その4 アシュラに突撃取材!
ここは下層魔界、アシュラ邸。家主は穏やかな午後のティータイム・・・ならぬワインタイム中
レミー「アーく~ん♪」
アシュラ「何用だ・・・レミー」
レミー「もう! なんでわたしのインタビュー断ったの~! わたし楽しみにしてたんだよ!」
アシュラ「・・・用はそれだけか?」
レミー「ん? それもだけど・・・はい! アーくんにも来たよ、質問表♪ 勿論インタビューするのはわたし!」
アシュラ「ふう、やれやれ・・・さっさと終わらせるぞ」
01.貴方のお名前とその由来は?
レミー「えっとね、アーくんのお名前と由来教えて!」
アシュラ「名はアシュラ=ストロングス。由来など言うまでもなく一目瞭然だろう」
レミー「え~? わたしわからないよ?」
アシュラ「そんなのは貴様ぐらいなものだ。アシュラは阿修羅から。ストロングスは英単語のストロングからだな」
レミー「あ、アーくんってひょっとしてわたし以上に単純な名前だったの?」
アシュラ「そういうことだ。作者の奴はオレの強さを印象づけたいという意味でつけたらしいがな」
02.性別、生年月日、年齢、血液型は?
レミー「えっとね、次の質問は性別と生年月日と年齢、血液型を教えて欲しいな」
アシュラ「性別は見た目どおり・・・とはオレの場合言えんが男だ」
レミー「うん、アーくんが女の人だったらわたし困るよ。呼び名があーちゃんとかぶっちゃう」
アシュラ「(そんな理由なのか?)まぁいい、誕生日は一応12月1日のようだな」
レミー「一応?」
アシュラ「オレは親に育てられてはおらんからな。当時身につけていたものと僅かな記憶による判定だ。正しいかどうかはもはや誰にもわからん」
レミー「う~、そんなの悲しすぎるよ~! だからアーくんの誕生日は12月1日に決定! わたしと同じ月でちょっとうれしいし♪」
アシュラ「年齢は9300歳、人で言うなら23歳と少しだな」
レミー「なんでわざわざ人間換算をするの?」
アシュラ「これを聞くのは人間なのだろう? 言わんでもいいなら省くが」
レミー「あ、そうか! わたしも歳言ったら年寄りとか言われちゃったっけ。アーくんって血液型知っている?」
アシュラ「以前、何かあったときのためだとかでコーリンが調べていた。たしかユニコーン型だとか言っていたぞ。人で言うならO型がもっとも近いらしいな」
レミー「そうなんだ!? わたしはてっきりオーガー型とかミノタウロス型だと思ってたよ~」
アシュラ「何を基準にそう思っていたんだ? 貴様は」
03.出身、家族構成は? ご職業などあればそれもどうぞ。
レミー「えっと、出身、家族構成、職業ってわかる?」
アシュラ「貴様は何を聞いていた? さっき言ったとおりオレは親の顔を知らん。出身など魔界のどこかということしかわからんな」
レミー「じゃ、じゃあ家族も・・・」
アシュラ「貴様も知ってのとおり、つい最近オレの親というものとは戦ったが真偽などわからん。アレだけ似ていたのだから信憑性は高いがな。あえて言えば、長年オレに仕えているコーリンは家族のようなものといえるかも知れんというぐらいか」
レミー「あ、こーちゃんは家族っていう認識だったんだね♪」
アシュラ「他になんだというのだ? 職業は・・・あえて言えば深層魔界の入り口の番人か。また地上で言うところの下層魔界の領主のようなこともやっているが、こちらは他のやつらがかってに崇めているだけだな」
レミー「う~、アーくんってやっぱり凄いんだね・・・」
04.身長、身体的特徴、服装は? 写真などがあればそれもどうぞ。
レミー「次は身長、身体的特徴、服装だって! あ、写真とかってある?」
アシュラ「魔界に天使族の機械などまず持ち込まれん。あったとしてもそのようなものに興味は無い」
レミー「そうなんだ・・・でも1枚ぐらい欲しいな」
アシュラ「何か言ったか? 身長は195cm、人としては長身だが悪魔としては珍しくは無い」
レミー「悪魔って数cmぐらいのから数100M級までピンきりだもんね」
アシュラ「魔族のエリート種族とは言われているが、それは力と知恵に関してのみだからな。実際は混血や逆に極端な選別で極化しているゆえ仕方あるまい」
レミー「えっと、身体的特徴は? あ! 身体的特徴って見た目ってことだよ」
アシュラ「言われんでもわかる。オレの場合この一言で十分だろう? 白い毛の2速歩行する狐だ。あえて言えば、手の第二間接付近に収納式の鋼鉄の爪があるというぐらいだ」
レミー「アーくんの特徴ってそれだけでバッチシわかるもんね! で、服装は・・・」
アシュラ「見てのとおりだな。狐型のオレに服など必要ない。この全身を覆う毛だけで十分だ」
レミー「そうだよね~」
05.長所・短所は?
