魔方陣完成 聖鍵合体対死霊合体 ー4ー
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サイガはご飯を炊くのも時間が掛かり、カップ麺もない状態で考えられる手頃の料理を考えると、粉物を思いつき、肉や野菜を入れたお好み焼きを作った。すると、エリスと回復したばかりのシリアは大食いで、何枚も焼かされた。マキナも一枚ではなく、二枚も食べていた。
「満足満足……料理の腕も落ちてないようだし、本当に無事で良かったわ」
エリスは食事を終えた事でようやくサイガが無事だったのを喜んだ。サイガよりも空腹を無くす事が重要度が高かったのだろう。
「すみません。サイガさんが残虐との戦いで倒れた中で、食事で倒れるなんて。それ以前にも失敗ばかり。でも、色々な話を聞いて分析はしてましたから」
「ああ……最後の会長候補が殺されていたのよ。最初に殺されていたよりも先にね。動いていたのは死体だったのよ。それが急に操り糸が切れたように、バラバラになったのよ。多分、サイガ達がガイエルと戦ってる時かもしれないわね」
学園が休みになったのは死体騒ぎだけでなく、会長候補が全て殺され、生徒会選挙が中止になったらしく、それもあるのだろう。
「最初の会長候補を殺したのはキース先輩じゃないかもしれないですね。キース先輩が殺したと思わせたいから、動かしてた気がします。それがガイエルに体を奪われた事と、呪いが貯まったという死霊の言葉も関係あるかもしれません」
キースに会長候補を殺させようとしたり、闇魔法を使わせたのは残虐を復活させるのも目的であったのだろうが、体に呪いを蓄積するためでもあった。それは魔方陣を完成させるための呪物にキースの体、魂を使おうとしているのだ。そのために聖骸布で魂を守ったのだろう。
「魔方陣の完成も墓地は結界で張られている以上は何とか守れてるけど、残虐と死霊と戦うとなれば、戦力がね。マキナに頼んでみたんだけど」
「すみません。魔王二人が復活した事で、聖剣の使用の許可を聖教会にお父様が頼んでみたようなのですが、各国の力の均衡が壊れるからと認められなかったみたいで。お金を支払うという事でも……」
エリスの借金をミクス王が支払う事で、聖剣を取り戻そうとしたが却下されたのだ。勇者が聖剣を使った事で所有者とされているが、神からの武器だと聖教会に納めるのが筋だと言い張っており、権威を保とうとしているのだ。




