兄弟機、姉妹機対決 ー6ー
魔物が召喚された事で、オメガの協力しているのが魔族であると考えられる。カテジナではなく、エリスを標的するのであれば納得出来る。それも死霊という例があるからだ。だからといって、死霊の仕業ではない。死者でなく、召喚方法も土の魔法ではない。空に魔方陣が描かれ、雨が降るように魔物が落ちてくるのだ。
(この魔方陣は制限時間が設けられておる。それを過ぎれば消える物じゃ。常に魔力を放出すれば、居場所がバレるなど相手も分かってるおるな。魔力もオメガを逃がしたのではないが……)
アイシャは魔力を調べるだけでなく、蝙蝠を放つ事で各地の状況を把握しようとしていた。その報告の方法はいつもの感じだ。その中で、アイシャはオメガを逃がした相手とは違う魔力だと判断しながらも、言葉を濁した。
「魔物はさほど強くない。制限時間が決まってるなら、どのくらいで終わるかを教えてくれ。相手の事を考えるのはその後でいい」
この場所ではサイガとエリスだけでなく、兵士達も戦闘に参加していた。魔物の出現に終わりがある事を告げれば鼓舞する事も出来る。
(残り十五分……じゃが、別の問題が生まれた。城前にオメガが現れおった。アンドが対応に向かったが、何か思惑があるかもしれん)
「魔物達の出現も後十五分だと分かった。エリスはここから離れるが、それまで何とか頑張ってくれ」
サイガは大声で兵士達に終わりの時間と、エリスがここから離れる事を伝えた。兵士達は魔物達との戦闘に慣れてきたとしても、二人が離れるのは士気に関わってくる。それに魔方陣消滅後に何も起きないという保証はない。
「はぁ! 何で私がここから離れるのよ。嫌な奴みたいじゃないの」
エリスは魔物との戦闘を面倒臭がりながらも、率先した動きを見せていた。自身がこの場所を離れると兵士達の負担が増える事が分かっているのだ。
「城前にオメガが出てきたらしい。店長が向かったようだが、カテジナの守りが減った事になる。どちらかが自由に動ける方がいい。魔方陣から別の魔物が出現したとしても、俺なら対応出来るからな」
「分かったわよ。私はカテジナがいる場所に向かえばいいのね」
エリスはオメガが現れた城前ではなく、カテジナがいる場所に行く事を選択した。オメガは店長に任せるというのもあるが、城にはアイシャがいるのを知っているからだ。
「ああ……だが、何かあると思った方がいい。そこだけ何も起きてないからな」
エリスが向かうのはゼフォード学園。カテジナは城に捕らわれているのではなく、学園の地下研究所にいた。オメガならその場所にも目をつけるはずが、学園を狙う敵は現れていないのだ。




