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銀の狼2
「貴方はここで何をしてるの?」
通じるか分からない会話を続けてみる。
黙っていても何も変わらないだろうし……
少しずつ歩み寄ってみる。
先程よりも表情が険しくなる、明らかに警戒されているようだ。
一度歩みを止めてこの狼を観察してみる。
――特に変わった所は無さそうだ。
大きさ以外は写真等で見る狼と変わらないように見える。
ちょっと撫でてみたいかもしれない……
相変わらず狼の視線はこちらを見たままである。
このなんとも言えない空気が非常にもどかしい。
「……」
カラン、と乾いた音が響く。
私は手に持った武器を投げ捨てた。
狼は首を傾げた。
こうして見ると犬のような仕草だ。
再び歩みを進める。
どうせゲームなんだ、失敗したらやり直せばいい。
グルルと低い唸り声を上げてこちらを睨んでくる。
大丈夫、大丈夫……そう自分に言い聞かせる。
「貴方と仲良くなりたいのよ、何もしないわ。」
その言葉に反して狼は腕を振り上げた。
私はとっさに腕を前でクロスさせて防御の姿勢をとった




