卒業式1
私とユキヤさんは、会場準備という名目で校舎の外で待たされていた。
そういえば、レベル差もあってユキヤさんとはほぼ交流が無かったなとふと思う。
こんなにメンバーの少ないギルドでもこういう事もあるものだ。
「しかし驚きだ、まさかレベルが追いつかれるとはね。」
「その分大変でしたけどね。」
そう言って誤魔化す。
パワーレベリングしましたなんて、純粋に楽しんでいる人には言えない。
「俺もこの身に宿る力を解放せねばならんが、急いでは逆に邪心に支配されてしまうかもしれないからな。」
「は、はぁ。」
どうやら彼の設定らしき事を語り始める。
そういえばシャルロットが言ってたっけか……
邪神の力が封じられてるだかなんだか――
まぁ名前が”ユキヤ@邪神”ってくらいですし。
彼は尾をピンと立てたまま、熱く語り続けている。
意外と最後に話せて良かったのかもしれない。
「でだ、お前からは相反する聖なる力を感じる。 俺の力を抑えるのに有効打となる可能性があるのだ。」
「そうなんですか?」
「あぁ、だからこそ是非――」
フレンド申請が飛んでくる。
私はそのまま申請許可した。
もしかしたら、何かしら彼に頼る事もあるかもしれない。
「よろしくお願いしますね。」
「こちらこそだ!」
そんなやりとりをしていると、校舎の中からディリスタさんが出てきた。
「二人共、中に入ってきてくれ。」
「分かりました。」
どうやらついに卒業式は始まるようだ。




