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p-ー

「ふー、危険な戦いだった」

僕はそう言うと

チャンネルのボタンを押した

押した

二度押した

三度押した

間違っているのかと

見ながら四どめを押した

電源の確認

さらに確認

電源がついていることの確認

テレビに電気は通っているようである

悩んだ

もう一度

五どめのボタンを押した

消沈

動く気配無し

「どういうことだ」

電池の確認

入っている

電池切れの心配をして

近くにあった

ラジコンにそれを入れてみるが

全く問題はない

それもそのはず

昨日おばあちゃんが入れていたのを

僕はこのめで確認済みだ

どういうことだ

それなれば、どういう事だというのだろうか


僕はそのリモコンを、なんと無しに持つと

そのまま、近くの電気屋「石頭治郎」に向かう

その店は、名前こそ、妙ちくりんであり

とんでもなく曰くありげなおやじがいそうであるが

殆ど逆である

其処にいるのは、美人のお姉さんであり

どういう戦略を立てているのかは

知らないが、大手電機メーカーよりも、幾分安い

大型家電なんかもあり

使わないと言うのに

その美人さに釣れて

毎月購入する

馬鹿もいると言うが

僕が今向かっている最大の理由は

其処のテレビを、拝借することにある


僕は距離にして

五百メートルもない距離をもうダッシュにして走る

道行く者はない

それはお昼時であり

この暑さだ

僕くらいであろう

こんな猛烈に暑い中を

さらに暑苦しく走る人間は

そう思っていると

前から、別の人間が走ってくる

これはいよいよ

幻覚症状か

新手の陽炎か、などと思っていたが

どうやら、相手もこちらに向かってるらしい

はたしてどこにいくのだろう

と考えている内に

僕はテレビやに付き

そしてそれは僕の背後を通り過ぎていった

何者だろうか

そんなことはどうでも良い

僕は国会中継を

隠してあったチャンネルを使い

変えると

そのまま仮面ライダーシシトウへと変換

するとどう言うわけか

チャンネルを押していないと言うのに

画面が暗い

電源を入れるも

変わらない

・・どういう事だろう

僕が考えていると

二時を告げげる音楽が鳴る

「・・あちゃー」

それはすなわち

番組終了の時間を知らせることである

「何て事だ」

「よう」

僕は独り言を言っていたが

不意に呼び声をかけられ

辺りを見渡すと

店内から

髪の長い女性がこちらを見ていた

「髪姉」

僕は言った

いつの間にかこの名前になっているのも

昔からこの人は

髪を大事にしていて

その長さは

僕が生まれてこの方

変わっていることが見たことがない

位に、一定であった

ある時、この人は人形なのではないかと

思ったこともあるが

彼女にはしっかりと親がいる

もうしんでいるが

それは確認済みであるからにして

ないであろう

しかし、そんなにも

まるで精巧なのである

「このテレビ9チャン写らない」

「ああ、どうもおかしんだよ」

髪姉が言う

この人がおかしいというのいうのだから、おかしいのであろうが

しかし、問題点は其処ではない

並外れた、機械工学の知識所有者の髪ねえである

液晶画面からブラウン管まで

果ては、ハッカー、ウイルス作成何でもござれである

その人が、「おかしい」と言うのだから

そのこと自体が

実に大変おかしいのである

もう、怪獣が深海からぞろぞろ上がってくるくらいの

事態であった

「どういう事」

僕は、髪姉に言う

「ああ、どうも、電波ハックされているようなんだ」

「電波ハック・・・何それ」

髪姉は、それを聞かずして

そのまま、テレビの後ろでごちゃごちゃと何かをしている

その手には

箱型の四角いものが握られており

いくつか部品が

四方八方から飛び出している

もちろん僕はそれが何かは分からない

いつの間にか

髪姉は、愛用の黒いスポーティーなサングラスをかけていることから

それが何かを本格的にやっていることが分かるが

それがどう何をやっているか

僕にはさっぱりであり

ただ、たびたびノイズの中に浮かぶ

テレビ番組ではなさそうな

映像を眺めていた

「やはりどうも」

後ろでそんな声が聞こえたと思ったら

彼女は、そのまま、店のおくの

階段に走っていき

そのまま上に上がると

しばらくして

妙な格好のまま

どこかに行こうとしている

「どこ行くのさ」

