初めてのID2
洞窟の構造自体は一直線の単純構造。
松明が設置されているおかげでモンスターの姿はよく見える。
数は――スライムが3体、ゴブリンが2体だ。
苦戦する事は無いが、ダメージも相応の覚悟が必要だろう。
いや、こういう時は……
”もしもーし、聞こえる?”
ユキさんに渡されたスマホから声が聞こえてくる。
「はい、聞こえます。」
”良かった。 見た限り、今から攻略を始める所ね。
先に言っておくけど、ヒーラー無しの攻略は赤ポはボスまで温存する事。”
「ですよね……」
ヒントはくれるが答えは言わないという感じだ。
そう考えながら自分のスキルを確認する。
単体に攻撃、円形範囲、貫通攻撃……
「うーん。」
「oリナo、どうする? 突っ込むか?」
「ごめん、今覚えてるスキルって何があるの?」
「自分の防御アップするのと、よくわからんやつだ!」
よくわからんやつって……
「えっと、文面読んでもらっていい?」
そう言うと、彼は頷いてスキルの説明文をポップアップさせたようだ。
「何々、”ウォークライ”、自分中心の半径10mのモンスターのへいとを上げる?
やっぱりわからん。」
「あぁ、ヘイトか。 やっぱりタンク職なだけあってそういうスキルもあるのね。」
「なんだそれ?」
「簡単に言うとね、敵の注意を自分に向けさせるのよ。
そうすると脆い魔法使いやヒーラーを守れるでしょ?」
それを聞くと、なるほど! っと言って手を叩いた。
やはり彼はMMORPG初心者のようだ。
「なら、お前の事も守れるんだな!」
「ちょ、えっ……」
あまりの不意打ちの言葉に赤面してしまう。
狙ってではなく素なのだろうが、かなり恥ずかしい。
でも待てよ、これは使えるかもしれない。
「いい作戦を思いついたよ。」




