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些細な異変2
「もしかして、バグ?」
こういう時は運営に連絡を……
慌ててヘルプメッセージをポップアップ表示させるが、開かない。
ダメだ、1回落ちて入り直そう。
”ログアウト”
しかし何も起こらない。
何かが変だ。
一度大きく深呼吸をする。
落ち着いて辺りを見回してみる――
よく見ると、光が差している出口とは別に、細い横道があった。
他に手もない、そう思いその横道に入る。
道は狭く、人一人がギリギリ通れる幅だ。
私はその道を慎重に進んでいく。
今の状況下、他に何が起こっても不思議ではない、用心する事は大事だ。
あまりの静けさに、自分の鼓動がよく聞こえる。
そのリアルさに、今現実世界にいるのではと思えてくる。
汗が頬を伝う。
目を凝らすと光が差し込んでいる。
やっと出口だろうか?
そのまま歩いていくと、今度は確実に光に近づいている。
一歩、また一歩、確実に光は大きくなっていく。
良かった、やっと……
緊張感から解放させるという安堵で気が楽になっていくのが分かる。
「……」
しかし、それほど甘くはなかった。
目の前に広がる風景に言葉が出ない。
そこに広がっていたのは……
――現実の風景だった。




