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竜神伝説 番外編  作者: KAZ
学園パラレル編
26/41

9話 「歌う! 歌え!? 歌わされます?」

この話の中には歌の歌詞が出てきますが、全て創作です

「さ~て、リュウトは何を歌うのぉ?」


 何が楽しいのかニコニコとマイクと端末を俺に渡して来るのは何故なんだろうか? まぁ、どう見ても俺以外が歌い始められる雰囲気じゃすでにないよな


「そうだな~。俺はこれかな?」


「へ~、リュウトってこういう歌が好きなんだ。ちょっと意外かな?」


 小首をかしげたしぐさも可愛い(いやいや、俺は何を考えてるんだ!? )アキだが、まぁ、なんとなくあっている気がするんだよな(※そりゃ本編のイメージのリュウトの歌ですから)


「そうかもな、じゃあ歌うぞ!」


『遠き道』

 町の明かり 背を向けるように 走り出したあの日

 砕け散った夢のかけらを 星明り頼りに探す

 捨てられないその思い胸に また走るのさ


 運命に導かれるように 集った仲間たち

 夢見る その先は違っていても

 同じ道 歩けるはずさ


 さぁ 壊れそうな思い抱き 崩れそうな体 支え

 願った明日あすに近づくため この命燃やそう

 君たちとならば いつかたどり着けるさ



「うわ~! リュウトって歌結構上手いんだね~!」


「そ、そうか? お世辞でも嬉しいな」


 目をキラキラと輝かせて褒めてくれるママナ。実際問題、俺は並よりもちょっと上か? ぐらいなんだが、こうやって褒められて悪い気はしない


「お世辞じゃなくて本当によかったよ? じゃあ次は私が歌うね!」


 そういいながらすっとマイクを持っていくのはアキ。気がつけばすでにイントロが始まっているし! す、素早いなアキ


「あ~! リュウトの次は私が狙ってたのに~!」


「ふふ、ママナ・・・こういうのは早い者勝ちよ?」


『あの風に』

 ふいに吹いた風が 仮面吹き飛ばしていく

 自分さえも忘れてた 素顔をさらして


 もう一度あの風に 出会いたいと思った

 いくつもの試練越え 重なりあった未来へ

 どんな不幸も涙も 越えてゆけると信じた

 重なった思い胸に 零れた嬉し涙


 もう一度あの風と 歩きたいと願った

 いくつもの夢語り 手に入れた明日あした

 どんな闇の中でも 輝くあなた信じて

 誓った思い胸に 最高の笑顔を・・・



 シーンとする室内。歓声も拍手さえも凍りついたように響かない


「あれ? わ、私、下手・・・だった?」


「い、いや・・・す、凄すぎて声が出なかったんだよ! 凄いよ、生徒会長! いや、アキちゃん!!」


 不安そうな顔をするアキに真っ先に我に返って絶賛したのはユウ。そして、その評価はまったく正しいと俺も思う・・・のだが


「ありがと。ねぇ、リュウトはどう思った?」


 アキの淡白な反応に可哀想なぐらいに泣き崩れるユウ。しかも誰にも気にしてもらえてないし・・・


「あ、うん・・・凄かった。ごめん、凄すぎてそれしかいえないや」


 まぁ、凄いのは間違いないんだが・・・それ以上に歌いながら時々赤い顔で俺の方をちらちら見てたのが気になったというか・・・


「りゅ、リュウト・・・ありがとう!」


 眩しいばかりの笑顔。隣で聞こえる『なんで、リュウトばっかり』と言う声はこの際無視しよう


「で、次は誰が歌う? わ、私はアキの次は嫌だよぉ?」


 とはママナ・・・まぁ、あの歌と比べられたら辛いよなぁ。と、普通は思うところだけど、まったく気にしない奴がここには1名いる


「ム~? じゃあわたしが歌うよ~。」


 元気よく言ったのは勿論レミー。その歌は・・・


『笑顔でHappy』

 Happy Happy 笑顔でGO!

