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体育館の天井に少なくとも三つは挟まってるボール

「諸君! 夢はあるか」


「諸君! ロマンはあるか」


「諸君! 桃源郷をその目で見たいか」


「諸君! 諸君! 諸君! 喜べ、時間となった。 存分にそのあまり余った欲望を発揮しろ!いくぜぇぇぇぇぇぇぇ!」

「「「「うおおおおおおお!」」」」

「目的は! 女風呂にあり!」

「「「「目指せ! 俺らの桃源郷ぅぅぅぅ!」」」」



「来るわ!」

「ソーマ、エスリプト混合遠距離部隊、構え!」

「「「「「ファイア!!!!!」」」」

「なにも考えてなさそうな突撃……」

「気を引き締めておきなさい、参謀。 あっちの頭はあのチンピラよ。 何も考えてないように見せて、やらしい罠を仕込むのは、あのバカの常套手段よ…………まったくわたしというものがありながら、覗きなんてしやがって……」

「司令、こっちに聴覚系のソーマ固まっているので、小声で呟いても全部丸ぎこえですよ」

「やっぱり司令もカップルゾーンに行きたかったんだ……」

「ばっか…………司令とチンピラよ。 つまり……ロミジュリと同じで…………やむにまれずお互いこっちに参加してるに決まってるでしょ」

「つまり……今の司令の恋は燃え上がってる…………ってこと!?」

「司令!? 燃えてますよ!? 司令!? 龍は出さないで!!!!!」



「マサ! 来るよ!」

「そう来るだろうよ! なんで俺たちの学年は、野郎は近接系ばっかなんだよ、ごりごりに削られるなあこれじゃ!」

「自分、特攻良いっすか!」

「逸るな。 俺も行く。 他に、ついてくるやついねえか?」

「しゃああああ!」

「行くぜ! 女子の攻撃がなんぼのもんじゃい!!」

「おうよ! あんなやつらの豆鉄砲なんざ、まったく効かねえよ」

「ふーん……あんなやつら、ね」

「待て! なぜそこに女子が…………ぎゃあっ」



「狼煙が上がりました! 奇襲成功! 奇襲成功!」

「いよっしゃああああ!」

「これで、脳筋馬鹿野郎達は総崩れよ!」

「えい! えい! お」

「勝鬨にはまだ早い!」

「りゅ、龍華院総司令、ですがここからあちらに、逆転の目は」

「忘れたのか! あっちには、一撃で戦況をひっくり返す力を持った奴らが何人もいる! 確かに、集団戦では我らが優位に持ち込んだ! だが!」



「うわあ……隊列も作戦も糞もないね。 作戦考えたの、龍華院さんかなあ」

「鼻っから、作戦を守れる頭の良いやつは数えられる程しかいねえし! いよっしゃ、各々力が果てるまで突き進め! 一人でもあちらに送り込められれば、俺たちの勝利だ! これからが!」




「奴らの覗きの本番よ!」



「俺たちの浪漫は終わらねえ!」


時間はしばし巻き戻る。


学園における三大行事とは、文化祭・体育祭・修学旅行を指す。

三つのうち二つは、全学年参加可能な行事であり、学園に所属するものは皆「大きな行事」と呼ぶことに同意する。

しかし、残るひとつ──修学旅行。

学園に所属している間に三度しかその参加機会がなく、そのうち二回は「確かに友達と一緒に行けたから楽しかったけど……」と首をかしげるものが多数である。

なるほど、確かに。

学園町のみならず、この国に存在するあらゆる企業も出店する文化祭。

腕自慢達が、自身の研鑽の成果を存分にぶつけ合う体育祭。

この二つには、及ばないかもしれない。

ただし。

それは、修学旅行に二度しか参加したことの無い者の言である。

三度目の参加者は言う。


「この学園頭おかしい」

「学を修めるつもりはねえだろ」

「いろんな意味でお腹いっぱい」


そして、口を揃えて。


「一生の思い出だよ、くそが!」


と。


そんな行事であるが、彼ら学生にとって目下の問題は。

講堂で舞台に立ち、マイクを握るのは修学旅行参加学年の生徒会役員。


「それじゃあ、行き先をどこにするか決定します!」

「「「「「うおおおおおお!」」」」」


どこに行くか。

ここは非常に重要なポイントである。

何せここで、修学旅行の楽しさのレベルが大きく変動するからだ。


そんな中、正義は。


「ふがふがふがーーーーー!!!!!!」


猿ぐつわを噛まされて、講堂の天井から吊るされ、火炙り氷漬け電気を全身に流されていた。

ということで、唐突に修学旅行編始まります

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