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銀の狼1
体長240cmもあろうかという巨体。
その毛並みは、この暗がりでも分かるくらい綺麗な銀色だ。
銀狼は唸り声をあげてこちらを睨んでいる。
私は睨み返しながら弓を構える。
しかし、相手から攻撃を仕掛けてくる様子はない。
そのせいか攻撃を躊躇してしまう……
”そこに貴女の相棒となるべき獣がいます”
そういえばそんな事をあのビーストマスターは言っていたな。
まさかこの銀狼が?
”扱いきれなければ殺される事もあるのですよ?”
もう一つ嫌な言葉も思い出してしまった……
つまりは、この銀狼をパートナーに出来るかどうかがクエストのクリア条件なわけだ。
とは言うものの、何をしていいやら。
ひと先ずは弓を降ろす。
「こ、こんにちわ。」
言葉通じるのかな?
見た目はただの狼だし、人の言葉が分かるとは思えない。
「……」
やはり返事はない。
――しかし、先ほどまでのきつい視線が少し緩んだ気がする。




