幸せの時間1
いつものように学校に登校する。
まるで昨日の出来事が嘘かのように気分は落ち着いていた。
つまらない授業を聞き流しながら窓の外を見ると、裸になった木々が寂しそうに見えた。
アレは夢で、今日にもシャルロットがINしてくるのではとも思えてしまう。
これも優さんが言っていた操作されたという事なのか?
あんなにもINしたくないという感情で溢れていたのに……
この感覚は、ドラマを見ているような……
そう、第三者として見ている気分だ。
感情も理解できるのに、自分とは無縁というか別世界に感じる感覚だ。
”貴方にも協力して欲しいの、この世界を取り戻すために。”
優さんの昨日の言葉を思い出す。
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――
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「協力って、何を?」
「エレウシスオンラインの開発途上エリアからメインコンピューター、通称”マザー”にアタックをかけるのよ。」
まるで簡単なように語っているが、それは不可能ではないのか?
”マザー”には多くの防壁が張られていると聞く。
もちろん、物理的な警備も万全のはずだ。
「本来ならありえない話だけどねぇ、何故か”マザー”側から道が開いてるの。」
「本当にありえない話ですね……」
「開く周期は不明だから出たとこ勝負なんだけどねぇ……」
「それで、私にどうしろと?」
優さんは横の端末を操作して画面を表示する。
素人には全くもって分からない。
「この数値が示しているのは、貴方に2度”マザー”側から干渉があったって事。」
「え?」
「これが貴方に協力して欲しい理由、何か質問はある?」
「……」
その時の私には答えられなかった。
自分の考えが及ばない世界で、こうまで巻き込まれていたなんて。




