story #003 証拠不十分で釈放/分裂クローン現象
取調室-008に案内され、椅子に座っている。何がなんだかわけがわからない堂々としている。捕まるような不倫理はしていないからだ。事情聴取をされる。
ゆっくり・・・・・
2時間くらい経過する頃だろうか・・・
結局"証拠不十分"で釈放される。
やれやれ、帰宅した脂川はキレイだった街のことを思い浮かべていた。
ポイ捨てなんだよね、結局、デキゴコロ、っていうやつなんだ・・・・・理由はない。けど、それが悪循環になるねんな。
どうしたらええやろか、カメラ設置するにしても何か所要る?ってなるしな。
いまは、とにかく活動し続けるしかないねんな。
考えてもごみは減らんしな。きれいを取り戻した街を想像して、自分を信じよう。そう言い聞かせたのだ。
写真を撮ることが楽しみの一つとしていたのだが、その時間も最近はないのだ。犠牲にしているような気にもなるけれど、ごみを拾う選択をしているのは自分自身だから、これでいい。改めて自分の心を確かめた。
数週間経過する。
川岸にちょろちょろと、落ちているペットボトル、缶を拾い集めていた。
心まできれいになる気分になっていた。汗かいてそろそろ帰ろうと、集めてきた跡を振り返ったら、1つ空き缶が草の中に捨てられていた。
あれ?拾い忘れたのか?それを最後に拾って帰宅する。
そしてその捨てられた場所は、あれよあれよと、広がっていく。
1が2、2が4・・・・と倍倍に・・・・・そう細胞分裂するように・・・・
誰も知らない。
次の休み、同じ場所を訪れた脂川、缶一面になっていた。これは一体何、業者が捨てる?個人が捨てる?リサイクルの回収があるはずなのだから、やっぱり何か変だと感じる脂川。
とりあえず、拾えるだけ拾う。
やれやれ、と帰宅し、テレビを付けたら、
"家の中がゴミだらけになり、住人が困惑・・・"ニュース速報が出たのだ。
疑問を持つ脂川。
あの工事現場のごみは、どうなっているのだろうか?
ごみがあふれることで、汚染され、感染し、空気も汚れることは、事実だ。
そんなある日・・・少年に遭遇する。
その少年は・・・中学二年生だ。