番外編 俺の恋人 3
ありさちゃんはストラップの武器の扱いも得意だし、受付業務の一環でラヨンラゼールも携帯していた。
彼女強いし、俺が守ってやりたいけど、そんな出番ないなぁ……
エントランスでの戦いは、かなりハードだった。
いつもありさちゃんや詩織ちゃんが、平和に座って受付業務をしているカウンターや、現世から転生されて来た新入社員たちが賑やかに行き交うはずのエントランスの様子はすっかり変わってしまった。
高い天井まで伸びていた柱は、折れて横倒しになっていたり、床も壁も穴だらけで歩くのも儘ならないほどの荒廃で、敵のバケモノ一体と、課長達や俺たち護身術部しかいないこの場所はすっかり戦場と化している。
「しぶといな……」
つぶやいたその瞬間、バケモノはありさちゃんに向かって攻撃をして来やがった。
ありさちゃんは不意を突かれ、壁に弾き飛ばされてしまった。
「ありさっ!!」
俺はありさちゃんに駆け寄り、無事を確認した。
「ケントくん。大丈夫。ちょっと油断しちゃっただけ。」
右肩を負傷しているのに強がる彼女を抱き抱え、猛烈な愛しさと、感じたことのない怒りが湧き上がった。
「この野郎――!!!!」
俺はストラップボウをソードに変えて、バケモノに突っ込んで行った。
俺がバケモノを切りつけるや否や、バケモノの目が光を放ち、その光は体中へと広がり溶けて無くなった。
戦いを終えて、俺はありさに駆け寄った。
「ありさ…大丈夫か?」
俺は自然にありさの名前を呼び捨てしていた。
ありさは俺の目をじっと見ながら
「ケント…」
と呟いた後、ニッコリ微笑んで
「私もこれからそう呼ぶね。」
と、天使のような可愛い笑顔を見せてくれた。
俺は思わず彼女にキスをしようと思ったけど、彼女の左手で阻止された。
「他に人がいるところでダ~メ。
あ、でも後であの石は頂戴。」
え…? あの石…?
俺はこの時、暫くポカンと口を開けっ放しだったらしい。
課長達がストラップを振りながら戦いの後始末をしていた。
折れた柱も、壁も床も綺麗に元通りになると共に、負傷していたありさの傷もするするとウソのように治って行った。
その日の夜のうちに、雰囲気のいいレストランを予約してありさと食事をした。
俺は彼女の気が変わらないうちにと焦って跪き石を差し出した。
「ありさ。この石を受け取って貰えなないるくゎ…」
噛んだ…俺ってヤツは…
「大事な所で……でもそういうケントのこと好きよ。」
落ち込む俺にありさは女神の微笑みでそう言った。
「ありさぁ……」
俺は号泣しながら石のチェーンを1本ずつありさと持ち、ベターハーフの石を完成させた。
「かけて。」
ありさは俺に背を向けセミロングの髪を持ち上げ、白く美しいうなじを見せた。
その白いうなじに見とれていると、
「んもうっ、早くかけてっ。」
と可愛くおねだりされた。
可愛すぎる。
ありさってば可愛すぎる。
俺の恋人は可愛すぎるぅーーーー!!!!
俺はありさの首にベターハーフの石のネックレスをかけながら幸せを嚙み締めた。
この瞬間で、俺は生まれ変わってもずっとこの人の尻に敷かれるのが決定してしまった。
一旦完結しますが、まだまだ番外編は続くと思います。
ありがとうございました。




