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初ドロップとDランク

すこし長めです。

 ついに降り立った。この札幌地下大迷宮の2層に。1層と変わらず地下水路のような見た目の入り組んだ迷路ではあるが、やっぱり1層違うだけで空気の重みが違うというかなんというか。そしてふと左の道を見るとゴブリンが4匹いた。


「『深淵弾(アビスバレット)』!」


 先制で魔法を打ち込む。うまく当たれば全滅させれるが...。まぁさすがにそうはいかずにゴブリンが二体残ってしまった。あとの残りは物理で行くか。


 ステータスが上がった今、昔と同じ攻撃をすると爆弾みたいにゴブリンがはじけ飛ぶからな。うまく調節して殴る。一瞬でゴブリン達との距離をつめると、ゴブリン達の驚いている様子がスローモーションで見えた。変わったな、俺も。感傷に浸りながら片方のゴブリンを殴り飛ばし、切り返しでもう片方のゴブリンを蹴り上げる。これでゴブリンは全滅した。


 これが普段になるわけか。魔法を使える回数は無限ってわけじゃないから節約していかないとな。


 今度は『深淵の剣』で戦ってみよう。マップを見て3層への階段へ向かうついでにゴブリンを探す。まぁ大体道を曲がるといるんだけどな。よし、見つけた。


「『深淵の剣(アビスブレード)』」


 深淵の闇が形作る剣を握る。うん、しっくりくるな。俺はいつもの奇襲と違い、ゆっくりとゴブリン達に近付いていく。今回のゴブリンは5匹。今回は正面から戦う。いつもは奇襲で終わらせていたからここら辺で戦闘経験を身に着けたい。


「ギャギャ!!」


 ゴブリン達がこちらに気が付いたようだ。俺は少しずつゴブリン達の元へ歩み寄る。ゴブリン達がこちらによって来る。大体距離が5mくらいまで近づいた瞬間に俺は剣を構える。間合いをよく見て、斬る。


「ギャー!?」


 一番先頭を走っていたゴブリンの胴体が分断され空気に溶けていく。そして、剣を構えなおし、二匹目には突きを決める。心臓を貫かれたゴブリンもまた消滅した。残り3匹。


「「ギャ―!!」」


 残っている2匹が同時にとびかかってくる。やっぱりステータスの差からなのかかなりゆっくりだ。タイミングを合わせて薙ぎ払い。2匹同時に消滅させる。残った1匹には剣を投げつける。とんだ剣はゴブリンの眉間に突き刺さる。ゴブリンは絶命して消滅し、具現化できる時間が切れた剣もそのまま消滅した。魔法によって生み出した剣だからこういう使い方もできる。


 うん、2層に来ても無傷で行けるな。これで母さんに心配をかけずにすむな。さて、ここからは全力で3層まで向かおう。現状一番効率がいいのは『深淵の刃』を外さずにすべて当ててゴブリンを倒すこと。魔力の節約もできるし、何より早い。


 それから3層への階段までに出会ったゴブリンは全て『深淵の刃』で倒し、ついに3層への階段の前にたどり着いた。時計を取り出してみると、現在時刻は午後1時。時間はまだまだあるな。


「行こう、3層」


 階段を下り3層に入る。1層上がるごと重くなるこの空気。先に進んでいる実感がわくな。ここでエンカウントするのは武器持ちゴブリンか。全ステータスは平均25程度といわれていて、Eランクに分類される。今の俺なら余裕だと思うが、今までとは違い敵が武器を持っていうから今までの中で一番警戒しなければならない。


「ゲギャー!」


 ッ!奇襲か!急に右からゴブリンに剣で攻撃された。とっさに『深淵の剣』を具現化させて受ける。ステータスの差からか、そこまで重いと感じる剣ではないな。力を込めてはじき返し、そして袈裟斬りをしかける。剣持ちゴブリンは俺の剣に反応し、自らの剣で俺の剣を受け止めたが、やはりステ差がある故、剣ごと真っ二つになった。ドロップ品は...。なしか。


 まぁそりゃ剣ごと斬っちゃったしな。察しのいい人なら気が付くことだが、武器持ちゴブリンのドロップ品は武器だ。今回はドロップするはずの武器を壊してしまったからドロップしなかったのだろう。仕方ない。


 まさか階層を上がったばかりであったとは言え奇襲を受けるとは。これはもう少し気を引き締めていかないとな。索敵を慎重にやっていかねばなるまい。


 目標を達成するために次を探しに行こう。武器持ちゴブリンはなんの武器を持っているかは完全ランダムらしい。一部では武器ガチャゴブリンといわれてるとかいないとか。初めてドロップしたゴブリンの武器を記念にとっておく人も少なくない。売ってもあんまお金にならないしな。


 今日はこれ以上先に進む予定もないので、適当にゴブリンがいそうなところを探していると、槍を持っているゴブリンを発見した。今回は壊さないように深淵魔法で遠距離からやろう。


「『深淵弾(アビスバレット)』」


 いくつもの深淵の弾幕が槍持ちゴブリンを貫通する。ステータスが上がったおかげなのか飛んでいく玉の数が増えた。槍持ちゴブリンはそのまま膝をつき、消滅した。後には槍が残る。


 落ちた。初めてのドロップ品だ。なんの効果もないただの鉄の槍ではあるが、初めてのドロップ品ということでなんとも言えない感動がある。俺の場合は魔物を倒し始めてから1年以上たっているので感動もひとしおだ。


 槍を拾ってじっくり見てみると、ゴブリンが持っていた時の槍とは少し違うのが分かった。なんというか新品っぽい。ドロップするものと武器持ちゴブリンが戦うときに持ってる武器は同じ種類でっも同じものではないということか。だったら折れててもドロップしてよくないか?


