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第10話
宿屋に敗北感を引きずりながら
自分達の宿泊部屋に着いたクルム達
ゼノは回復魔法で歩けるまでには回復したが
あの時闇竜から受けた打撃のせいなのか
酷く怯えて震えていた…
やっぱり…闇竜の言う通り私には
父の仇なんて無理…
闇竜の言葉がクルムの感情を黒く濁らす
その時だった、誰かがクルムの部屋の
扉をノックする。
それに反応し扉を開けるクルム
そこには黒い甲冑を身に纏った兵士がいた
『クルムさんですか?』兵士は尋ねた
クルムは軽く答えた
『そうでしたか。王子から伝言を知らせに
参りました。【今夜6時に翼竜亭に来い】
との事です。』
兵士は伝言をクルムに伝え終わると
軽くお辞儀をし宿を後にした
そして夜の6時
クルムは兵士が言っていた【翼竜亭】に来た
店の扉を開け店員が景気よくあいさつ
自身の名前を教えると店員はクルムを
1番奥の個室に案内する
扉を開けるとそこに居たのは
闇竜…そしてゼクス‼︎
堂々たる態度で居座るゼクス
『遅い‼︎』と言わんばかりの表情の闇竜
店員に案内され椅子に座るクルム
良かった…ゼノは宿にお留守番させてて…
『すぐにお料理をお持ちします』
店員は慌ただしく部屋を後にした