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副作用の方が重症になりかねない痛み止め

「一つ目なんだけど」

「イエス、マム!」

「なんなりと!」

「そのリアクションはやめてね?」


風紀委員会の主は、マグカップ(縁が欠けていて、プリントされたキャラは剥げ欠けている)に口をつける。


「まず、朝日奈正義君に、謝罪を」

「へあ?」


予想外の言葉に、正義は変な声を出してしまった。謝罪、と今言われたのだが、この人物から謝罪を受けるようなことをされた記憶がない。


「こちらの事情に巻き込んでしまってごめんなさい」

「え??????」


そして、何を謝罪されているのかわからないまま、深々と頭を下げられてしまう。端的に言うと、正義は混乱した。

そして、頭を下げた主は、謝罪された側が本気でなにも理解してなさそうなことに混乱する。


「え?」


その光景を見ていた、フィオナはため息を吐くと、隣の男の方を残念なものを見る目でみつめた。


「万里先輩、こいつ本当に分かっていませんので、その辺から説明しておいた方が良いですよ」

「すみません、分かりません」

「携帯端末のAIの真似するのやめなさい」

「えぇ…………」


風紀委員長は、まじまじとチンピラ系一般生徒の顔を見る。変顔を始めて、隣の後輩に頭をしばかれた。

ふざけているのか、と思ったが、こっちの後輩は太鼓判を押しているので、本気でなにも分かっていないらしい。


「その、この前、ショッピングモールでテロリスト集団に出会ったはずだけど……」

「ああ、それかあ」

「それかあ、程度なんだ…………。 そこで、あいつら、にも遭遇してたと思うんだけど」


あいつら。

あいつら…………?


「正体不明」

「………………………………ああ!」


ポンと、手のひらを拳でたたく。ようやく、合点がいった。フィオナが追ってるテロリストだったはずだ。


「龍華院ちゃん。 ひょっとして彼って記憶力に難あり?」

「ありありです」

「ということは、まさかなんだけど。 流石にない、と信じたいんだけど、龍華院ちゃんが、私の許可無しでチンピラ君の隣に引っ越して、捜査協力を求めたことすら」


許可無しだったのか。正義は手を横に振る。


「こいつから、一言も捜査協力を求められた記憶がねえ」

「龍華院ちゃん!?」

「そんなはずは………………あれ?」


正義はうなずく。


「付きまとい宣言はされたが、協力してくれ、とは言われてない」

「付きまとい宣言は言いすぎよ、わたしが君のこと大好きみたいじゃない。 確かに、傍にいたら勝手に手がかり来るから、が引っ越しの動機だったわね…………って、あれ先輩どうしました薬なんか飲んで」


水なし錠剤をガリガリ齧る。


「ちょっと頭が、突然ね………………」


この後輩ども、セットになると訳が本当に分からなくなるなと、ようやく実感した。

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