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ヘブンズ・カンパニー -天国で運命の人に再会しました-  作者: さがわウェンディフェリシア
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SS 暴走

 「まだなの?まだ承認下りないの?次の使者を送り込みたいんだけど?」

「お前の仕事は上の世界で怨みや妬みを増やし、犯罪者を作ることだ。」

「そんな事より、ヘブンズ・カンパニーに直接攻撃を仕掛けた方が早いじゃない。」

「あの会社に攻撃したところで、我が社が発展する訳でも社員が増える訳でもないだろう。お前等のやり方は間違っている。くだらないことをするために、これ以上仲間を犠牲にする事は許さない。」

「私のやり方に口出ししないで。」

「あまり勝手なことをしていると地獄の底へ落とすぞ。」


 高圧的で頭の固い上司のせいで、私の行動が制限される。

あの会社へ使者を送るのは一人ずつではなく軍隊で送りたいのに。

何としてでも、何としてでも、私の怨みを晴らしてやる。

あのドアを突破出来れば、いちいち申請の許可待ちしなくてもいいのに。

 

 上の世界にいた時と違って、この会社の上司は私の色仕掛けでは動いてくれない。

それよりも、私はもう上の世界にいた時のような極上の美貌を持ち合わせていない。

次に上の世界に派遣されても、美しい容姿は見込めない。

「悔しい。それもこれも早瀬拓実のせいよ。あの男だけは私の言う通りにはならなかった。

絶対に思い通りに振り回して、酷い目に合わせてやらないと気が済まないわ。」


 この会社、ヘルズ・コーポレーションは悪人の集まりで無秩序なようだが、実はそうでもない。

上司に企画書の提出、承認が下りて初めて行動を起こすことが出来る。


  黒田澄香は、あのドアを破るために、ヘブンズ・カンパニーの課長クラス5人分の情報が必要という事を得るためにそうとうな苦労をした。

 

 現在ヘルズ・コーポレーションの社員だが、前回の転生前までヘブンズ・カンパニーの社員だったという人間も複数人在籍している。ほんの少し【トク】より【ゴウ】が多かっただけで、今回はヘルズ・コーポレーションに入社してきてしまったようだ。

 そんな奴らは、当然この会社よりもあちらの会社へと戻りたがっている。だから、あっちの会社の情報を口割らせるのに苦労するのだ。

 

 「2人目の情報を抜き取ったわ。あと3人であのドアのセキュリティが解除出来る。

承認さえ下りれば…」

 黒田澄香は、あのドアを破り復讐するため、仲間を集めて策を練る。上の世界の時ほどではないが、この女には悪い意味でのカリスマ性がある。ヘルズ・コーポレーションにも黒田澄香に少なからずついていくやからがいるのだ。


 「あなた達だって、あっちの会社にはムカついているわよね?思い通りにはさせたくないわよね?」

 地鳴りのような賛同の声が地下に響き渡る。

「いい?あと3人分の情報を手に入れて、何としてでもあのドアを破りましょう!」

 再びおこる仲間達の賛同の声に、黒田澄香は酔いしれた。


 「アザゼル様。奴等、受付に武器を置き始めました。ですから、二人目同様、これからは外出中を狙った方が安全策かと…。」

 黒田澄香という名前は前世で付けられた名前に過ぎない。アザゼルというのは黒田澄香の魂に付けられた名前で、この会社ではこの名前で呼ばれている。

「そうね。」

「早く決行しましょう。承認が下りるのはいつ頃になりそうですか?」

 黒田澄香は[承認]という言葉にうんざりしていた。

「もう偉そうな奴等に抑圧されるのはごめんだわ。承認なんか待たずに立て続けにやるのよ。」

 賛同者達は黒田澄香に向けて右手の拳を突き上げ、地鳴りのような声を口々に発し、作戦の成功を誓い合った。


 「アザゼル様。4人目の誘拐が成功しました。」

「ご苦労様。あと一人ね。あと一人の情報であの扉の解除が可能になるわ。」

「奴等ざまぁないですね。後手後手で手も足も出せないみたいっすわ。」

 澄香と話しているこの男バフォメットは、先日の猿田彦課長誘拐の時に清澄議員に成り代わっていたやつで、澄香の右腕的存在だ。バフォメットは黄色く薄汚れ尖った歯を見せながら高笑いをした。

「最後の一人の時は私も出向くわ。すぐに計画しましょう。」


 犯行現場は、現世のとある神社。

新入社員達を引き連れてターゲットがやって来た。

「みなさん。それでは、願いを聞き取ってそちらの用紙に記入してください。」

出雲課長の周りには、黒紫の影が煙のように、いくつも立ち上った。

「み…みなさん。離れていてください。危険です!」

出雲課長は、腰に取り付けていたラヨンラゼールを抜き、黒紫の影に向かって発砲した。

 発射された強い光は、一つ、二つと影を吹き飛ばした。

「バフォメット!!  よくも私の右腕を…」


 出雲課長の検討も空しく、黒い袋で捉えられてしまった。

新入社員達は何が何だかも分からず、ただオロオロするだけだった。


 ヘルズ・コーポレーションの地下の一室では、作戦成功の祝杯を上げていた。

「バフォメットの損失は残念だったけど、これであのドアを破ることが出来るわ。このまま、遂行するわよ。」

 そう叫ぶ黒田澄香の両足は、仲間が消える度に鈍く光る何かが大きく広がっていった。


ドアのセキュリティアップデート、間に合わず…


次回は、来週月曜日AM7:00更新予定です。

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