決別1
「遅い……」
卍エクスカイザー卍に呼び出されて、校舎の前で待たされること30分。
未だに彼は現れない――
「呼び出しておいてこれはないわよねぇ。」
いい加減待ち疲れた。
このまま何も言わずに帰ってやろうかという気持ちにさえなる。
「……お待たせ。」
タイミングよく、中から卍エクスカイザー卍が出てきた。
その表情は硬く、いつになくシリアスな雰囲気を醸し出している。
「で、用事って何かな?」
「それなんだけどさ……」
視線を左右に逸らしたり、何か言い出しそうになりながら急に止めたり……
一向に話が進まない。
「用事が無いなら今日はもう落ちるけど?」
「まってくれ!」
彼は一度深呼吸をし、こちらを見据える。
「俺と付き合ってくれ。」
「――馬鹿じゃないの?」
突拍子もない言葉に、本音が口から漏れた。
付き合うって……それは交際って意味よね?
流石にそれは――
「馬鹿ってなんだよ! 俺は本気だぞ!」
「あのねぇ……これはゲームよ? 本気の恋愛してどうするよ。」
「だって、好きになっちまったもんはしょうがないだろ。」
たまに本気の恋をしてしまう人がいるとは聞いた事がある。
しかし、自分が経験する日が来るとは思っていなかった。
そもそもで、リアルの私は男であって付き合うなんて不可能だ。
「――ごめん。」
「そっか、ダメだよな。」
何故か断る言葉を発する時に、胸がチクりと痛んだ。
「ほら、別に付き合わなくてもゲームは一緒に遊べるでしょ? そんなにしょぼくれないの。」
「所詮友達止まりだろ? 慰めはよしてくれよ……」
「だからそんな――ってちょっと!」
ショックのせいなのか、彼はそのままログアウトしてしまった。
残された私は非常に後味が悪い。
「最悪……」
再び言葉が口から漏れた。




