検索履歴からやたらと、し○むら系列のオンラインショップの広告が出るようになっちまったよ……
その日。
さてぼちぼち学校に行こうかと朝に正義が、学生マンションの自室の扉を開けると。
「挨拶行くわよ。 面貸しなさい」
「は?」
目の下に隈を作っている隣の部屋の女が、扉の前に待ち構えていてよく分からないことを言い出した。
よく分からないので、扉を閉めようとして、しかしフィオナが足を扉の隙間に挟み込む方が早かった。
「ちいっ!」
「君がわたしから逃げられると思わないことね」
そのまま、フィオナは正義の部屋の玄関に勝手に入って、なんなら鍵までかけやがった。
「強盗か? 正当防衛駆使できる権利が手に入るな」
「わたしみたいな10万年に一人の美少女を部屋に連れ込めたのに、強盗呼ばわりはひどいんじゃない?」
「連れ込んでねえよ」
どっちかというと押し掛けられた、というのが正解だ。
「後、お前何日寝てねえんだよ。 言動おかしいぞ」
間違えても、10万年に一人の美少女、なんてことほ言わない女だ。「龍華院1000年の歴史で一番の美人当主!」とかは、ほざくけど。
「わたしも自分がなんで、こんなことしてるかわかってないわ。だって、君の家に乱入する必要性皆無だもん、こういう形では。 脳の休息がいろんな意味で人間には重要ってことを実感してる」
なら、寝ろよ。
「でも、逆に考えれば、君のベッドの下の秘密を探る機会ができたということよね……」
「やめろ」
「冗談よ。 わたしが真に漁りたいのは、君のPCの履歴だ………………ぎゃんっ」
なにも冗談ではないし、そこは正義のエチケットゾーンであるから、そういうことはやめて欲しい。なので、思いを口にするよりも先に、首筋手刀トンという形で黙らせた。
◆
「つーことで、こいつを回収してもらいたい」
「こっちに返さないで貰いたかったんだが……」
気絶したように、というか気絶した流れで熟睡へと移行したフィオナを、そのまま正義の自室で寝かせるわけにはいかなかったので、職場(風紀委員の詰所)まで運んできた。
「(がっつり首に抱きついて、ねよだれを口から垂らしている)」
前抱きにされているフィオナに目をやって、
「その運び方で?」
「そうだよ。 なんか文句あるか?」
「もう、お前が龍華院貰っておけよ」
「嫌だよ」
この間のテロの対応もしていた顔見知りな風紀委員男(一個上の先輩)は即答した正義に、胡乱な目を向ける。
「寝顔も見る関係なのに?」
「それを言い出したら、今お前もそうなったじゃねえか。 それで、こいつをどっかに捨てたいんだが」
男は、肩をすくめながらやれやれと首をふった。
なんか、妙にムカつく。
「それなら、ちょうどいい所がある。 ついてこい」
最初から、そうしてくれれば良いのに。
のこのこと後をついていく正義。
そして、案内された部屋は──風紀委員会委員長室、と書かれていた。




