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変態魔王+貧困勇者+エトセトラ=SS  作者: Gan
久方ぶりの魔王meets勇者
40/209

波乱の生徒会選挙 銀髪眼鏡VS魔王 ー13ー

「これは俺の意志じゃなくて……仕方なく……」



「ふ~ん……私はアンタのおかげでバイトの時間を減らされ、生徒会に入ろうもんなら、もっと削られるのに……それを知りながらもファンクラブを手伝ってるわけね。私が無償で教師達の手伝いをさせられている時に」



エリスが授業をサボったり、学園にいないのに理由がある。本当にサボり、バイトしている時もあるのだが、無償で教師達の研究などを手伝わされているのもあった。それは知識ではなく、武器開発や魔法開発、医学などの身体に負担がある研究。普通の人間では耐えきれない痛みだとしても、勇者であるエリスならばという事なのだ。



これがラキアス学園の特待生になれた理由の一つなのだ。



「パートナーのくせに、この仕打ちはないんじゃないの。私の怒りは買い物に付き合ってもらう事でしか治まらないわ。それもサイガのお金でね」



エリスはサイガが持っていた残りの紙束を破り捨て、サイガの腕を引っ張っていく。あまりの力にサイガも抗う事が出来ない。



「理不尽だ!どれだけ俺をこき使えば気がすむんだよ」




サイガはエリスに自転車乗り場まで連れて行かれた。学園の授業はゼミで終わりであり、放課後に入っていた。帰宅する生徒もチラホラいる中、エリスの乗ってきた自転車がいつもと違っていた。嫌がらせなのか、サドルが抜き取られているのだ。



「誰よ……まぁ、サイガにサドルも買ってもらうから別に問題ないけど。二人乗りするから、アンタが漕ぎなさいよね」



エリスの自転車の後ろには荷物を置く事や人を乗せる荷台がない。それは後ろが立ち乗りになって、ペダルを踏む側はサドルがないのに座らなければならない。つまり、お尻に多大なダメージを受ける事になる。



「お前は鬼か……サドルの弁償だけでなく、ここに座れなんて」



「こういうのが好きな事は店長に聞いてるわ。嘘だとは思ってるけどね」



嘘だと分かっているのにエリスは手招きし、サイガに乗るように促す。エリスが最上級のドSなのは間違いない。



「ちょっと待った!君達が二人乗りをする必要はない」



エリスの強行を止める声を発したのは、校門前に仁王立ちする店長だった。後ろから見える夕焼けの光が遠目から見ればヒーローと勘違いするかもしれないが、すれ違い生徒達は若干引いているのが分かる。



それにいつもと店長の姿が違っている。



「また店をほったらかしにして……何しに来たのよ!この場所にいたら通報されてもおかしくないんだから。捕まったら、バイトに出れないじゃないのよ」



「大丈夫だ。エリスファンクラブ用Tシャツを装備している。私は会員No.2だからな」



自信満々に店長はサイガとエリスに会員証を見せる。それはサイガが持っている会員証と同じであり、間違いなく本物なのだろう。それはファンクラブが学園内に収まっていない事を示している。



「それよりもサドルが無くて困っているのだろ?それならば……とう!」




どこからか音楽が流れ出し、店長が宙に跳んだ。するとTシャツは破れ、店長の体が分解され、違う形へと変形していく。店長の姿が違うように見えたのはファンクラブのTシャツを着てきたからではない。



機人は魔法を使う事が出来ない。その代わりに自分の体をカスタマイズ出来るのだ。それに変形機能も付ける事が可能であり、店長の姿が違ったのもそのためだ。



そして、店長が変形したのは自転車。問題があるとすればサドル部分が店長の顔になっている事だろう。



「さぁ!エリス、私に乗れ。バイクよりも自転車……ペダルを漕ぐのが、何度も踏まれているような感じがして……それが良いんだ」

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