表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

第8話

キングホーンビートルと言われる巨大甲虫


そのモンスターの実力はクルムも知っていた


その黒き装甲は業物の獲物を弾き返し


繰り出される一撃は岩をも砕く


そんな1戦目から不利な相手にぶつかる


所謂【逆シード】にあってしまった。


カァン‼︎と試合開始の合図が鳴らされた


観客は一斉に盛り上がり、相手も先手必勝と


言わんばかりにモンスターに指示を出した


指示を受けたキングホーンは姿勢を低くした


…瞬間‼︎地面が抉れる程の脚力を使い


ゼノに向かって突進してきた‼︎


ゼノの目の前に黒い塊が覆い尽くす


誰もがここで試合終了だと思った


キングホーンの突進を受ければタダではすまない


相手も自身の勝利を確信していたが…


間一髪、ゼノはキングホーンの突進を躱した


そのまま闘技場の壁に激突するキングホーン


突進の勢いと頑丈な角が仇となり壁に


角が刺さり抜けなくなってしまった


クルムはこのチャンスを生かすべくキングホーン


のある部位に目を付けた


それは背中の羽を収納している部位だった


柔らかそうな部位をクルムはゼノに指示した


ゼノは飛び上がり腕を交差させキングホーンの


背中を切り裂いた‼︎


確実に決まった攻撃はこの決闘の勝者を決めた


弱点部位に渾身の一撃を受けたキングホーンは


壁に突き刺さったままピクリと動かなくなった


《勝者‼︎クルムとゼノ‼︎》


試合終了の合図と共に歓声を上げる観客


クルムもゼノと共に喜んだ


相手は動かなくなったキングホーンを


ただ眺めていた。当然だ、勝てると思ったのだから


だが、キングホーンの瞳に蠢く影をまだこの時


誰も知る由がなかった…


勝利を手土産に控え室に戻ったクルム達は


次の出番が来るまで次試合の観戦をしていた


《第2試合‼︎ゼクスVSレオン‼︎》


この2人の内1人は必ずぶつかる相手


クルムはしっかりと目を凝らした


出場者が入場する。ゼクスと言われた者は


血の様な深紅の髪、透き通る水色の瞳


しかし、クルムはゼクスのモンスターを見て


言葉を失い、身体は震え始めた


何故ならゼクスのモンスターはクルムの父を


襲ったかの闇竜だった‼︎


となれば黒衣の男はさしずめゼクス‼︎


クルムは込み上げる怒りを抑えながらゼクスの


試合を観戦する。どんな闘い方かを観察する為だ


対戦相手のモンスターは獰猛蛮族として名高い


【アペタイト・ドラゴン】だった


まるで巨大な肉食恐竜の様な体躯に口元から


覗くズラリと並んだ鋭牙は喰らいついた相手を


噛みちぎる凶悪なモンスターだ。


試合開始の合図が鳴らされアペタイトは雄叫びを


あげ、闇竜に突撃していく‼︎


だが、ゼクスは慌てるどころか胸元から煙草を


取り出し闇竜は火の魔法で煙草に火を付ける


背後に迫っているアペタイトを気にせず。


アペタイトが闇竜に飛びかかった


しかし、闇竜はアペタイトをまるで邪魔者を


払い退けるかの様に殴打の1発で勝負が付いた


アペタイトはピクピクと痙攣を起こし


勝者のゼクスは呑気に煙草を吸っていた


クルムは父の復讐と言う使命を背負っているが


…今の自分との差に雲泥の差を感じていた


『父さん…どうしよう…』


クルムの復讐はいかに⁉︎


第9話に続く‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