深淵の森3
ギルドルームの自室にて、私は預けたアイテムの確認をしていた。
情報が何も無い場所に行くならば、多くの状況に対処できる装備品が必要だ。
属性耐性のアクセサリー各種、対物理と対魔法用の防具、消費アイテムetc...
「何をガチャガチャやってるんだい?」
「あ、サブマスター、お疲れ様です。」
サブマスターが部屋を覗きに入ってくる。
そう、ドレイクさんだ。
ここは”紺碧の猟団”のギルドルームなのである。
「ははん……さては抜け駆けする気だね?」
「何のことです?」
「隠したって無駄だよ、あんたあの森に行くんでしょ。」
別に隠すつもりも無かったが、どうやらバレバレのようだ。
その様子から察するに、ドレイクさんはまだ挑戦しないようだ。
「えぇ、そのつもりです。」
「その心意気、アタシは好きだよ? まぁ帰ったら中の様子を教えておくれ。」
「分かりました。」
青空教室を卒業したのち、私はしばらくソロでの活動を続けていた。
確かに紺碧の猟団には誘われていたが、たかだか50レベル台で入るのも気が引けた。
しかし、レベル80にもなるとドレイクさんに強制的に連れてこられてしまったのだ……
まぁいつかはって思っていたわけで、それが早まっただけだが。
私はアイテムをバッグにしまいこみ、立ち上がる。
別に恐怖は無い――と思う。
確かにいつか我が身だ、彼らと同じようにならないとは限らない。
特に今回は罠の可能性も高い。
明らかに私達と誘っているのだ、あの森は。
私は深呼吸をして、部屋を出た。
どの道、選択肢など前から無いのだ。




