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意識不明者3
優さんは無言で歩き出す。
僕は慌てて後ろをついていく。
少し歩くと、頑丈そうな鉄の扉が現れた。
優さんが横の端末に触れると、重い音を立てて扉が開く。
「こっちよ。」
そのまま後ろに続く。
背後で扉が閉まる音がした。
辺りを見渡すと、両サイドガラス張りの通路になっている。
ちょっとした興味で窓ガラスの向こうを覗く。
人、人、人。
そこら中のベットに人が眠っている。
よく分からない装置に繋がれ、ぴくりとも動く気配はない。
「彼らはまだ生きてるのよ。」
「優さん?」
「さあ、こっちの部屋よ。」
そう言うと、先ほど覗いた窓とは逆方向の窓ガラス側にあるドアを開く。
こちらにもベットが並んでいる。
「彼がそうよ。」
部屋の右端から二番目のベットを指さす。
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
静かに歩いて歩み寄る。
そこに横たわっているのは少年だった。
おそらく小学5年くらいだろうか?
彼もまた、死んだように眠っている。
「ニュースでもやってたでしょ、意識不明者が出てるって。」
「あ……」
そういえば見たような気がする。
「彼らは皆、エレウシスオンラインをプレイ中にこうなったのよ。」




