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ヘブンズ・カンパニー -天国で運命の人に再会しました-  作者: さがわウェンディフェリシア
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課長救出大作戦

 エントランスでは、規制線テープが張られ、いくつものラヨンラゼールの装置が設置された。

黒く焦げた跡に向けて正確にピンポイントで光をあてられるように微調整がなされていた。

私も芳澤も気になって見には来てみたものの、規制線の中には入れてもらえず、野次馬の人たちに紛れて見ていた。


 課長会議でラヨンラゼールを提案していた八幡やはた課長や愛宕あたご課長、妙見みょうけん課長、建御たけみ課長が光を纏った鎧を着て現れた。彼らのアテンドをするように、数人の課長が光のレインコートのような上着を全身が隠れるように着て、後ろからついて来た。

「あ、下鴨課長。」

「ああ、矢野さんと芳澤さん。気になっていらしてたんですね。でも、危険なのでここから先には行ってはダメですよ。」

「あの光の鎧って…」

「影には光で対抗です。彼らは戦闘に特化した課長達です。きっとすぐに春日課長を救出してくれますよ。」

「課長も光のコートを…」

「ああ、これは万が一のためです。私はご存じの通り、あまり武器の扱いが上手くないので、戦いには参加しません。」

「皆様ご無事に済みますように。」

私が何の気なしに、課長達の方を向いて手を合わせると、鎧やコートから放つ光が強くなった。

「矢野さん。今、光が強くなりましたよ。」

目を瞑ってお祈りをするように手を合わせていたので気が付かなかったが、芳澤にそう言われて目を開けると本当に光が強くなっていた。

「矢野さん。ありがとうございます。それは、戦闘にすごく役立ちます。」

光が増したことに気付いた課長達がこちらを向いて軽く手を振ってくれた。

「矢野さーん。ありがとう!心配いらないからねー。」

八幡課長がそう言うと、数多のラヨンラゼールが光り出した。

いよいよ春日課長救出大作戦が始まる。


 光のコートを来た課長達がラヨンラゼールの最終的な微調整をし、全ての装置がオンブロの跡があった黒く焦げた所をめがけて一斉に光を発射した。

まるで、あちらこちらからスポットライトがピンポイントで当たっているようで、その箇所は眩しすぎて見えないくらいだった。

眩しさに目を細めていると、黒く焦げていた個所は穴が開いてきているように見える。

穴は段々と大きくなり、ドリルで穴をあけていく道路工事を思い出させた。

時折沸々をオンブロが沸き上がる気配があるけど、ラヨンラゼールの光にすぐにかき消された。

八幡やはた課長、愛宕あたご課長、妙見みょうけん課長、建御たけみ課長が順番に穴に飛び降りていくのが見えた。彼らはラヨンラゼールがハンディになったような装置を持っていた。

穴からは強い光が漏れ出てくる。強い光は段々と深くなっていくように見えた。


 課長達4人が穴に飛び込んでから、30分程が経っただろうか? また、漏れ出てくる光が徐々に浅くなってきている気がした。

すると、建御たけみ課長が一人穴から出てきた。そして、妙見みょうけん課長、愛宕あたご課長と次々に出てきた。

 最後に八幡やはた課長が出てくると、続いて大きな光の塊が浮き出てきた。

大きな光はゆっくりと穴から出て、少し浮いてからすーっと床に着地した。

大きな光は少しずつ弱くなっていくと、中から春日課長が膝を抱えた格好のまま縛られ、猿轡さるぐつわをかまされた状態で現れた。


 「春日課長…」

私は思わず、規制線を越えて走り寄った。

私を止めようとした光のコートを着た日光課長が、下鴨課長によって止められた。

縛られていた黒い縄のような物と猿轡とはずし、春日課長を抱きかかえるようにして呼びかけた。

「春日課長!!」

春日課長は目を覚まし、まだ虚ろな状態で私の目を真っ直ぐに見つめた。

「矢野さん…心配かけてごめんなさいね。ありがとう。」

「申し訳ありませんでした。私が危険な事と承知しながらお願いしたから…」

「いいえ。あなたはこうして助けてくれたじゃないですか。」

「助けてくれたのは八幡課長達です。私は何も出来ませんでした。」

「そうではないわ。確かに八幡課長や他の課長さん達に大変お世話になったけど、あなたは正確にあったことを伝えてくれたんでしょう。そのお陰で私は帰って来れたんです。」

「春日課長…」

私は号泣しながら春日課長に抱き着いていると、八幡課長は

「そろそろ春日課長を119階の愛昏あいぐれ主任に所に連れて行きたいんだけど、いいかな?」

と、私に優しく問いかけた。

「はい。お手伝いします。」

八幡課長は、軽々と春日課長を抱き上げ、

「それじゃ、119階へのドアを出してくれるかな?」

と笑顔でお願いしてくれた。

何もしないより、ドアを出すだけでも、お手伝いをさせてくれたことに深く感謝をした。


 119階の救護室では、ベッドの一つに、まだ固まりが解けきっていない伏見課長が横たわっていた。春日課長は、伏見課長から少し離れたベッドに運ばれ、愛昏あいぐれ主任に診てもらっていた。

「春日課長は、救出が早かったお陰で衰弱もそれほどしていませんよ。このヌティリティフ液を飲んで、1日ゆっくり休めば大丈夫でしょう。」

「ありがとうございます。あの…私に春日課長のお世話をさせてもらえませんか?」

私の申し出に春日課長は、

「矢野さん。大丈夫だからそんなに気負わないで。」

と、申し訳なさそうに言った。


 その後、エントランスに戻ってみると、穴はすっかり元の状態になり、ラヨンラゼールの装置や規制線テープも無くなって、いつもの風景が戻っていた。


次回の更新は未定と言いながら、まさかの連日更新…すいません。。。

でも、次回の更新は本当に未定です。なるべく早く頑張ります!

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