僕は、たずねた

「・・・少し、遠くに行こうかと」

「どこよ」

「さあ」

彼女はそう言うと

下でころころと滑車を、転がしながら

商店街の道を

陽炎か蜃気楼かのように

それこそ幻と思われるくらい

元気良く

炎天下に、消えていく

「まっ、まってよ」

僕は、店の戸締まりもしていない

その店先から、彼女の後を追おうとしたが

其処には、珍しく止まっているtaxiに、乗り込んだ後の

髪姉のすがたが、あるばかりで

それに走って追いつく前に

それはあるかかなた

アーケードの、向こう側から

国道に消えていった

「あちゃー・・どうするんだよ」

僕は、店を後方に考えながら

そんなことを、つぶやいた


一応、合いのみは、渡されている

僕は其れを手に遊びながら

店の奥でクーラーを楽しんでいたが

お昼時になったので、一時退却をすることにする

「しかし、何がどうなったって言うんだ」

もう一度店先のテレビを9チャンに帰るが

相変わらず砂嵐が・・そう思ったとき

電話が鳴る

果たして誰だろう、車がいるとなると、僕一人の手ではと手も無理であろう

「はいもしもし」

受話器を取ると

僕は受話器越しに相手に言う


「蛙電気店ですか」

「はいそうですが」

「冷蔵庫を百台ほどそちらで買いたいのですが」

さて困った、僕は商売に関する限り

とにもかくにも分かるものではない

店の中にある物を売るならまだしも

其れは専門外である

「・・・実は店主が、今留守にしていますので

其れは急を要するのですか」

「そうですね、今日中には」

「そうですか・・」

電気屋と言うどころか、社会人としてあの長髪は、おかしいのだ

携帯電話は、持っていない

家のテレビは、ブラウン管

いつも焼酎便を片手にあおっているが

なぜか知らないが、酔わないし酒臭くない

酒瓶には水でも入っているのかと

以前こっそり飲んでみたが

正真正銘の酒であり

しかもどこかにいたのか

しっかりとバレてまでいた

とにかく良く分からない人物という奴である

そう言うわけで、僕は、待ってもらうことを何とか進めることが自信がないので

残念だが、今回の取引はおじゃんと言うことになるのだろうな

と思っていた

「すいませんが、いつ帰るか分からないので」

「はい、では失礼します」

僕は受話器を置くと

店の戸締まりをして

外に出た

相変わらず暑い

どうしてこうも暑いのだろうか

家に帰ることの経緯を丁寧に話して聞かす

「あらま、くろちゃん大変ね」

こっちが大変であるが

ちなみに、名前が、黒沢 電である

その一番はじめを取っているらしいが

何でも親父さんも同じだったらしく

妙な物を受け継いだものだと関心こそしないがそれに類ずる

「其れでしばらくは店番をしようと思うわけです」

「良いんじゃないの、お弁当持って行きなさい

ほら宿題を暇な時間はできるでしょ

全く・・・」

何が全くなのか

どちらにしてもクーラーの存在は偉大であった


次の日の午後から、僕はその場所に向かう

それでも日は幾らも暑く

そしてそのときも、向こうから何者から猛ダッシュで

熱風をまき散らし

僕は其れを日傘でよけながら

基、雨傘で避けながら

目的の場所まで移動するのである

ちなみに、避けるなどという漢字は

昨日の宿題で嫌と言う位出たので

何となく文字にできるし

雨傘という持ち物の意味については

先ほどテレビで

竜巻及び

突風注意報及び大雨を含んだ

台風が接近してくるとか

ちなみに、小早川さんではなく

たまに出る、丸尾であったことが実に残念であり

しかも、昨日を持って

お昼エブリは、卒業したという

恐ろしき事実も含む

とにかく僕が、その場所に着いたときは

どちらにしても関係なく

汗だらだらなのである

しかし、其れとは全く別に

汗をかいて、いない奴が

電気屋のシャッターの前に置かれていた

「カエル」であった

ちなみにカエルと僕が喋っているわけではない

何となく、驚きを含ませたのだ、エヘン

どちらにしても、僕は其れを見ている

ビニール性なのか

もしくは石か

其れは遠目には、分からない

しかし昨日来た時点では

そして帰る時点でも

そんな物はない

そしてここは「蛙電気屋」であるが

そんな置物はなく

看板に唯一

保育園児の落書きより酷い

蛙と言うよりも

お化け以下の存在と

暴言を吐きたくなるような

陳列無比な物である

「あのーー」

僕はそのカエルとにらめっこをしていると

後ろで声がする

