第7話
小休憩を終わり歩を進めるクルム達
草が生い茂る荒れた道を暫く進むと
レンガなどで舗装されたグランドシティに続く
大通りにでた。
大通りには商人、旅人や荷馬車等沢山の人が
グランドシティに向かい歩いていた
中にはクルムの様に魔物を連れ歩いている
者もいた為、ゼノを見る人々の目は
『見たこと無いドラゴンだな…』位にしか
思っていなかった。
中には『ドラゴン…苦労したんだなぁ〜』
と思う人もいた。
それもそう。この世界ではドラゴンはおろか
翼竜の代表『レキスオン』と呼ばれる
ドラゴンを手なづける事は困難であるからだ。
そんな人々の視線を気にせず街の門に向かう
グランドシティは大きな円形の城壁に4つの門
クルム達は街から北側の門から入る。
城壁の中は賑やかだった
様々な商人が屋台を構え旅人や街人に
自分の自慢の商品を売り出していた
ある商人は魔物の素材
ある商人は旅の必需品
ある商人は武器や防具を売り出していた
『わぁ〜…凄い。色んな店が並んでる…』
色づく街の風景に一番目に付いたのは…
そう。飲食店だった
店の表に出されているメニューは
実に食欲をそそられるものばかりである
翼竜の尻尾をステーキにした『尻尾ステーキ』
アクリダ丸載せの『アクリダサラダ』
巨大王虫の王道料理『巨大王虫の兜煮』
実に美味しそうな料理ばかりである
だが、クルム達の残金は僅か…160dl【デル】
メニューの中でも一番安いのでも160dl…
腹の虫を抑えながら飲食店を後にしたクルム達
街の中を暫く歩き今日泊まる宿屋を見つける
この街の一番安い宿では一泊100dl
こうして宿を確保したものの、クルム達の残金は
僅か60dl。このままでは夕食が確保出来ない
食事代確保の為に再び街の中を歩くクルム達
街の中央広場、この街の名物『コロシアム』
ドーム状の建物で年に何回か
『モンスターバトラーズチャンピオンシップ』
と言われる祭が開かれる。
この祭では互いに自慢の魔物を闘わせ
チャンピオンを目指す一種の競技である
今日はちょうど祭の開催日
クルムはこの祭にエントリーするつもりだ。
コロシアム内の受け付けでエントリーし
選手待機室にてクルム達は待機した。
既にコロシアムの客席は満員御礼、ギリギリだ
ゼノのケアをしながら自分の番が来るまで
待つクルム…そして
《次の試合はクルムVSソルガ‼︎》
自分の番が来た。
意気揚々と闘技場に入場するクルムとゼノ
観客からの歓声が凄い
そして気になる相手が入場した
対戦相手の魔物はゼノの2倍近い体躯に
黒光りする甲虫独自の装甲
鍛えられた剛腕、重脚
王者の名を冠する逞しい角は樹海の王者
【キングホーンビートル】と呼ばれる魔物だった
その魔物の突進は岩も砕くとも呼ばれる
翼竜と並んで手なづけるのが難しい魔物である
果たしてクルムは勝てるのか?
第8話に続く