story #004 少年の事情(空刈広大の心情)
空刈広大は中学二年生。
一年生真子ちゃんと仲良くなり、途中同じになったときは、そこから一緒に、
"今朝何時に起きたの、6:30頃かな、英語のワーク何ページまで終わった? 15ページ、昨日のドラマ観てる?見そびれちゃったわ・・・・"
など、たわいもない会話をしながら登校した数分の時間が楽しかった事が、ちょっと懐かしい。
そんな真子ちゃんは、二年生になる少し前に持病が再発し遠方の病院で療養している。
早く元気になってほしいといつも思っている広大。
そんな、何気ない会話は今は無い。
クラスで無視を受けていた。
どうして、そんなことをされるのか、原因が全くわからず、一度に全員ではなく、明らかに、一人、また一人、徐々に無視する人数が増加していたのは感じていた。
親には話す勇気がない。無視が始まってから1週間、2週間・・・・
そろそろ限界に達してきた。精神的にも、そしてクラスの空気にも・・・
心は現実を離れ、孤独を感じる、孤独に操られているような…
苦しもがく思いを抱えている広大。
ついに限界が訪れる。無意識に学校とは違う道路を俯きながら歩いていた。
そう、すれ違う人の視線など眼中にない。
外見では見えない心の中は、ぼろぼろで、ずたずたなのだ。
そんな広大は脂川と出会う。