レミー「えっとね、アーくんの長所と短所教えて!」
アシュラ「長所は肉体の強さ、体術においては絶対のものがある。短所は魔法の類はろくに使えんということか」
レミー「ちょ、ちょっとまって・・・えっとね、戦闘における長所と短所じゃなくて性格的なのがいいな~」
アシュラ「ぬっ? 悪魔に性格的な長所を求めるな」
レミー「え~?」
アシュラ「・・・以前、リュウトやアキがある種、父親的なストイックさがあるとは言っていた」
レミー「おお~! 意味はわからないけど、なんとなくわかる~!」
アシュラ「短所は無愛想だとか言っていたな」
レミー「ええ~!? 二人ともわかって無いよ! アーくんは表に出てこないだけ! よく見ればわかるのに・・・」
アシュラ「・・・良く見なければわからんから無愛想なんだろう。そもそも、悪魔が愛想がよくてたまるか!」
06.趣味・特技などは?
レミー「う~! じゃあ、趣味や特技を教えて?」
アシュラ「趣味か・・・。やはりオレの場合は戦いだな」
レミー「え~?」
アシュラ「生きるか死ぬかの緊迫した戦い。これに勝るスリルと興奮は無い」
レミー「・・・じゃあ、特技はなんかある?」
アシュラ「ふむ、そうだな・・・ワインの利き酒ならできるな」
レミー「利き酒?」
アシュラ「匂いと味で銘柄や年代を当てるということだ。だてに長年飲み続けてはいないということだな」
レミー「へ~、なんだか凄そう!」
07.好き・嫌いな食べ物は?
レミー「えっとね、次は好きな食べ物と嫌いな食べ物だって!」
アシュラ「食い物か・・・飲み物もありならワインだな」
レミー「アーくんよく飲んでいるもんね」
アシュラ「うむ、最近はリュウトが付き合ってくれるからな。酒も随分うまくなった」
レミー「めーちゃんもお相手探してるみたいだけど?」
アシュラ「・・・奴のことはいうな」
レミー「ん~? じゃあ、嫌いなものってある?」
アシュラ「そうだな、甘いものは苦手だな」
レミー「あ~! よくお酒のむ人は嫌いって言うよね」
アシュラ「食えんというわけではないのだがな」
08.好きな人のタイプは? 恋人や気になる相手がいる方はそれもどうぞ。
レミー「ねーねー、アーくんってどんなタイプの女の子が好きなの? それと、気になる子がいたら教えて欲しいな~♪」
アシュラ「う、うぬ・・・?」
レミー「ど・・・どうしたの?」
アシュラ「い、いや・・・なんでもない(くっ、普通の奴はこの手の質問も答えられるというのか!?)」
レミー「あ、あの・・・アーくん?」
アシュラ「わ、わかっている。・・・そうだな、元気で明るければそれでいい」
レミー「えっ? ・・・それって! えへへ~、ありがとね、アーくん♪」
アシュラ「う、うむ・・・?」
09.あなたにとって魔界とは?
