波乱の生徒会選挙 銀髪眼鏡VS魔王 ー19ー
「キースが前副会長だった事は言ったわよね。それと学年別の武術、魔法戦闘、勉学でトップ。全学年の戦闘に参加しないのはマキナがいるから。まぁ、出ていたら私が潰してたけどね。それでも警備隊長で、マキナの側近でもあるから実力は相当なのは確かよ。さっきのを見ても分かるだろうけど、アンタとは全然違うから」
「そうなのか……顔が良く、頭も良くて、強い。三拍子も揃って反則だよな。俺とは……って、俺も魔学や魔法戦闘で一位を取ってるよ!」
サイガはエリスにツッコミを入れながらも、キースが使った魔法の事を考えていた。あの魔法は魔獣を一撃で倒す威力があるのは確かであり、現に魔獣の首を切り落としている。研究して使えるようになったとしても、あれは人間が使うべきものではない。
あの魔法は魔力の他に代償が必要とされている。魔界に住むものにとって闇属性の魔法は何でもないが、人間にとっては危険な魔法もある。例えるなら、アンデッドが自分に回復魔法を使うのと一緒なのだ。自分の命を短くする。
「そこまで言うなら、選挙で勝ってみなさい……じゃなくて、勝つのよ!アンタが負けるのは当たり前だと思ってたけど、キースを凹ませないと気がすまないわ」
しかし、今回の出来事によって、ラキアス学園でのキースの評判を上げる事になり、サイガの評判は上に上がるどころか、ゼロからマイナスになっているぐらいな雰囲気が学園に流れていた。




