story #009 空刈くんへの想信(そうしん)
どのように、広げればいいか、考えながら・・・
まず、角部さんと空刈君に話そう。
自分を含め3人が文字を見ることを可能にしたい。
文字が見えることを可能にする条件を探せばいい。
そう思っていた。
公園のそばを歩いていると、偶然に空刈君に出会う。
脂川「久しぶりだね。元気してた?」
空刈「はい、久しぶりです」
脂川「少し時間ある?話したいことがあって・・・」
空刈「はい、あります、」
文字が見えた事、ごみが半分になっていること、どんな条件でそれが起きるのかがまだわからない事、などを伝える。
空刈「そんな、不思議な出来事があったんですか、僕も見えるようになりたい、どうやったらみえるようなるんでしょうかね」
脂川「ほんと、そこなんだよ、念力とか使えたらいいのにな・・・」
と冗談ぽく会話をしていた。
とその時
急に周りが暗くなって稲妻が落ちるような光が・・・・そしてすぐ、明るくなった。
二人は顔を見合わせて、"?"を浮かべているのがお互いに通じた。
脂川は、念じることを実践する、もちろんそんなことはこれまで未経験だ。
街をきれいにする、公共を汚さない、その思い一つである。
脂川「念じてみようか、未経験だけど、熱い念を、想いを・・・集中させてみよう、眼を閉じて」
空刈の手と自分の手を交互に重ねて思いを込めた。
・・・・・
空刈「じんわりあったかい感じがする」
脂川「こっちは汗で濡れている」
それ以上の変化は何も起こらなかった。
脂川「何か変化があるといいね、今日はこれで解散しよう」
空刈「はい、ありがとうございます」
それぞれに帰宅した。
次に角部さんにも念じることを決意する。
とにかく、キレイな街に戻す、1つの願いを・・・・・