レミー「えっとね、アーくんにとって魔界ってどんなところ?」
アシュラ「一言で言えば自由な場所だな」
レミー「自由?」
アシュラ「うむ、魔界に法などは無い。貴様らから見ればまさに無法地帯なのだろうが、それぞれが思うがままに自由に生きる。オレは魔界はそれでいいと思っている」
レミー「思うが侭に・・・自由に」
アシュラ「そうだ。力なきものには生きにくいのは確かだが、コーリンのように力なくとも生きる道もある。思うが侭に、感じるがままに、生きるも死ぬも全てが自由・・・それが魔界だ」
レミー「なんか判る気がする。・・・アーくんはそんな魔界が好きなんだね」
アシュラ「・・・ふん」
10.自分が癒しを感じる時や、至福を感じる時は?
レミー「次はね、癒しを感じるときや、至福を感じるときだよ? あ、至福ってのはね~」
アシュラ「言わんでもわかる。癒しか・・・やはりこうやってワインを傾けている時だな」
レミー「うわ~、なんか凄くかっこよく見える。アーくんって本当にワイン好きなんだね。えっと、じゃあ至福の時は?」
アシュラ「そうだな、強敵と戦って勝った時は至福といえよう」
レミー「あのね、なんか質問の答えがお酒と戦いしかないような気がするんだけど?」
アシュラ「それだけあれば十分だろう?」
11.何かこだわりは?
レミー「アーくんってなにかこだわっていることってある?」
アシュラ「無論ある。・・・戦う相手にはこだわるぞ」
レミー「やっぱり戦いなんだ。でもアーくんらしいかも」
アシュラ「そういうことだ。弱い奴と戦っても詰まらん。戦いなら勝敗がわからぬ相手、自分よりも僅かに強いぐらいが至高だ」
レミー「そんな相手と戦い続けたからアーくんは強いんだね!」
アシュラ「おかげで最近ちょうどいい相手が少なくなったがな」
12.これがベストマッチ! 最高の戦いは?
レミー「アーくんが今までで最高って思う戦いってどんなの?」
アシュラ「そうだな、戦いの面白さや、将来的なものまで含めた総合的なものなら貴様ら3人と戦ったあの戦いだが、純粋に戦いだけなら・・・先のルシファー戦、そして先代の深層魔界の番人との戦いはなかなかに面白かった」
レミー「一番はわたしたちなんだ! あ、でもリューくんがメインなんだよね? でもちょっと嬉しいよ♪ でも、先代の番人との戦いってどんなだったの?」
アシュラ「聞きたいか? 長かったぞ。何せ、1ヶ月も戦い続けたのはあの戦いぐらいなものだ」
レミー「・・・ごめんなさい。やっぱりやめとく」
13.今一番欲しいものは?
レミー「じゃ、じゃあアーくんって何か欲しいものある?」
アシュラ「そうだな、退屈な日々にもそろそろ飽きてきたころだ。新たな戦場が欲しいところだな」
レミー「だ、駄目だよ!? リューくんやあーちゃんはようやく手に入れた平和を噛み締めてるんだから!」
アシュラ「仕方あるまい。ならば、リュウトとの試合を望むとしよう」
レミー「うん、それならきっとリューくんも喜んで受けてくれるよ♪」
14.悩み事はありますか?
レミー「アーくん、もし悩みとかがあったら教えて?」
アシュラ「そうだな、最近オレのところに料理・・・いや、料理とはとてもいえん毒物を持ってくる奴がいてな、どうにかしてもらいたいものだ」
レミー「ム~? アーくんが食べれないような料理・・・あ~、あーちゃんだね! うん、わたし文句言ってくる!!」
アシュラ「止める間もなく出て行くとは・・・。しかし自分の料理の腕を知らぬとは厄介な」
しばらくして・・・
レミー「ねぇ、あーちゃんはアーくんに料理なんか食べさせたこと無いって・・・」
アシュラ「確かに無いな。食いたいとも思わんが」
レミー「じゃあ、一体誰なの~~!!」
アシュラ「さぁな」
15.今、一番戦ってみたい相手は?
