冒険の始まり3
「なかなか見えてこねぇな。」
「そうだねぇ……」
クエストを終わらせた私達は、次のクエスト先であるエルシャの町を目指していた。
適度にモンスターは湧いてくるが、全てスライムだけで苦戦する事もない。
レベルも3に上がり、スキルも使えるようになった。
時間を確認すると、もう23時を示していた。
「うーん、もうこんな時間かぁ。」
「いっけねぇ、オレ明日学校なんだよ。」
「あら、学生さんなんだ。」
意外だった。 雰囲気だけで言うなら、社会人成り立てくらいかと思ったけど。
「それはお互いっぽいけどな。 とりあえず町に着いたら落ちるか。」
「うんうん。」
私はそっと彼の横顔を見つめる。
確かに彼はお馬鹿なタイプだが、悪い人には見えない。
「どうした? オレのキャラメイクどっか変か!?」
「そ、そんな事ないよ!」
彼は急に慌てて自らの腕や足を確認し始めた。
「えっと、普通にカッコいいかな? 名前はアレとして。」
「褒めるかけなすか、どっちかにしてくれよ。
この名前カッコイイと思うんだけどなぁ……」
「ふふっ。」
そんな和気藹々な会話をしている間に、エルシャの町が見えてきた。
「うっひょ! ついに来たぜエルシャの町!」
彼は飛び上がって喜んでいる。
こういう所は少し可愛いと思う。
私はこっそりと彼にフレンド申請を送った。
「ん、あぁ! これがフレンド申請か!」
「だめかな……?」
「そんな事ねぇさ! 明日は何時にINできる?」
彼は申請を承認しながら、そう聞いてきた。
「うーん、大体20時くらいかな。」
「おk、ならその時間にまた落ち合おう。」
「うん!」
「じゃあ、また明日な!」
そう言って彼は手を振りながら消えて行った。
さて、私も――
”ログアウト”
コマンドと同時に視界が真っ白になった。




