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竜神伝説 番外編  作者: KAZ
幸せのユートピア
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6話 「教えと見守るものたち」

「アランさん! 今日は何をするの!」


 僕は朝起きてすぐにアランさんのところに行く。その様子を見ていた姉さんの目が少し怖かった気もするんだけど、今は気にしてられない。だってアランさんはいつまでここにいてくれるかわからないんだ! そしたら次はいつ来てくれるかもわからない。だから今のうちにいっぱい教わらないと


「リュウトくん、まずは朝飯だ。食事も取らずに鍛錬なんてしても強くなれないぞ」


 うっ、確かにそうかも。でも、僕はもっといっぱい教えて欲しいのに


 結局、押し込むように朝ごはんを食べた僕はアランさんに呆れられ、姉さんに怒られることになる




「さぁ、じゃあお待ちかねのお勉強の時間だ」


「・・・鍛錬。痛っ!」


 ゆっくりと食べていたアランさんを待って、ついでに何故か姉さんが食べ終わるのも待って、ようやくと思ったのに鍛錬じゃなくて勉強だなんて! と文句を言おうとしたらげんこつが降ってきた


「君の目的は強くなることじゃないだろう? 君はみんなを守りたいといった。ならば強くなるのは目的でなくて手段だ。手段と目的を取り違えたらいけない。まして手段が目的になってしまうのは問題外だ」


 アランさんの言うことは少し難しくてわからないこともあったけど、でも言いたいことはわかったんだ。強くなっても守れなければなんの意味もないんだ。守ることが出来るのであれば僕が弱くても別にいいんだ


「守るために使えるものは何でも使うべきだ。俺も守るべき存在であるマリアさんたちも・・・そして知識もね」


 強くなければ守れない? 弱くても守る事ができる? わからない、わからないけど


「よ~し、じゃあ勉強するぞ~。マリアさんもね」


「なんで私までするのよ!」


「おや? マリアさんはリュウトくんにばかり守ってもらう気かい? 俺の知っている知識を身につければリュウトやほかの子達の役に立つこともあるかもしれないよ」


「っぅぅぅぅぅ! わ、わかったわよ」


 でも、僕はちゃんと前に進んでいる。そんな気がするんだ・・・やっぱりアランさんの教えてくれた戦術や心得は難しくてよくわからない部分も多かったんだけどね




「つ、疲れた~」


 勉強から始まって基礎体力作りっていうのや剣(木の棒)の素振りとアランさんはあんまり動いていないのに僕は体も頭もクタクタで


「どしたの、リュウト?」


「うわぁぁぁああ!?」


 そんな状態で急に後ろから声をかけられて大慌て! あれ? でも今の声って


「ちょっと! 落ち着いて! 私だよ! ママナ!!」


「ま、ママナお姉ちゃん? どうして」


 振り返ると僕よりもびっくりして慌てたようなママナお姉ちゃんの顔。そういえば、いつの間にか来ていたここはママナお姉ちゃんと会う森の入口。でも、まだ僕は指笛吹いていないのに


「え、えっとね、そろそろ時間かな~って出てきたところに元気のないリュウトの背中が見えてね・・・も、もう! いいじゃない! 私だってリュウトに会いたかったんだから!」


 何故かあたふたキョロキョロと話したママナお姉ちゃんだけど、急に真っ赤な顔で頬を膨らませながら迫って来て・・・ぼ、僕としてはお姉ちゃんが僕に会いたかったって嬉しいんだけどな。それじゃあダメなのかな?


「ぼ、僕はすごく嬉しいんだけど・・・」


「りゅ、リュウト~。それ反則だよ~、もう~」


 は、反則? やっぱり僕何か間違った? ママナお姉ちゃんの顔はさっきまでだって真っ赤だったのにもっと赤くなって・・・大丈夫だよね?


「よくわからないけど、ごめんなさい」


「よくわからないって、ぶ~。でもリュウトのせいじゃないのかな? ん~、でも少しはリュウトのせいな気もするよぉ」


 え~、それって僕のせいなの? 違うの? どっち?


「それはともかくして、リュウトは本当にどしたの?」


「えっ? あっ、それは疲れていただけ。あのね、アランさんがね・・・」


 でもとりあえず許してくれたみたいだから、ママナお姉ちゃんの質問に答えるために今日のことを話したんだ


「そうなんだ。リュウト頑張っているんだね」


「でも・・・僕は本当に強くなれているのかな? 強くなることが目的じゃないっていうのはわかったんだけど、でも・・・」


 でも手段だとしても強くなれなかったら守れないよ。僕は本当に姉さん達を守れるのかな?


「ねぇ、リュウト? ちょっとそこに立っていてね」


「えっ?」


 そんな風に悩んでいたらママナお姉ちゃんはニンマリ笑って・・・うわっ!?


「な、何をするの! ママナお姉ちゃん!」


 急に殴りかかってきたんだ。慌てて後ろの下がったおかげで当たらなかったけど


「今のね、私と出会った頃のリュウトだったら死んでいたよ? あ、勿論危なかったら止めるつもりではいたよ!?」


 ニッコリと笑いながら言ったママナお姉ちゃんはそのあとちょっと慌ててて、でも


「僕、強くなっている」


「うん、私が保証してあげる」


 ポロリとこぼれる涙。ママナお姉ちゃんは『なんで泣くの~~!』って慌ててたけど、すごく嬉しかったんだ。ありがとう、ママナお姉ちゃん

リュウトはこの時も物語の中心に。アランが今回も目立ってますけどね


マリア「この時だけだから許すわ。少し悔しいんだけどね」


リュウト「頼むからそんなところで張り合わないでくれよ。俺だって本当のこと知っていたら、もっと・・・」


ママナ「あの頃のリュウトにそれは無理だと思うよ~」


リュウトは人間関係の機微に鈍い。恋愛関係じゃなくてもそれは変わらないのです。というよりも他のことはこのあと少し改善されたというのが正しいのでしょうか


マリア「リュウトくんだからね」


ママナ「うん、しょうがないよぉ」


リュウト「・・・俺の認識ってどうしてこうなんだろうな」


自業自得です。では今回はここまでです~

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