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エレウシスオンラインへようこそ3
「あぁ……!」
目を開くと、そこには大自然が広がっていた。
一部に倒壊したビルらしきものも見える。
設定では人類が滅亡して長い月日が流れたという世界観らしい。
大きく息を吸って吐く。
風が私のセミロングを茶髪を揺らした。
なんという事だろうか、初めて空気が美味しいと感じた。
肌の感触もまるで本物のようだった。
当然、手足もいつものように動く。
「すっご……」
つい、口から賞賛が零れる。
とてもこれがゲームだとは思えない。
自分の心臓が高鳴るのが分かる。
私はこれからこの世界を冒険するんだ!
「うひょー、こいつはスゲーや。」
「ひっ!?」
急に人の声がして、驚いて変な声が出てしまう。
「お、アンタも今日始めたの?」
目の前には一人の男が立っていた。
金の短髪をなびかせながら、金の瞳はこちらを見つめていた。