表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説 番外編  作者: KAZ
学園パラレル編
24/41

7話 「それぞれの家庭事情」

 本日3度目になった保健室からの直帰(?)になった家。新しく越してきた新居は学園から10分ほどと近く、ちょっと遅くなっても現在午後5時である。ちなみに姉さんは1週間前から住んでいるが、俺は転校手続きとか前の住居の掃除とかをやっていた関係で初めて入る家だったりする。さて、さすがに姉さんはまだ帰ってこれるような時間では・・・


「ん? リュウトくん、お帰り」


 ・・・なんでいるんだ、姉さん?




「それがねぇ、リュウトくん今日3回も保健室に運ばれたんだって? それでなくても今日は初日だから色々疲れているだろうから帰ってやれって言われたのよ。ま、これは家族の責任であると同時に担任のお仕事でもあるってことね♪」


 なるほど、意外とそういうところはしっかりとしているらしい。まぁ、本当のことを言えば姉さんがいないほうがリラックスできる気もしなくもないが、そこまで学園に気付けというのも無理な話だろうし、配慮に感謝しておくべきなんだろうな


「ということで今日は久しぶりに姉ちゃんの手作り料理だぞ~! あはは、ちょっと~そんなに感涙しなくても良いのに~♪」


 前言撤回する。やっぱりこの人を学園に連れ戻してくれ~~~!! なんで、なんで俺はこうまで食い物に苦労しなければならないんだ? 今日だけで2度目(そう2度のはずだ! 3なんて数字は一切記憶にないぞ!?)のこの苦難。まぁ、レミーのように倒れることはない。元はそれなりに良い肉だっただろう物が半分炭になっていたり、ご飯に芯が残っていたり、味噌汁が少々塩辛いぐらいはきっと許容範囲のはずだ。そう思おう・・・


 で、現在は命の洗濯もとい入浴中。前に住んでいたところよりもずっと広いこの浴室は1人では入っているのが贅沢に感じるほどの広さだ。姉さんがこんな家を借りたり買ったりするほどの金を持っているとは思えないんだよなぁ? ひょっとしてこれも学園が支援しているのだろうか? ありがたい話だが良くわからない学園だな?


「リュウトく~ん、入るわよ~」


「おお~・・・ん?」


 ちょっと待て? 今、姉さんはなんて言った? ま、まさか浴室に入ってくるって・・・あはは、気のせいだよな。きっと、洗面所に入るっていう意味だろう


 なんて言う俺の期待をあざ笑うように、背後で聞こえるカチャという扉が開く音。恐る恐る振り向くと当たり前のように姉さんが裸でいて・・・っていうか姉さん、せめてタオルで隠すぐらいしてくれ


「ん~? お姉ちゃんの美しい裸体にメロメロかしら~♪ リュウトくんならもっと見ても良いわよ? ほらほら!」


 ・・・勘弁してくれ。ってゆうか姉さんは俺に一体どんな反応を期待しているんだ! いや、それ以前に!!


「なんで当たり前のような顔して入ってきてるんだ!? 姉さんには恥じらいって物はないのか!?」


「失礼ね~。でもリュウトくんに隠したいものはないかな。それにね~、こんな広いお風呂に1人で入っているなんてもったいないでしょ? 元々ね、学園に『血の繋がっていない弟との関係をジャンプアップさせるために2人で入れるお風呂のある家』って希望出したらすぐこの家を紹介してもらったのよ! しかもタダよ! タダ!!」


 とりあえず学園が太っ腹なのは良くわかったけど、そんな理由の希望を聞くなよ! あそこの経営陣は何考えているんだ!? ・・・とりあえず姉さんの方は見ないことにしよう


 その後も『ウブねぇ』とか、『お姉ちゃん、寂しいなぁ』とか聞こえた気もするがそんなのは全て無視だ。年々姉さんの『からかい』は過激になっていっているのは気のせいだろうか。俺相手にそんな『からかい』をやっているから勘違いされて恋人の1人も出来ないんじゃないかと思う。・・・もっともやってなくてもできるかどうかは微妙な線だが




 さて、リュウトがそんな『見当違いな鈍さ』を発揮している頃、こちらの家でも動きがあったようで・・・


「あれ? お姉ちゃん、今日は随分早いね」


 一応は学園の理事長なんてやっているお姉ちゃんはいつもは8時ぐらいまで帰ってこない。それでも私のために早く帰るように心がけてはいるらしいんだけど・・・なんでかっていうとお姉ちゃんが帰らないと私がご飯食べれないから


 ムッ! 自分で作れって思った人いない!? そりゃ、作れるものなら作るよ! ほら、学校にはお弁当持って行ってたでしょ? あれはね、朝のうちに調理部の部室を貸りて作っているのよ


 じゃあなんで家では作らないのかって言うと・・・原因はこの扉。台所に入る唯一の扉なんだけど、お姉ちゃんしか入れないようにセキュリティがかかっているのよ!! 普通の鍵だけならこっそり複製するって手もあるわよ? でもね8桁の暗証番号に声紋、指紋、眼紋までつけられちゃどうにも出来ないよ~! なんでお姉ちゃんはここまで私を台所に入れたくないんだろう? そして何でそんな国家機密でも収めてそうなセキュリティを作っちゃうのだろう?


「アキ、どうしたの?」


「ううん、なんでもないよ?」


 ちょっとね、長年の疑問が再浮上しただけだから。まぁ、お姉ちゃんの料理が美味しいのは事実だしちゃんと帰ってきてくれるなら文句を言うのは悪いよね? たまには作らせて欲しいかなとも思うけど・・・ほら、もっと上手くなって・・・その、ゴニョゴニョ・・・とねぇ


「でね、アキ・・・リュウトくんのことはどう思う?」


「ぶっ!」


 い、いきなり何を言うのよ~! 食べていたもの噴出しちゃったじゃない!


