死体消失 勇者VS魔王 ー11ー
「……アンデッドってわけ。アニメの中だけの存在と思ってたけど、アンタがこの人を殺したわけ」
体から異臭を放っていたのも死体であれば当然だろう。エリスの一撃で頭と体が離れたのも腐っていたからに違いない。
そして、アンデッドに関して多くの問題がある。死者を蘇られるのは禁止されている事の中で最高ランクに位置されており、その仮定にアンデッドも含まれる。
アンデッドには思考能力がなく、命令を受けて動く操り人形のような物であり、生前に思い残した事の念が強ければ、それを求めるためだけに行動する事もあるのだが、一つの行動しか出来ないのは同じだ。そして、話す事は出来ない。
調整という言葉を使ったという事は操っている誰かがいて、蘇られる体が不完全だったのだろう。だが、ここまで死体を操る事が出来るのは歴史上に一人であり、他にいるとすればアニメの中だけになる。
「これは相棒がした事だ。お前達を殺すために面白い余興を準備している。今日は挨拶みたいなものだ。現勇者の力を把握するのもな。サイガに伝えておけ、死霊が蘇ったと。勿論、生きて帰ればだが。この程度で死んでもらっても困るのだがな」
そう言い残すと、アンデッドの体は地面に飲み込まれ、姿を消した。そこには聖骸布はなく、見事に金を払わず逃げきったのだ。
その代わりにゾンビやスケルトンが地面から這い上がってきた。
「ちょっとちょっと……マジ。アニメと同じ設定だとヤバイんだけど」
ここから逃げ出す事も可能だが、そうすれば街に被害が出る。だからといって全てを倒すのはエリスには不可能だった。
物理攻撃でアンデッドを倒すの不可能。属性付きの武器なら問題はないのだが、高価な物であり、エリスが持っているわけがない。他に倒す方法があるとすれば、アンデッドの体に宿された魔力が無くなるまで時間を稼ぐしかないのだが、それがどれまでの時間が必要なのかも分からないのだ。




