文化祭マジック狙い(対象:不特定多数)
お久しぶりです
文化祭開催の告知がなされたことで、学園町の雰囲気も一気に学園祭仕様になっていく。各生徒が、自分が所属する団体の、文化祭準備に終われて、泊まり込みをする生徒もいるらしい。
最も、その反面で不埒な連中も大勢湧く。
例えば。
「はい、そこ。 ナンパが失敗して悲しいのは分かりますけど、往来で号泣しないで下さい」
文化祭は彼女と一緒に回りたい、という欲望にまみれそして普通に夢破れた輩が、交通渋滞を引き起こしたりするのだ。
この程度は、学園町では珍しくないようで、野次馬達も生徒会が到着したことで散っていく。皆暇ではないのだ。
「うるせえ。 生徒会ごときに俺の何が分かるっていうんだ!」
生徒会の少女──一条勇奈は、どっから誰が見ても分かる様にため息を吐いた。
「少なくとも、あなたがあなたの都合で、世間に迷惑を撒き散らしやがる、迷惑な人ってことはよく分かりますね」
「…………。 なあ、そこの生徒会」
「はい?」
「こんなにも俺に話しかけてくれるということは、もしかして俺のこと好きなんじゃねえの?」
「え、きも」
思わず本音がこぼれた。
話しかけることができたら、誰でもいいということだろうか。大体、好意なんて感じられるような対応をした覚えは全く無い。
「照れ隠しか。 やっぱりモテて辛いな俺」
なんだ、こいつ。
純度100%の嫌悪感を伝えたはずなのに、全く伝わって無いのか。
「仕方ねえな、まったく好みじゃないけど見かけは上等だから、文化祭一緒に回ってやろうじゃねえか。 いやー、仕方ない仕方ない、そっちから俺に声をかけて来たわけだし」
男は、ヘラヘラと笑いを浮かべる。勇奈は話が通じない宇宙人と会話をしているような気持ちになる。
「なあ、連絡先教えろよ、俺と毎晩長電話して朝になって寝ちゃってたね、ってメッセージのやり取ぐぶあ!?」
「おう、一条後輩。 ゴミ捨て場、知らねえ? 文化祭準備をしてるのはいいが、廃材が出まくってよ」
「先輩……」
気持ち悪い男に、ドロップキックを食らわせて道路の端っこまで吹っ飛ばしたのは、ある意味での危険人物なチンピラだった。
「助かりました……」
「おう」
偶然通りがかったらしい朝日奈正義が、先程のナンパ男の耳元で何事か囁くと、すぐに男は逃げていった。
なんというか非常にあっけない。
「さっさと吹っ飛ばしちまえば良かっただろう、あんな奴」
「その……話が通じなさすぎて混乱してしまって」
飲まれたというのが、正解かもしれない。目の前の先輩の言う通りなのだ。さっさと武器を出すなり、そうじゃなくとも無力化してしまったりと、手は色々あったはずなのだ。
「あー、この時期に湧く奴らはあんなのも多いからがんばれよ」
「はい……」
大変気が重かった。
しばらく、主人公以外視点が続くかも