 まぁなんにせよ目標を達成することができた。にしても大きいドロップ品だからな。こんな武器を持ってたら町中で職務質問される可能性がある。しっかり探索者協会が配布しているドロップ品用のカバーを付けてでないとな。マジックバックがあったらそれもなくて大丈夫なんだけどな。いつか買いたいところだが最小容量でも50万はするからな。仕方がない。


 初ドロップを回収したはいいものの、ぶっちゃけ邪魔すぎて攻略どころではない。今日はもう帰ることにしよう。


「きゃぁぁぁ!」


 悲鳴...?少し先の道から女性の悲鳴が聞こえた。ゴブリンに武器でもやられたか?なにかあってはいけない。とりあえず向かおう。


 全力で悲鳴が聞こえたところまで行くと、ガタイのいいゴブリンが恐怖で腰が抜けてしまっているであろう少女にまさに剣を使って切りかかろうとしているところであった。まずい!


「『深淵弾(アビスバレット)』!」


 深淵の弾幕をゴブリンに飛ばす。ゴブリンは煩わしそうに手をかざして防ぐ。全然聞いてねぇな...。今までのゴブリンだったらほぼワンパンだったぞ。


 深淵弾を目くらましに少女を抱えてゴブリンから距離を取る。


「大丈夫か?」


「え...あ...はい...」


 少し気が動転してるようだが、まぁ大丈夫か。


「逃げられるなら早く逃げた方がいい。無理そうならここにいてくれ。俺が君を守る」


「は、はい」


「グオォ!」


 あのゴブリンが手を振ると周囲に舞っていた深淵弾のかけらのようなものがすべて吹き飛んだ。それと同時に感じる風圧。


 いままでの中でも段違いにやばいな。おそらくあれはDランクのホブゴブリンだろう。なぜ3層にいるのかはわからないが、とにかく今やらないと被害が出る可能性がある。奴は今俺がここでやる。


「グルァ!!」


 ホブゴブリンは剣を振りかぶりこちらに突撃してくる。速い!俺とほぼ変わらない速度だぞ!


「『深淵の剣(アビスブレード)』」


 全力でホブゴブリンの剣を受けとめ、切り返し、そして一撃を与えるが...。


「グルゥ...」


「薄皮一枚か...」


 皮膚が少し切れただけで全然ダメージが入っていない。こいつは少々まずいかもな。


「『深淵の槍(アビスランス)』!」


 至近距離で深淵の槍をぶちかます。そして俺は爆発の衝撃で距離をとる。


 ホブゴブリンを見ると奴は爆発の衝撃からか、少しよろめいていた。少しはダメージが入っているように見える。


「『深淵の槍(アビスランス)』!」


 距離をたもち深淵の槍を撃ち続ける。いつかはこれで倒せるはずだ。


「グルアァァ!!」


 くっ。怒り心頭ってか。心なしか先ほどよりもホブゴブリンの動きが早い気がする。だけど、俺も早くなっているような。そんな気もする。しかしやはり火力不足だ。どうにか火力を出さないと。震えてこっちを見てる女の子だっているんだ。やるときはやらなきゃ男じゃねぇだろ!!


「いける、これなら!!」


 掴んだぞ、新しい魔法の使い方!!


「『深淵尖殺拳』!!」


 俺の最も得意な体術。その拳に貫通力のある深淵の力を乗せる。魔力の消費は激しいが火力だけなら最高だ。


 俺の拳はホブゴブリンの腹に大穴を開けた。手負いが一番怖いというし、一応手を引き抜き距離を取る。ホブゴブリンは崩れ落ち、消滅し、後に剣と小さな石を残した。


「Dランク、か。まだまだきついな...」


 明日以降には5層より上の挑戦も考えていたが、これはまだ先になりそうだ。こんなのがうようよいうなんて、今の俺にはまだ無理だろう。すいえばここは3層だがなんでこいつがこんなところにいたんだ?


 そういえばあの子は無事か?


「あ、あのー...」


「あぁ、大丈夫だったか?」


 話しかけてきた。どうやら怪我も無いようだ。しかし、よく見るとかわいらしい子だな。きれいな二重で栗色の髪がとても綺麗...。やめよう。変な人になっちまう。


「お、おかげで助かりました! 私、笹島(ささじま) 美佳(みか)って言います! あの、お礼をさせていただけませんか?」


 そうか、状況的に俺は命の恩人みたいな感じになるわけか。でもなんかあれだな、見返りの為に助けたみたいになるのもなんか嫌だしな。


「俺の名前は神宮司(じんぐうじ) 悠斗(はると)。礼はいいよ。その代わりといってはなんだけどドロップ品は俺の物ってことでいいか?」


「そ、それはもちろんです!悠斗さん...」


 ダンジョンでは先に魔物と戦っていた人の魔物を横から倒してドロップ品を取るのは厳禁だからな。今回は俺が魔物を横取りした形になってもおかしくないわけだ。


「そういえばなんでここにホブゴブリンがいたんだ? 3層だろ? ここ」


「それが、私にもわからなくて...。曲がり角を曲がったら剣持ちゴブリンを軽くひねるあの魔物にあったんです...」


 ホブゴブリンは基本エンカウント時に武器を持たないから何かがおかしいと思ったが。それにゴブリンをあいつが殺したってことは...。


 魔石は売りたかったところだけど...。これは探索者協会に報告に行った方がいいかもしれない出来事だな。


「悪いけど、この後一緒に探索者協会に一緒に報告に来てくれないか? 犠牲者もでかねない事態だしな」


「わかりました!」

いかがでしたでしょうか。

少しでも、面白いなと思っていただくことができましたらこれからも私の作品を読んでいただけるとありがたいです。

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