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名産品は取りあえず氷菓子にされる風潮(偏見)

サンコ──正式名称Sun Rise Cafeは、世界的に展開しているカフェチェーンである。近年では古民家や、洋館をリフォームした店舗等もある。都市部であれば、少なくともそのエリアに一店舗はあるため、時に冗談の類いではあるが「やーいお前の地元サンコすら無い~!」と煽りの材料になることもある。


「なんかすごい傘とか刺々とかいっぱいある~!」

「語彙力ぅ……」


ここ、京都は勿論いくつも出店されているが、京町家をリフォームされたものは当然ながらここの坂の途中の店舗のみである。

珍しいかつお洒落な店の外見を、フィオナは死んだ語彙を駆使しつつ写真を撮りまくっていた。


「刺々ってなんだよ……」

「じゃあ、あれなんて呼べば良いと思う?」

「京都の祭りで用いられる櫓1/20スケール」

「なんで名前知ってるのよ」

「書いてあるし」


刺々の隣に看板が立っていて、それを読み上げただけだ。


「へー、ほんとだ」

「んで、撮影はもういいのか」

「そうね。 それじゃあ、次行きましょうか」


正義はちょっとつまずきそうになった。

ようやく、サンコに入るのかと思ったのに。


「ここまで来て、サンコにお金払う必要ないに決まってるじゃない」

「決まってはねえだろ」


言わんとすることは分かるが。


「じゃあ、さっきまであんだけサンコ、サンコ言ってたのはなんなんだよ」

「写真は撮っておきたかった。 そういうものよ人間は」

「主語を無駄に大きくするのやめろ」


写真どころか、携帯端末すら取り出していない正義は人間では無いのか。



これはあくまで、正義の私見なのだが。本当に私見なのだが。


「土産物屋が、ジェラートも売るのは流行ってんのか…………?」


さっき見たと思ったら、その次の土産物屋もジェラートのケース並んでるし。


「フレーバーどうしようかしら」

「まだ、食うのかよ」


京都で自由行動になってから、ずっと氷菓子を食べている気がする。気がするというか実際にずっとアイスなりシェイクなりを食べたり飲んだりしている。


「やっぱり抹茶かしら」

「どんだけおんなじ味食べるんだよお前は……」

「じゃあ、こっちの高菜味かなあ」

「振れ幅すげえな…………え、高菜?」


正義は購入を遠慮することにした。フィオナは三段重ねかつカップをコーンに変更して、隙の無い構えである。


「それでさ」

「本当に高菜乗ってる…………」

「朝日奈。 君、さっきの神社で神様から嫌われまくってたやつの心当たりってなんなの?」

「ジェラート食いながらする質問じゃないんじゃねえかな」

「実質、高菜だからセーフよセーフ」


セーフかなあ、と少年はため息を吐きながら、


「分かりやすく言えば、俺の武器のせいだな」

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