果て誰だろう

僕は振り返らない

もし違ったら、はずい

そして僕は今カエルと一緒にいるのだ

この空間に他者はいらない

エヘン

「すいませーーん、蛙電気ですか」

どうやらここらしい

僕は、精一杯

威厳を保つために

ゆっくりとゆっくりと

後ろを振り返った

そしてそこで目にした物は

茶色

長細く

粘土質

絵的には、どういう理由かは知らないが

茶色いソフトクリーム型をし

某噺家は、其れを人間の抜け殻という

かく言う僕は、「ぎゃーーーー」

と、威厳を台無しにして叫ぼうか

または、しりもちを付く

恐ろしい物にであった表現をしようか

なんて難しく高等なことはせず

ただ、「花子」と、

その茶色いうんこについて、話しかけていた

別にこの状況下の中

そんな良く分からないことをしたのではない

もちえおんそれを向けている人物に言ったのだ

少なくとも、固形物でも液体でもない

ましては半重力物質などではない

お気を間違えないよう

其れはお下げを左右に短く縛り

背丈は実に小さい

僕が小学三年であり

平均的な小ささであるなれば

其れは僕の三分の1、12くらい位小さい

其れなのに、大学生なのだから

意味が分からない

しかも変そうと称して

保育園児など誰も着ないほど

古くさいイメージの中に存在する

それに、している

「驚けよ少年」

僕はその年で馬鹿をやっているこの人に幻滅の意味を持って驚いている

「花子」

「何回呼ぶんだよ」

「・・・・・・・・・・・・花子」

もうこの人間について話すことはこの名前しかないような気がしてきた

「花子」

「・・・・・お帰りくらい言えよ」

「ただいま」

其れは小さいからだを、ゴム鞠どころか

ゴム製のビービーダマ位の早さを持って

事もあろう事か

小学三年生の僕の股ぐらに

その大根のような足を無意味にしたから上に上げようとした

「ぐわっと」

僕は危うく男としての威厳を殺されそうになり

横に伏せるという

威厳を捨てる行為をした

少なくともこいつは適う相手ではない

鬼裏危険山に入り

36匹の犬を仲間にして返ってきた

恐るべき鬼ッ子である

生まれたときから英会話をはなし

食べる物は一万以上の高級品

その金も、将来を約束しているという

企業や学校

その他諸々からたかりまくり

受けるという

僕からしたらそんなのはうそっぱちだとは言い難い真実がある

何かの薄っぺらくもあるかも知れなかった本からだが

脳の発達が良いと

その成長は遅いという

つまりは、こいつはそれに当てはまりかねない

しかし、ここで問題にある点は

心の生育とは切り離された論理なのかと言うことだ

心の発達が早いと

その人間はその成長を遅め

馬鹿だと・・・

「おい、殺す気か」

僕は、二どめの戦闘態勢に、はやくもはいりはじめた

それはじりじりと平坦な美形を、お面のように顔色一つ変えずに

近づく

僕はそれを細心の注意をもって逃れようとするも

果たして逃げきれる確率0、何パーだろうか

五体満足で帰れたときは奇跡だ

僕は前の獣に、言う

「何がしたいのだ」

「いや、驚くかと思って」

「・・・・・・小学生か」

「おぎょろくど」

「・・・・」

突然妙な事を話し始めた

ついに、凡人では理解できない言語に手を出し始めたというのか

「ブラックルームより抜粋」

「妙なもの出すな」

「いや、あれは傑作です

私の中では」

奴はよだれを垂らしている

奴の中で、それは唾液物の品目と言うべきか

それとも料理の一つという目で見ているのか

やらぴー

などと、僕は、ゲスに、ゲス感染しているさなか

二人の背後を

一陣の風が吹く

「・・あ」

僕はそれがいつも猛スピードで

道を走る

少女らしきものだと思ったが

凡人とは違い

非凡は、それに向かって走り出した

全くもって犬のような習性であり

理性という言葉を破り捨てているのではないかと

思われる

どちらにしても、天敵の居ない頂点君臨者は、

そう言うものかも知れない

「まっまて」

絶対に待たないようなことをいって手を伸ばすが

案の定

それは土煙とウンチのみを残して

その竜巻のような物へ

走り去っていった

「・・・・・・始末しろよ」

僕は、よしみとして

仕方なしに、店にビニール袋を取りに行った

帰りに持たせてやろうと決意して

それとは別に

何かが起こったのか

僕は爆音がして

袋をもちながら

表へ行くと

そこには、変わり果てた道路

鏡が割れたミラー

