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ヘブンズ・カンパニー -天国で運命の人に再会しました-  作者: さがわウェンディフェリシア
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SS 私のアイドル 2

芳澤ありさのSS後編です。

 私は家の近くのコンビニでバイトを始めた。シフトによっては、夜遅くなる事もある。いつも来るお客さんの顔は大体覚えた。

「芳澤さん。いつも9時過ぎ位に来るお客さんに君のこと根掘り葉掘り聞かれたんだけど。気をつけた方がいいよ。」

 店長にそう言われて、あまり遅い時間帯のシフトは入れないようにした。


 今日は急いで帰って課題をやらなくちゃ。

私は急いでいた。後ろから誰かついて来る気配がする。私は振り返る事なく走って逃げた。

 急いでアパートに駆け込み、鍵をかけた。カーテンも閉めた。

 これで大丈夫。課題やろっと。

夜中までかかって課題を済ませ、2時頃に床についた。

 

 カチャ

微かな音がして、誰かが入ってきた。私は眠っていたので気付かずにいた。

「ありさちゃん…好きだよ。」

見覚えのある顔だった。コンビニに来るお客さんだ。

寝ている私に馬乗りになって、口を塞がれた。私は微睡まどろみの中、 首を絞めて殺された。

 ストーカーだった。まだ温かい私の死体にキスをしたり、性的欲求を満たしたりしているのを俯瞰ふかんで見ていた。

 きもっ…


 次に気付いたら、ヘブンズ・カンパニーに来ていた。

女子大生だったのに、急にOLさんへと一足飛びだったけど、真面目に3年程働いていた。ある日、ストーム&ハリケーンのケントくんがやって来た。

ちょっとガッカリだった。

リュウくんだったら良かったのに。

そう思っていたのに、なぜか観覧車に一緒に乗ることになった。


 はじめは向かい合って座ったはずなのに、気付いたら隣に座っていた。

「ありさちゃん…好きだよ。」

そう言ってケントくんの顔が近付いてきた。

「いやぁぁぁぁぁ!!!!」

よりにもよって、殺された時と同じ文言で迫ってきたのには虫唾むしずが走った。

「え?なんで?そんなに俺の事嫌い?」

「違うの。いや、違うというより…その言葉が…殺された時にストーカーから言われたのと同じで…」

ケントくんは申し訳なさそうに

「ごめん。俺知らなかったから…」

と素直に謝ってきた。

「でも俺、本当にありさちゃんの事が好きなんだ。どうしたら分かってもらえる?」

「ちょっと前まで矢野さんに言い寄ってたのに?」

「違うんだ。あれはありさちゃんの気を引こうとして…ごめん。矢野さんにも正攻法で行けって言われた。」

国民的アイドルが本気でシュンとしている。私の推しはリュウくんだったけど、こんな真っ直ぐ気持ちをぶつけられたら嬉しいに決まってる。


「じゃあ、誠意を見せて。」

「誠意…」

ケントくんは暫く考え込んでから、ふと顔をあげて叫んだ。

「俺、ありさちゃんを守る!これから先何があっても守る!!」

「それ、誠意なの?口では何とでも言えるし。」

「俺、ソードもウィップもボウも、ありさちゃんのために強くなる。そして守る。」

「ウィップ、あまり得意じゃないくせに。」

「それでも練習して守る。」

何とかの一つ覚えのように繰り返されて、もうどうでもよくなっていた。

「わかった。じゃあ、守ってもらう。」

「いやったぁ!ありがとう、ありさちゃん。俺、頑張る!」

そういうと、不意打ちのようにキスをされた。

「ちょっ…」


 観覧車から降りてもまだ、頬の火照りが収まらなかった。矢野さんが嬉しそうなケントくんに

「景色すごかったね。綺麗だった。」

と言ってきたのに、ケントくんは

「あ、全然見てなかった。」

と返していた。

 バカッ。何してたかバレるじゃないの!

と、思ったら矢野さんてばケントくんにサムズアップをしてた。

サムズアップ?計画的犯行なの?矢野さんってば一枚噛んでたのね。挙句の果てに「あとで、報告するように。」ってケントくんに小声で言ってた。

ま、本当に矢野さんの事は利用しただけで、本気で言い寄ってた訳じゃないってことが分かったからいっか。


この日を境に私の推しはリュウくんから、バカだけど素直で優しいケントくんに交代した。


次回の更新は未定です。毎度申し訳ない…

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