 何時の日だって わたしは笑顔でいるよ

 苦しい時だって 涙の代わりにニコって笑うの


 いつもいつもいつだって 笑顔でいたい

 どんなどんなときだって 笑っているの

 未来は思うほどには きっと つらくはないから

 輝け とびきりのHappyスマイル!


 だってわたしは微笑みのエンジェル 心からの幸せをあなたに

 だってわたしは幸せのエンジェル わたしの笑顔が幸せに

 Happy Happy いつでも Happy Happy GO!



「えへへ~、どうだったわたしの歌?」


 のほほんと笑顔で聞くレミー。直前のアキの歌が素晴らしすぎた為に目立たないが十分すぎるほど上手い歌だったと思う


「凄いよ! アキちゃんだけでなくてレミーちゃんまでこんなに上手かったなんて!」


 相変わらず真っ先にほめるのはユウ。だが・・・


「えへへ、ありがとう!」


「あれ? それだけ??」


 どうもユウの望んだ展開にはならないみたいだな。・・・なにを望んだのかは知らないが


「さ、んじゃ次は私だよぉ~」


『大切な君へ』

 大切な時間何時だって あっという間に終わっちゃう

 君が立ち去った部屋はいつでも 寂しさであ・ふ・れ・て!

 抱きしめたいのは時じゃないよ あなたの心だけ

 抱きしめたいのは夢じゃないよ 現実のあなたが欲しいの


 立ち去る背中飛びついて 行っちゃ嫌だと言いたいよ

 心に秘めた思いはいつでも あなただけであ・ふ・れ・て!

 見つめたいのは顔じゃないよ あなたと行く未来だけ

 見つめたいのは夢じゃないよ 叶えられる現実を

 永久とわに歌いたい歌 大切な君に届け!



「え、えっと・・・どうだったかな?」


 ママナの歌は標準的な上手さなんだろうけど、なんだろうな心に来るものがあるというか・・・あんなに見つめられて歌われれば当然か


「うん、マ・・・」


「あ、ユウには聞いてないから。リュウトどうだった?」


「う、うん・・・そうだな。気持ちのこもった良い歌だったと思うよ」


 隣で声のない叫びで泣いているユウは哀れに思うが


「ありがと♪」


 この満面の笑みには勝てないよな。やっぱ・・・


「くそ~! じゃあ、最後は俺の歌だぜ~!!」




 ・・・あれ?


「うわ~、上手かったよぉ。」


「うんうん、じゃあ次に行きましょう」


「あれ~? 今ユーくん歌った??」


「しっ! 黙っていなさい!」


 マイクを握ったまま滝のような涙を流すユウについ貰い泣きをしてしまいそうになったが


「お、俺の番・・・飛ばされなかった?」


 そう掠れそうな声で俺に聞いてきたユウにたいしては・・・


「あ、あははは・・・お、俺に聞かないでくれ」


 としか答えられないんだ。この差すような黙っておけって視線・・・俺だって怖いものは怖いんだ。なぁ、カラオケってこんなに怖い雰囲気になるものだっけ?