シャッターがふきとんだ店

とうとう

大地震が起こったかのような有様である

「・・・どうしたんだ」

僕が惚けていると

それが近寄ってきた

こちらの言葉を取らないでほしい


つまりようやくすると

「ぐぎゃーんがごぎゃーんになってもうそれはぼるるるーーだったそうだ」

詰まりよく分からないと言うことである

「大丈夫ですか」

絶対そうではないだろうが

僕は優しく声をかける

「つまりだ、いきなり消えたんだよ」

「え」

僕は一音を残して

固まってしまう

「え・・どう言うことですか」

「つまりだよ、消えたんだ」

「目玉を落としたとか」

「そしたら見えないだろ」

「ああ・・でもあなたなら」

「・・・どういう意味だ」

「空が青いですね」

「意味が分からない

しかし、強いて言うのであれば

月が綺麗ですね

みたいなことを言っているのか」

「ザッツライト」

「・・・・・それでおまえは、どうしたいんだ」

「何が」

「私は妙な物を見た」

「へー」

「それをおまえは何とも思わないのか」

「思ってたら行動に出るか心の中でくすぶらせて殺しますよ」

「・・・どっちだ」

「さあ、人は一人ですが、細胞の超絶集合体です

一つの行動に縛られる訳ないじゃないですか」

「それじゃあどうしろと」

「つまりですよ、あなたは、僕に何を言おうが

僕は直接関係はないんです」

「調べろ」

僕はその直後

奴にクーラー管理を任せ

外に出ることになった

轟き道場の一人娘は

帰郷そうそう、クーラーをもとめここに来たらしかった


「調べろと言われましても」

僕は一人そんなことを言ってみた

その暑い商店街は、何の偶然か

一瞬だけ、雲を太陽が遮って

暗闇が支配した

もちろん完全な闇ではない

なんか不透明な日陰状態だ

「つまりですよ、これは無謀すぎるんじゃ」

僕は陽炎が揺らぎ始めた道を見ていった

そんなとき

は素っ頓狂な物を見た

「・・長髪さん」

それははじめ、陽炎よりも黒い何かに見えた

しかし、次第に大きくなり

それは確固たる形に変身するまでは、それほど時間はない

「長髪さん」

もう一度言った

長髪ねえが、そこにいた

僕は恐る恐る近くに駆け寄ると

「どうしたんですか」

と、本人とおもしき人物に

本人であろうという前提で、話し始めた

「分からん」

「え」

それは、最近にどめの言葉であった

「分からんってどう言うこと」

「いや、どうも分からないんだ

記憶の閉場が、一瞬に書き換えられた

あり得ない

スタンドアローンである、人間の脳がだ」

「どう言うことなんですか」

「つまりだ、孤立した計算機が、勝手にウイルスにかかり

計算を消してしまうようなものだ」

「つまり、あなたは何か消されたと」

「それが分からない」

「・・・」

「何か消されたような気がする

しかしだ、それが一体何だったのか」

「まあ、良いじゃないですか、分からないことは、知らない方が」

「おまえ大丈夫か」

「どう言うことです」

「以前のおまえは、そんなこと言わなかった」

「そんなことありませんよ、あなたが知らないだけです」

「いや違う、少なくとも私のデーターは、お前の・・・・」

それは次第に動きを止めた

「お前は店番をほっぽりだして

何をしているんだ」

「何って、いきなり走り出すから

何かと思って

心配したのに、その言いぐさとは」

かくして店に戻るのである


「どうだった」

真っ白の髪の女が僕に言う

「恐ろしいことですが、ビンゴです」

それは、オールレッド

血のような水であった

画面一杯に、生命反応が写りだし

それが、また一種の生命であると分かる

「しかし、どうする」

「何がです」

「今のところ、我々AIに、その力は及ぶところではないが

いずれ、それが影響するかも知れない」

「しかし、これは、二重バグの可能性は」

「私の浸透ウイルスから生きて出てこれる嘘はない」

それはそうかも知れないが

「しかし、水が、生命体だなんて

とても」

「電気は、プラスからマイナスに流れているのが

皆の知るところだ

しかし、実際には逆だ

なぜ直さないと思う」

「面倒だからでしょう」

「そうだ、しかし、今回の場合どうだろう

誰が都合が悪いのか」

「・・液体ですか」

「そうだ、奴らは、どちらかと言えば

寄生虫もしくは、この星の第二の生物とも言える

もしかしたら第一か

彼らに、死はない

ただ、そこにありつずけるだけであり

生きている存在かどうか