「もう! 折角作ったんだから無駄にしないで欲しいわ。それにね、この話を聞くために私は今日早く帰ってきたんだし・・・」


 ・・・無駄にしたのはお姉ちゃんの所為だし! それにそんな理由で帰ってこないでよ~! 理事長ってそんなにいい加減で良いの!? そういえばお姉ちゃんがリュウトの噂を流していたとかって言う話もあったわよね~?


「その前に~、お姉ちゃんがリュウトの噂を流していたって言う話をとある人から聞いたんだけどな~」


 うふふ、策略を講じていたことを知られるっていうのは致命的だよ? その点、噂の流布っていうのは早い段階なら容易に流した人がわかる。噂が浸透しきる時間をかけなかったお姉ちゃんらしからぬミスね! 今度こそ勝てるわ! いえ、私はリュウトがらみのことで負けるわけにはいかないのよ!!


「ええ、確かに流したけど、それがどうしたの?」


 ええ!? なんで! もっと、『なんであなたがそれを知っているの!!?』とかってなると思っていたのに! うう、どういうこと?


「リュウトくんってあなたの好みのど真ん中ストレートって感じでしょ?」


 うん、300キロぐらいの剛速球で・・・じゃなくて! それがわかっていてなんで私の邪魔するのよ~・・・


「フフ、わかっていないって顔ね。いい? 恋はね、障害があるほど燃えるものよ! そして燃えるほどに(私が)楽しめるの!」


「お姉ちゃん? 気のせいかな、途中に余計なものが混ざらなかった?」


「・・・気のせいよ」


 ムッ! 今ちょっと目をそらした! やっぱり何か企んでる!!


「で、アキ・・・リュウトくんともうキスぐらいした?」


 ボンと音がするぐらいの勢いで私の顔は真っ赤になる。きききき、キスなんて、すすすすす、するわけないじゃない!!


「ありゃ~、その様子だとまだみたいね。そんなんじゃリュウトくんを他の子に取られちゃうわよ」


 おおおお、お姉ちゃんがいけないんじゃない! そりゃ何にもしなくてもライバル多そうだけど、無駄に煽って増やしてるのはお姉ちゃんだよ~!


「う~ん、じゃあ私が恋愛指南をしてあげよう! ってことで今日はどうだった? 先ずは現状、情報を知らないとね!」


「え、えっとね・・・」


 こうして私は2時間ほどたっぷりと今日あったことを・・・はっ!? これって私、お姉ちゃんの策略に嵌まってる!?




 なるほどね~、なんかお子ちゃまな恋愛しているのがアキらしいけど、なかなか好感触なんじゃないかな? お弁当と鞭が大分マイナスポイントって気はするけど、他の子の減点はもっと大きいからかなり有利ではあるわね。何だかんだいっても最終的にはアキに勝って貰いたいのは本音。でも話に聞いている限りは私の好みにも一致するのよね? いっそアキには新しいお兄ちゃんが増えるので我慢してもらおうかしら?


 くすくす、でもとりあえずは私が新任のマリア先生の『血の繋がっていない弟との関係をジャンプアップさせるために2人で入れるお風呂のある家』って希望を独断で許可したって話を聞かせてあげようかしら。明日が楽しみだわぁ~♪




 こうしてリュウトにとっては初めての竜神学園の1日は終わるのだった。だが、彼の受難の日々はまだ始まったばかり・・・


とゆうわけで番外編の学園編もようやく1日目が終わりました


アキ「それはまぁ良いとしよう。だが! 本編でも怪しい動きを見せていたがこちらでもメイは『私の』リュウトを奪うつもりか!! いくらメイといえどもリュウトだけは許さんぞ?」


とりあえずこちらでは『私の』といえる状況は出来ていませんが(汗)本編でも両思いの恋人どまりですので一応まだ目はあると。横恋慕ではあるのでしょうが、それを狙っている人多いですしね。そもそもメイは(これを書いた時の本編では)まだ自分の思いの自覚までは行っていませんし。誰かさんと同じで自分の思いには鈍いと・・・


アキ「誰か? それはリュウトのことか!? だからお似合いだとでも!」


(アキも何だかんだいって結構鈍いんだよなぁ。特に自分とリュウトのことは)ま、まぁ、今は番外編の話なので話を戻しましょう。リュウトの方もなかなか大変だったようですが


リュウト「精神的にな。本当に本編の戦いの方がずっと楽だ。料理は2重苦から3重苦に悪化してるし、姉さんは訳のわからないからかいをしてくるし・・・」


アレがわからないのだからアキが苦労をしたのもうなずけます。っていうか良く気がついたなって感じです。彼が恋愛ごとにここまで鈍い理由は本編でそのうち出てきますが、とりあえず次回以降の話をしておきましょう。今回の話で初日編は終了しましたので次回はリュウトたちに遊びに行ってもらおうと計画しています


アキ「ほう? それは良いな。本編のファンタジー世界では出来ぬことも多い。リュウトとの距離もぎゅっと近づくというものだ」


リュウト『たち』ですからね。リュウトと一緒に行くメンバーの男女比を考えてもらうと・・・


リュウト「それはまた俺が余計な苦労をするフラグか?」


さぁ? とりあえず元凶が何を言うってところですね


アキ「ふむ、それについては同感だ」


リュウト「?? どういうことだ?」


とまぁ、リュウトの鈍さを再認識したところで今回はお別れです。ではまた~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければこちらもポチっと押していただけると嬉しいです
小説家になろう 勝手にランキング

竜神伝説本編もどうぞ宜しお願いします
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