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きょうだいだからといって、顔が似ているとは限らない

│顔無し(フェイスレス)の一員として、神内と共に入ってきた少年は、一見ただの冴えない高校生だった。

ずっと神内に付き添っていた兼道に視線をやると、ジェスチャーで落ち着くようにと指示された。


「皆さんご安心ください、彼は学園側のスパイですから」

「スパイ?」


そこで正義は気づいた。顔無しのメンバーと言われてあの少年が部屋に入ってきても、ヤマトの生徒達は一切の動揺を見せていなかった。


「ええ。 ついでに、彼は」

「どうも。 来栖英理です。 愚姉がいつもご迷惑をお掛けしています!」


東の学園の生徒達に向けて、深々と腰を曲げて一礼した。

余計にざわつく、東の生徒会役員達。


「弟……?」

「あの人の……弟?」

「つまり……?」

「「「「心中お察しします、いつもお勤めご苦労様です」」」」

「なんで頭下げあうことになってんだ。 お前らのとこの上司はどんな奴なんだよ」


一体何をしたら、弟と姉の部下達が互いに謝りあう必要があるのか。いや、生徒会役員達は、謝っているわけではないが。


「いいかい、マサ。 トラブルメーカーという人種は、決して君と龍華院さんだけという訳じゃないんだ………………」


生徒会の中でも、直属の部下兼後輩として最も被害を受けているらしい、兼道の声には深い実感が籠められていた。


「こいつはともかく、わたしはトラブルメイカーじゃない、つもりなんだけど」

「比較対照が悪いよ、充分龍華院さんも、その類いだからね」

「別になんでもいいけど、俺を盾にしながらそういうこと言うのやめろ兼道」


そして、フィオナはフィオナで、義理みたいな感じで軽く殴りかかってくるのをやめろ。


「義理じゃなくて、本命が良かった?」

「今のタイミングで、本命って言われても、もう命を取りに来るようにしか感じねえよ」


殴られたらたまったもんじゃないので、フィオナの手は捕まえておくことにした。彼女はおとなしく正義に拘束されることを受け入れた。


「まあ、真理ちゃんもあれはあれで、かわいいところがあったりしなくもないんですが。 はいそこ、目を剥かない、ヤマトのかわいいかわいいワタクシの後輩たち、舌打ちしない。 愚痴が皆さんから無限に涌き出てくる気持ちもわかります。 しかし、今は一旦置いておいてください。 なにせ、これからテロリスト達の本拠地に殴り込みに行く訳ですから」


それはそうだ。居ずまいを正す。


「それでは、英理君取りあえずやつらの本拠地の場所を」


長らくテロリストの一員も務めていた男が口を開いた。


「奴らの本拠地は、東大寺です」

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