達の敗北…
圧倒的な力の前に完膚なきまでに一撃で
終わってしまった。
『弱い。弱いな、貴様。』
声のする方に視線を向けるクルム
闇竜が腕を組みクルム達をその紅い目で
見下していた。まるで弱者を見る目で
『弱い。俺に勝つなど不可能。
無論、父の敵討ち、無理無駄。大人しく帰れ』
最後のトドメとばかりに言葉の威圧
クルム達は完全に敗北した…
試合の結果、クルム達は二位
賞金として2500dlを貰ったが…
クルムは今自分が抱いている使命が
木っ端微塵に砕かれてしまいかけていた。
強過ぎた…まだ、ゼノとろくに闘いすら
した事ないのに…
私の早とちりが招いた結果だわ。
クルム達は宿屋に戻っていった。
第10話に続く