勇者と王女の関係に、魔王巻き込まれるー15ー
「また子供の姿になってるし……それよりも何のつもりだ。俺を一位にするためだとしても、他にもやり方があったはずだろ。下手すれば死人が出てたぞ」
「子供の姿はな……他の教師にばれない為とか色々あるんじゃ。それにこの姿の方が落ち着く様になってな……好物のこれも、この姿だからこそ食べれる。疲れた時にはこれに限る」
アイシャの手にはペロペロキャンディーがあり、それを口に入れた。
「それはさておき、魔法戦闘も武術戦闘も危険が伴う。当然、回復などの相応の準備はしておるよ。わしが張った結界も現実のように見せて、実は仮想空間に変えておる。実体ではないから、誰も死にはせんかったよ。マキナの腕も明日には回復しておるはずじゃ」
武術戦闘で担架で運ばれた選手は病院などに運ばれず、保健室に運ばれ回復魔法を施されていた。マキナも闘技場を出てから、保健室に向かったのだろう。
「黙っていたのは悪いとは思ったんじゃがな。普通にやってもお前が勝っていただろうが、わしの狙いはマキナに恩を売っておきたかったからじゃ」
「恩を売るって……何のためにそんなのが必要になるんだよ」
「世界征服の第一歩じゃよ。まずはラキアス学園の掌握じゃな。ミクス国の王女に恩を売っておいても損はないはずじゃ。それもすぐに使えるかもしれん。この後に控える行事の生徒会選挙とかでな。お前とエリスには生徒会に入ってもらうつもりじゃからな」
「成績の優秀な奴が生徒会に入れるとか生徒が話していたけど、やっぱりそれなのか。俺だけでなく、エリスも入れようとか、生徒会って何なんだ?」
「生徒達のリーダー的組織じゃな。他の国や大陸の学園同士の勝負事も生徒会が請け負う。つまり、他の学園も征服出来る機会が与えられるんじゃ。それだけでなく、わし以外の教師と繋がりを持ったり、弱味も握れるかもしれんのじゃ」
「弱味って……お前がいろんな奴の弱味とか握っているだろ!」
サイガ自身世界征服に興味がないが、アイシャがやらせようとしているのは遠回りな気がしてならない。それもアイシャが楽しみたいだけなのかもしれない。
「わしがそれをお前に教えて何が楽しいというんじゃ?とりあえず、生徒会選挙にお前の名前を推薦しておいたぞ。推薦されれば、拒否する事は出来んからな。エリスに関しては、お前に任せる」
「俺だけ勝手に推薦しておいて……お前がやってくれればいいだろ。エリスが俺の言う事なんて聞くわけがないし、バイトとかで時間もないだろうし」
エリスはサイガの家に住む事でお金の消費を抑え、尚且つバイトをしているという事はお金を貯めたいのだろう。生徒会はお金にならないだけじゃなく、バイトの時間も削られるから入るわけがない。
「そこはお前の腕の見せどころじゃろ」
アイシャはサイガに有無を言わさず、影の中に沈み込み、姿を消したのだった。




