兄弟機、姉妹機対決 ー13ー
「……なるほど。魔力ではなく、他の未知なる力というわけか。それを生粋の機人であるお前も身に付ける事が出来る。それは収穫だな」
オメガは自身の敗けを認めながらも余裕を見せた様子であるのだが、店長は助けるつもりは微塵もなく、とどめの一撃とばかりに手刀で一刀両断にしようとした。
「となれば、この体は用済みだ。お前の頭部は持ち帰る事は出来なかったが、どう転ぼうとも、当面の目的はすでに達成している」
オメガは店長の攻撃を防御や回避する事もせずに受けた。言動からすれば、この体に未練がなく、新しい体になるためには破壊されるしかないように思えてくる。さらにその後の言葉。どう転ぼうともとなれば、オメガが考えた計画が失敗した時も含まれているという事だ。
「オメガを破壊してもらい、感謝する。首謀者がオメガであれば、今回の件はこれで終わりと思っていいのでしょうか?」
王妃はオメガの破壊を目にした事で安堵し、店長に話し掛けた。オメガとの会話であの御方という言葉を王妃は聞こえてなかったのだ。
「いえ……今のオメガはコピー、複製品だった可能性があります。その技術をオメガは作り出した可能性がある。でなければ、あのようなやられ方はしません。それにまだ終わりではありません。何かが起こるのは今から。オメガも時間稼ぎだと思われます。オメガの脅威が無くなった今、私はカテジナがいる場所に向かいます」
何か起こすのはメジーナとアズ。しかも、それにはカテジナが関わってる。
★
ゼフォード学園。カテジナは地下研究所に隠れているはずが、地上に立っていた。
「……何故……何故貴女がこんな事をするのですか! 狙いは私でしょ」
その理由はメジーナの出現。それも無抵抗なゼフォード学園の生徒を襲っているからだ。