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第四話 後半

黒衣の男の背後に降り立った巨体


紅い血の様な瞳。光を飲み込む黒い漆黒皮


滑らかにしなる角に強靭な四肢。


『こいつは…まさか⁉︎』


クルムの父が驚き戸惑う


『こいつか?俺の新しい相棒…

闇竜ゼノ・ダークだ!ふははははっ!』


高らかに笑う男。闇竜は父を見つめ舌舐めずり


『貴様…どうやってゼノの種族をてなづけた⁉︎』


笑いを止め父の方に観直す男


『それを聞く必要はない。何故ならお前は

ここで…俺に倒されるのだからな!』


男が腕を振りかざす。すると闇竜はクルムの父に


襲い掛かる。迎え撃つクルムの父


『ほう…いい覚悟だ。だが、甘いな!』


父の体制が崩れる。男が素早く懐に飛び込み


足払いをしていた。


『…っ⁉︎貴様ぁ‼︎』


『あばよ!英雄…スタイア‼︎』


闇竜の殴打がスタイアを襲う。


巨腕から繰り出される殴打がスタイアを


無慈悲に打ち砕く。


父が血を吐き宙を舞う。クルムは心に


押し殺していた気持ちが溢れ出てしまった‼︎


『うおおおおーー‼︎』


雄叫びを上げながら黒衣の男に斬りかかるクルム


『…⁉︎なんだ?この小娘は?』


ひらりとクルムの攻撃を躱す


『なっ…⁉︎』


『邪魔だ。小娘。』


その場で一回転し回し蹴り。


クルムを蹴飛ばした


『ぐ…はっ…』


父の所に倒れこむクルム


『ほう…これはこれは、スタイア‼︎

その小娘はお前の子供か?流石親子だぜ!

無謀な所まで父そっくりだな!』


血を吐き地面に伏すクルムに寄り添う父


『馬鹿…何で逃げなかったんだ…』


父の声は弱々しいかすれ掠れだった…


『だって…父さん…助けたかった…』


クルムの声も弱々しかった。


男が2人に歩みより


『安心しろ。お前達はすぐに天国で待つ

お母さんの所に送ってやるよ…

ゼノ‼︎あいつらを焼き払え‼︎』


闇竜は口を開き炎の魔方陣を展開する


『さらばだ。英雄とその娘さんよ』


男が指を鳴らす。闇竜の魔法陣から


放たれた火炎がクルム達に迫る。


『…クルムっ‼︎』


スタイアがクルムを庇う


しかし、クルムの心にはある思いが


生まれ始めていた。


(私に…私にもっと力があれば…‼︎)


力、それは彼女が心の底から願ったもの


迫り来る火炎、絶体絶命のなか


突然、クルムの視界が暗闇に包まれた


『…⁉︎なに?』


『力が欲しいか…?』


突如、クルムに問いかける威厳ある声


『力…?』


『そうだ。貴様が望めば力を与えよう。』


声の主は分からない。もしかしたらこの場の


状況を利用した悪魔かも知れない…それでも‼︎


『欲しい…あいつを倒す力が欲しい‼︎』


力強く叫けぶクルム


『いいだろう…受け取れ!貴様の力だ!』


クルムに光が集約し視界が光に包まれたその瞬間!



ドオオーーン‼︎激しい火炎魔法の残響音


『ふん…この程度か。英雄も平和な日常に

廃れ錆びれていったと云う事か。』


男が立ち去ろうとすると何かの気配を感じ


振り返る。そこには闇竜より一回り小さい


紅蓮の皮膚を纏うドラゴン


そしてクルムとスタイアだった。


『馬鹿な…あれは…

闇竜と対を成すと言われるドラゴン…

【光竜ゼノ・ダーク】‼︎…それに小娘の奴…』


クルムの胸元は【無限】を象徴する円環


ウロボロスの紋章が光輝いていた


『ふん…くだらん。今すぐにあの小娘を

始末しろ‼︎ゼノ‼︎』


闇竜がクルムに襲い掛かる!…が


光竜がクルムの盾となった‼︎


闇竜を受け止める光竜。


『馬鹿め‼︎ゼノ‼︎そんな奴はさっさと片付けろ‼︎』


しかし、闇竜と光竜はぴたりと止まる。


何と2匹の力はほぼ同格だった。


『…なっ⁉︎嘘だろ?』


男が驚愕してる間に懐にクルムが飛び込んでいた


『くっ…小娘‼︎』


間一髪、クルムの攻撃を躱す男。


突然の事ながらも冷静な男


『ゼノ‼︎戻れ。撤退だ!』


闇竜が指示を受けると光竜の力を受け流し


男を背中に乗せ、撤退する。


男はクルムを見つめ


『小娘。貴様だけは見逃してやる…

俺が憎ければ来るがいい‼︎倒しに来い!

我が帝国【グランドバクス】に‼︎』


男はそうクルムに告げると山の向こうに


飛びだっていった。


クルムは急に現われた光竜に振り向く


だが、役目を終えたのか消滅している


しかしその瞳からは『また会えるよ』と


語っていた。


光竜が光の粒となって消滅した後


クルムは気を失って倒れた…

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