story #006 新しい仲間が・・・
脂川の様子をここ数カ月見ている人物がいた。ごみの現場の近所の人だった。
気まぐれでごみ拾いをしているのだろうと、思っていたが、継続している行動に段々惹かれていく。
いつもの日曜日、休憩をしていた脂川、すると一瞬、文字が見えたのだった。
でもすぐに消えてしまった。文字を読み取ることはできなかった。
幻覚か?と目をこすり、もう一度見るが、そんな文字は無い。疲れているのだろうと、自分で説得するのだった。そんなこともあったので、早めに切り上げ帰宅した。
いつもの月曜日を迎え、出勤するが文字が浮かんだ現象の事が、時々フラッシュバックするのだ。
深呼吸して、業務に集中し、そんな1週間が経過していく。
日曜日を迎える。いつものように拾っていると声をかけられる。
近所の住人「いつもありがとうございます。あなたの行動を数週間前から見ていました。その行動に、だんだん、惹かれて私も仲間になりたいと思い、声かけさせていただきました。ここに住み、30年以上経ちます、キレイな街に戻したいです」
脂川「ありがとうございます、是非一緒にお願いします、私は、"脂川と申します"とても嬉しく思います、」
角部「申し遅れました、私は、角部といいます、よろしくお願いします、マナー・秩序・ルールが乱れ切っていると感じています」
脂川「角部さんのできる範囲で、一緒にこの原因を突き止めましょう」
角部「ごみの増え方に違和感をかんじるんですね・・・」
脂川「なるほど・・・」
とその時
一瞬光がまぶしく、ペットボトルや、ごみなどに、文字が一瞬見え、消えたのだ。
脂川「あれ、今何かひかりませんでした?」
角部「あ、光りましたね、不思議ですね、いい天気なのに・・・
あの、すみません、これで失礼します、何かありましたら、こちら、携帯番号になります、連絡ください」
脂川「ありがとうございます」
仲間が増えたことがとても、嬉しく感じた。
脂川も帰宅することにしたのだ。時刻は11:40だった。
頭から、あの光が気になってはなれなかった。文字は何だったか、懸命に思い出そうとしても、思い出せずそのうちちょっとウトウトとうたたねをしていた。
はっと目が覚めた時、さわやかな風と共に不意に浮かんだその言葉は・・・
"だるま・・・・・・り"一瞬で、ん?不思議なことが起きるものだ。
何かのメッセージなのだろうか、と感じた脂川だった。
このことが、あとあと、大きな転機のきっかけとなる。