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ヘブンズ・カンパニー -天国で運命の人に再会しました-  作者: さがわウェンディフェリシア
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護身術部発足

 自主練の一件から、護身術を練習するための部を発足するために、嘆願書として事務仕事が苦手なケントくんが書面にして提出してくれた。

本来なら調べ物をしたり、要望を提出するには【トク】が掛かってくるのだが、課長たちも、

「ここは弊社の安全のために必要なので、経費で何とかしましょう。」

と言ってくれた。その上、他にも護身研修経験者に広く声を掛けてくれた。


 私は一つ疑問があった。課長クラスの人たちって護身研修を受けているのだろうか?

病死や事故死の場合は研修の対象外なので、受けてない課長もいると思うんだけど…

その疑問には、伏見課長が答えてくれた。

「私達、課長クラスの人間は転生の予定がありません。この会社が円滑に回るために転生しないお約束になっているのです。」

うん…伏見課長の説明って相変わらずザックリしてて、ちょっとズレてるんだよね。

「じゃあ、課長は何十年も転生しないで、この会社にいるってことですか?」

素直なケントくんが、そう質問していた。

「はい。何十年ではなく、何百年ですが…。」

「もしかして、課長たちが生存していた時代って大昔なんですか?」

「そうですね。人によって違いはありますけど。」

驚いた。まさかの答えだった。

「で、課長たちも護身研修は経験されてるんですか?」

拓実が冷静に質問した。

「はい。私たちは50年に1度ほどのペースですが、受けに参ります。」

と、伏見課長が眼鏡をおさえながら、やっと聞きたいことを答えてくれた。


 ケントくんの頑張りで、毎週金曜日の終業後に12階の第3会議室を借りれることになった。

当初、私達発足メンバー4人と、伏見課長、下鴨課長、出雲課長の7人だけだったメンバーが、38人に増えていた。

 中にも、【宴会課】伊勢課長、【閃き課】日光課長、【企画課】太宰課長、それに【仕分け課】春日課長までいる。


 ケントくんが張り切って一歩前に出て仕切ってくれた。

「じゃあ、とりあえず自己紹介しましょうか。」

私達発足メンバーの後、課長クラス、そしてその他の方々の自己紹介へと進んだ。


「松下啓介と申します。ショッピングモールで連続殺人事件の被害者で、こちらに来てまだ1年経っていませんが、護身研修は終わっています。宜しくお願いします。」

あ、私が【仕分け課】の時に高山と行った凄惨な事件の…あの被害者の方だ…


 まず、練習したいものごと数人のグループに分かれて練習する。

私は迷わずボウのグループに入った。

「弓をかまえて…光の矢を作って…撃つ。」

呟きながら練習した。やはり的を捉えられなかった。

「ふう…もう一回。弓をかまえて…光の矢を作って…撃つ。」

また失敗だった。

「詩織の矢は右に流れる傾向があるから、予め少し左に構えたらどうだろう。」

と拓実がアドバイスをくれたので、言われた通りに少し左に構えてみた。

「弓をかまえて…光の矢を作って…撃つ。当たった!」

光の矢は的の右端を捉えた。

「さすが、拓ちゃん。ありがとう。」

「その調子!」

 

 端とはいえ、一度的に当たったので少し余裕が出た。落ち着いたところで、周りを見渡してみると、意外にみんな下手だ。

「なんだ、ヘタくそなの私だけじゃないね。」

拓実も芳澤もケントくんも上手い。でも、私だけが下手な訳じゃないことが分かって少しほっとした。

「自分より下手な人見て安心しちゃダメだよ。俺たちはヘルズ・コーポレーションから身を守るために練習しているんだから。」

そうだった。だからこそ練習が必要だったんだ。

その後も大きく外したり、的の外側に当たったりと打率は2割といったところで今日の部活は終了した。 


 翌週、終業後に12階の第3会議室に行ってみると、メンバーが54人に増えていた。

その翌週には98人と段々と大所帯になって、もう部活というより部隊という感じだった。





次回の更新は来週になります。

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