魔方陣完成 聖鍵合体対死霊合体 ー2ー
サイガはアイシャの部屋を出て、エリスに連絡を入れようとしたが、校舎内が静まり返っているのが気になってしまった。一週間眠っていたとすれば光の日であり、休日である無の日ではない。無の日でも研究や特訓のために来る生徒がいるはずなのだ。
「暴走化が起きても休みにはならなかったよな。そこまでの事態に陥っているって事なのか」
暴走化だけでなく、死体が蘇り、人々を襲っているのだとすれば、被害が拡大しているのだろう。殺されたら終わりではなく、数が増えていく一方になるからだ。
エリスに連絡し、すぐにその場に移動するよりも学園や街の状況を知るために、歩いて家まで帰る事にした。
校舎内を歩くと誰もいないというわけではなく、まばらながらも生徒がいる。だが、一人だけでいる事はなく、二人組であったりと警戒しているのが分かる。
学園の外に出ると、歩いているのは警備隊や兵隊が主で、一般の人間や魔族の姿を少ない。そのせいか、商店街などは活気が失われている。機人に関しては死というのが違い、何事もないように歩いている。
「おい!光の日だとしても一人での行動は……貴様か。夜になる前に戻る事だな。目覚めたばかりで、体調も万全ではないのだろ?マキナ様を庇ってくれたのには感謝するが、単独行動は周囲に示しがつかん」
サイガに声を掛けてきたのはエリスの店に着た親衛隊の隊長。話を聞くと、死者が蘇ったのは闇の日だったらしく、無の日には復活せず、光は闇と相対している事から、闇属性が弱体すれば蘇る事が出来ないと考えられているようだった。
それでも警戒を怠る事をしないのは暴走化は闇の日以外でも起きており、残虐や死霊がいつ姿を現すのか分からないからだ。そして、光の日であれど、夜になれば闇の力が強まるとされているのだ。
「エリス達は一体何を?連携を取ったりしてるんですよね」
親衛隊が動いてるのはともかくとしては、墓地に結界を張るというのもマキナもしくはアイシャから指示がなければ出来ない。
「勇者か……シリアスという生徒と療養している。こんな時に馬鹿な事をしてくれたもんだ。回復魔法を使うのも勿体ない」
エリスとシリアも魔王のどちらかと戦闘が行ったのか。その事にアイシャは何も触れず、こんな状況下であっても、隊長は回復魔法を使うのも馬鹿らしいと言うのだ。
サイガはその言葉の意味を知るために、急いで自宅へと帰る事にした。




