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ヘブンズ・カンパニー -天国で運命の人に再会しました-  作者: さがわウェンディフェリシア
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拓実の機転

 「どこへ行った?」

妙見課長は敵レーダーを取り出し、拓実が連れ去られた場所を割り出す。

「145階だ!!」


 八幡課長と愛宕課長と下鴨課長が145階へ向かおうとドアを出す。

「私も連れて行ってください。」

「神崎さん…危険ですから。」

「でも、拓ちゃんがさらわれて…じっとしてなんかいられません。」

「そうですか…

それでは、こちらには妙見課長に残って頂いて、課長さん達や芳澤さん、芦谷さん達に任せて行きましょう。」


 145階に着くと、いつも閑散としている【寿命管理課】のカウンター奥の執務室がより閑散としている。社員達は皆住居棟に避難しているから当然だ。


 シュウ シュウ シュウ


妙な音がする方へ行ってみると、黒田澄香に胴体を巻き付けられて拘束された拓実が苦しんでいた。


「背中の傷は痛いし、呼吸も満足に出来ないようで辛そうね。うふふっ。」

図体はでかく醜く変わり果てた姿の上に、声も低くしゃがれてしまっているのに、喋り方は相変わらず黒田澄香のままだ。

「きも…ち…わるい…な…」

「辛くて気持ち悪いのぉ? お可哀相ね。」

「ちが…う……お前…の…その醜い…姿と…存在が…気持ち…悪いんだよ…」


拓実は、苦しそうに絞り出すようにそう言うと、

「なんですって。この私が醜いですって。」

と、怒り狂う黒田澄香のメタルの鱗は、ますます鈍い光を放ち黒紫の影を纏い始めた。

そして、より強く拓実を締め付ける。

「拓ちゃん…お願いだから、煽らないで…」

私は祈るように、課長達とその様子を窺っていた。



 1階のエントランスでは、妙見課長をリーダーにもう1体との闘いが繰り広げられていた。

「妙見課長。あの鱗がネックで攻撃が効きません。」

その時、145階の1体と同じく、もう1体も黒紫の影を纏い始めた。

「たぶん、145階のもう1体と連動しているんだろう。上で何かが起こっているな…

やつの胴体の裂け目に向かって撃て!!」

二つに切り裂かれて、まだ生々しい切り口に向かってラヨンラゼールやストラップボウの攻撃を一斉に仕掛けた。


「ぎゃうううっ」


黒田澄香が尻尾を一振りすると、護身術部の何名かは弾き飛ばされてしまった。

「効いているみたいだな。鱗が再生する前に一斉攻撃を続けよう。」


ラヨンラゼールとストラップボウで攻撃を仕掛けるも切り裂かれた傷口は勢いよく再生され、鱗に覆われていく。

「傷が塞がる前に少しでもダメージを与えなくては…」

課長部隊や護身術部のメンバーは必死に攻撃を仕掛ける。

やがて、傷が完全に鱗に覆われてしまった。

「しまった。もう攻撃は効かないのか……」


 誰もが、そう諦めかけた時、黒田澄香から苦しむような叫び声が上がった。

「チャンスだ。」


 

 この時145階では、拓実が連れ去られる直前に手にした剣で拘束されたまま黒田澄香の隙をついて頭の一つを斬りつけていた。


「うぎゃあああああっ」


 斬りつけた頭は床に落ち、暫くクネクネと動いていたが、やがて動かなくなり床に吸い込まれるように消えていった。

 

「頭を一つずつ攻撃すれば、殲滅できるはずだ。行くぞ。」

八幡課長達は、ラヨンラゼールとストラップソードを両手に持ち、攻撃を仕掛けようと駆け寄ろうとした。


 「近付くな。こいつがどうなってもいいのか?」

 黒田澄香は拓実が持っていた剣をはたき落とし、敵に奪われないように素早くその醜い体で覆い隠した。

 人質を取られ、課長達は近付くことが出来なくなってしまった。


戦いの終わりが見えない…


次回は、来週月曜日AM7:00更新予定です。

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