「じゃあ、次はこんな感じでどうかしら?」


 ん? このイントロは確か・・・


「はい、リュウト♪ その・・・私とデュ、デュエット・・・」


 真っ赤な顔でマイクを差し出してくるアキ。・・・断れるわけがないよな。


「ああ、良いぞ」


「あ、ありがとう!」


「ブ~! ア~キ~、それも私が狙ってたのに~!」


「フフ、ママナ、これも早い者勝ちよ♪」


『2人の未来』◆男性パート ▲女性パート ●混声パート

 ▲2人歩く道 どんな苦難あっても あなたの隣で笑っていたい

 ◆2人歩く道 どんな不幸あっても キミを守りぬく俺でありたい

 ▲夢を語る あなたの隣で

 ◆瞳輝かす キミの隣で

 ●輝く未来 信じる


 ◆その微笑を壊したくないから

 ▲その勇気に抱きしめられて

 ◆キミを守る勇気が欲しい

 ▲あなたを守る微笑み湛えて

 ●守りたい思いはきっと同じだから 夢の中でさえ離れたくないから

 ●歩くその道に平凡はいらない ただキミといられる未来だけを

 ◆作って ▲守って ●いこう



「わ~! あーちゃんもリューくんも上手かったよ~!」


「ブ~、確かに上手いけどなんか悔しいよ~! なんなのよ~、まるで恋人みたいに見詰め合って歌っちゃって!」


「そ、そんな恋人だなんて・・・」


 いや、そこで真っ赤になって恥らわないでくれ。本当に恋人と歌った気分になってしまうだろ? ・・・アキが恋人か。それもいいな・・・って俺が良くてもアキが嫌がるよな


「おいおい、あんまりからかわないでくれ。俺と恋人だなんてアキが可哀想だろ?」


 ・・・な、なんだ? このなんともいえない重苦しい沈黙は??


「わかってない。・・・リュウト、まったくわかってない」


「これは私にもチャンスありだけど・・・ちょっとアキが可哀想だよぉ~」


「ム~、リューくんって本当に鈍いんだね」


 なんか女性陣からよくわからない感情がこもった視線が送られている気がする。っていうかレミーにまで呆れられている気がするのは気の所為か?


「コホン! え~、気を取り直して次の曲はこの曲にしようぜ~!」


 何故か重くなった空気を払うようにユウが曲を入れるが・・・これもデュエットだぞ?


「さぁ、誰か俺と・・・」


「あ、私はリュウト以外とは嫌だよぉ」


「ごめんね、私この曲知らない(ってことにしておきましょう)」


「じゃ、レミーちゃん・・・アレ?」


「ん~、レミーならトイレに行ったよぉ~」


 ・・・なんか益々哀れに思えてきたな。いや、何故そう思うかはわからないんだが・・・背中に哀愁が漂っているというか


「俺が歌ってやろうか?」


「うるせぇ・・・なんでヤロウとデュエットしなくちゃいけねぇんだ。ましてお前みたいな奴と・・・」


 いや、それはわからなくはないんだが、泣きながら一人で歌われるとな・・・いや、聞いているのも俺一人なのか・・・


 こうして3時間は時に早く、時に止まったかのようにゆっくりと過ぎ去っていった

え~、とりあえずカラオケは今回で最後です


アキ「うむ、しかし少々哀れに思えるな」


だったら歌ってあげれば良いのに・・・


アキ「それは嫌だな」


は、はっきり言いますね(汗)


ユウ「そうだぜ~! もっと、もっと俺に愛をくれ~!」


アキ「元々0なものは無理じゃ!」


ユウ「アレ? 生徒会長? 話し方変じゃないか?」


アキ「生徒会長ではない。ここでは女王なのじゃ!」


ユウ「じょ、女王? さ、さすがに俺もそういうプレイは・・・。いや、相手がアキちゃんだったら!」


アキ「そういう女王ではないのじゃ~~~~!!!」


・・・お~い、生きているか~? っていうかアキとリュウト以外の初めてのお客さんがキミでこんな役割とは・・・同情するよ


ユウ「同情なんていらねぇ。同情するなら愛をくれ」


随分懐かしいセリフだが、元ネタならともかく愛を同情でくれる人はきっといないぞ。っていうかそれは本当に愛か?


ユウ「お、俺の幸せの天使はどこに・・・」


まぁ、そのうち訪れるさ。・・・たぶん。さぁ、次回はカラオケから彼らはどこに遊びに行くのか! そしてユウに幸せは訪れるのか! 祈ってあげていてください!


ユウ「こうなったら読者様でもいい! だ、誰か愛を・・・」

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