レミー「ム~! これたしかにアーくんらしい質問だけど・・・」。
アシュラ「・・・どうした?」
レミー「今一番戦ってみたい相手だって」
アシュラ「なるほど。そうだな、リュウトとの戦いも楽しみだが、貴様の主、レーチェルとやらも面白そうだ」
レミー「駄目~~~~~~!!!」
アシュラ「ぬっ! さすがに天使として主は見逃せぬか」
レミー「違うよ~。レーチェル様は怒ったら本当に容赦ないから! アーくんでも殺されちゃうよ~」
アシュラ「むっ、それほどの相手か・・・いつか手合わせしたいものだ」
16.過去「失敗した!」というエピソードと、逆に「嬉しかった!」というエピソードは?
レミー「え、えっと・・・それはおいといて・・・失敗したエピソードと嬉しかったエピソードってある?」
アシュラ「失敗か・・・そうだな、昔サラマンダーと戦った折、誤って火山を噴火させたことがある」
レミー「あっ! わたしも似たような経験あるよ?」
アシュラ「・・・噴火まではどうでもいいのだがな、その所為でサラマンダーの奴との戦いが中途半端で終わってしまったのだ。今思い出しても惜しい話だな」
レミー「失敗ってそっちなんだ・・・。じゃあ、嬉しかったのは?」
アシュラ「誰しも初めの一歩というのは感慨深いものというのは本当だな。オレも最初の戦いの勝利の感動は未だに忘れられん」
レミー「あはは、本当に最初から最後まで戦いばっかりだね」
17.貴方があと数日で死んでしまうとしたら?
レミー「ねぇ、アーくんがもし数日後に死んじゃうとしたらどうするの?」
アシュラ「数日後か。そのような状況があるとは思えんが、そうだな・・・それほどの時間的猶予があるなら、リュウトに試合を申し込むだろうな。奴との戦いの決着を着けずに逝くわけにもいかん」
レミー「うん、そうだね。きっとリューくんも決着つけたいんじゃないかな?」
18.この世で一番大切なものは?
レミー「アーくんは何がこの世で一番大切だと思う?」
アシュラ「決まっている『闘争』だ」
レミー「え~? わたしは争いなんて無い世界がいいな」
アシュラ「戦いとは何も殺し合いだけではあるまい。無論、オレはその手の戦いも好きだが、試合からライバル同士の切磋琢磨もまた闘争だ」
レミー「あ、そうか・・・そういう争いならいいかも」
アシュラ「うむ、争いが何も生まんのではない。生み出したものを奪い去ってしまう争いもあるということだな。むしろ、この世界にあるものは他種様々な争いから生まれてきたものたちばかりだ。自然に対抗する為に、より多くを売るために、他者より利益を得るために・・・良し悪しはあれどそれらは全て闘争と呼べよう」
レミー「うん、わたしももっと頑張って戦って美味しいお料理アーくんに届けるよ!」
アシュラ「それはなくてもよい戦いだな。いや、貴様は誰と戦っているのだ?」
19.自分を生み出した作者に一言!
レミー「う~、これはなくてもいいと思うんだけど一応・・・サーくんに一言お願い」
アシュラ「そうだな、貴様は何故かオレを安全と思っているようだが、ナイトメアのように有害と判断したものは弱者であろうとも爪にかけることをオレは厭わぬぞ? 死にたくなければ無駄にオレを煽らんことだな」
・・・数少ないオアシスまで奪っていかなくてもいいのでは・・・シクシク。
20.最後に、読者の皆様へ!
レミー「それじゃ、これが最後だよ~。読者さんに一言!」
アシュラ「毎度、このようなものを見てご苦労だな。悪いがオレは貴様らのために戦うわけではない。オレの戦いは何時いかなる時もオレ自身のためだ。が、それを見るのまで文句を言う気は無い。リュウトたちは望んでいるようだからな、奴の気勢が落ちん程度には見てやってくれというところか。ではな」
レミー「アーくん、お疲れ様♪」
アシュラ「まったくだ」
レミー「じゃあお詫びにわたしがお料理を・・・」
アシュラ「コーリン、茶と菓子を用意しろ」
レミー「えっ?」
アシュラ「それを食ったら黙って帰れ。いいな」
レミー「ええ~! いいの! ありがとう、アーくん♪」