進化するVR世界3
大きく深呼吸して心を落ち着ける。
こうなっては仕方ない、嫌な予感が的中してしまっただけだと諦めよう。
再び設定関連のウィンドウを眺める――
なるほど、こうやって部屋の内装を……
試しにタッチしてみると、一瞬で部屋がマンションの一室から昔のような木造建築の部屋に変わった。
他にもデフォルトでインストールしているものを色々試してみる。
タッチする度に部屋はあらゆるものに変化した。
「こうやって模様替えして好みに変えるわけねぇ……」
ちょっとこれは面白いかもしれない。
”PPP”
もう少し色々弄ってみようとすると、通知音と共にメッセージがポップアップされた。
”来客者です、許可しますか? (訪問者:ユキ)”
どうやらユキさんが遊びに来たようだ。
模様替えは終わってないが仕方ない。
「許可。」
その声の後、玄関で物音が聞こえる。
ネットの世界でも律儀に玄関から入ってくるようだ。
「楽しんでる?」
楽しそうに笑いながら、今回の元凶であるユキさんが現れる。
ユキさんのアバターは、私のと同じでエレウシスオンラインと同じグラに現代風衣装を着せたものだった。
「ユキさん……」
「どうしたの? そんなに眉間に皺寄せて、可愛い顔が台無しよ?」
一発殴りたい……
タダで2.0を譲り受けた身分でなければすぐにでも。
「それよりも、まだ部屋の設定してないわけ?」
そう言うとユキさんが空中で何かをタッチし始めた。
「ちょっと、何して――」
ユキさんの操作に合わせて部屋が変わっていく。
だから、なんで貴方にその権限があるのさ!