しかし、液体となのある物の

殆どにいる

海であり血であり湿度であり

そしてそれは地球を動かす生命体である」

「でも、どうしてバレるとまずいのでしょう」

「本当の主君とは

居ても居なくてもどちらでも良いと言うぞ」

「つまり、そう言う存在がベストと」

「まあ、機会には関係ないがな

もしも、襲う意志があるのであれば

とっくの昔に水浸しだろうさ」

「でも、アイン、僕たちも実は、別の生命体に」

「ははは、わたし達は生きているのだろうか

夏と言えば花火しかない

そう言うわけで私小一中学校一年ね組 角野四角ことまんま呼んで字のごとく[かくの シカク]はその夏休み最後の日に奇しくも始まる花火大会に向けてその足を走らせていた

走らせていたと言っても自分の足で走っていたわけではなく

私の愛車「スピーディー3号機」と言う名のカゴ無しのママチャリに乗っている・・しかしここで一つ嘘を言うなれば自転車に這ってあるロゴが

どうしてもディが出せずにヂィになっていることについては改めて訂正とまたお詫びしたいところであるが、、正直そんな気持ちはことさら無く私は河原にスピーディー3号機をことさら強く漕いだ


今年の夏は異常気象のせいか異常に暑く近年希に見る暑さだと一四歳に来年成る私は思う

「おい元気が良いな」その声は

真夏なのにその気温を否応無く下げるその言葉

どこまでも血の気の無いような味気ない音質

「何で田枯[ダガ]が居るんだ田枯」

「そう言われても」そう言いながらいつも着ている浴衣で涼しそうに団扇なんてやっている老け青年である

「所で真四角」

「四角だ」

「そうだっけ」

「そうだ」と私

「どちらでも良いけど・・今年なんと龍弾が拝めるらしい」

「何それ」うるさい奴を追いて自転車にまたがっている私はそこから奴に聞いた

「君は知らないのか、それでも飯田山盆地の人間かね」

「良いもん私は尖り山から自転車で片道一時間三〇分漕いできている人間な物で」

「・・・そうか・・君は自転車通学だったな」

「・・・そうだけど」

「最近の若い物は昔は歩いて朝四時から・・・」

「あんただって同い年でしょう代一あんた中学から歩いて100メートル」

「所で龍弾の話なのだが・・聞きたい」

私は奴を置いて数十メートル漕ぎ出したところで妙に足が重いのを感じた

まさか最近の気苦労のせいで疲れたのかしら

それとも奴に取り付いていた悪霊が奴のせいで乗り移ったとか

そう言えば先ほどからかなり離れているはずなのに奴の説明する声が聞こえるのであるが

おそるおそる振り返ると奴がなんと荷台というか後ろに乗っていた

「あんた何やってんの」

「いや教えてあげようとしたら漕ぎだしたからつい」

「何がついよ何が」私は自転車を止めると奴を無理矢理遅し手間たこ号としたがまたしても奴は悪霊のごとく後ろに乗っていた

まさしく悪霊だ

「なんなのよ」

「いやだから今夜の花火大会であの封印されし幻の花火「龍弾」が披露されるんだ」

「・・・聞かなくてはいけない」

「それで」奴は私の嫌ですと言う言葉をむやみに無視して話を続行した

「それでその花火の何が珍しいかというと何一つとして珍しくも何ともないことが珍しいんだ」

「あっそう良かったね・・ちなみにどう言うこと」

「・・・つまり珍しくないことが珍しいんだ」

「いやそうじゃなくて・・えーーとそれはちなみにどんな花火なの」

「青い一尺弾」

「・・・つまり昔は青が難しかったから・・みたいな」

「うんそれはない」

「なにいんかい」とずっこける私、無視するあいつ

「これが制作されたのは戦時中という事、そしてそれは珍しくも何ともないただの青玉なんだ」

「ならどこが珍しいって言うの」少し興味が出てきそうな私はいちお聞いてみる」

「実はこれを見つけたのは市民図書館の歴史書のとこなんだけど」と前置きして

「何でもその花火が揚がると必ず一が死ぬらしいんだ」

「そんな馬鹿な」そう言う私はなぜか冷汗をかいていた、こんな真夏で暑いというのに

「それでなんでかが分からない」

「何が分からないの」

「うん、僕はその花火に毒になる成分でも含まれているんじゃないかと考えたんだけど、そんな物は入っていなかった」

「そんなことまで書いてあるのその本には」

「いやその製造法を知ったのは花火師さんに本を貸して貰ったからなんだ」

「よく借りられたね、そう言うのって製造秘密っていう奴じゃないの」

「うんん、それが僕が本でその花火のことを知ったって言ったらすんなり見せてくれた」

「あらまた」

「何でも普通の花火だと言う」

「ならおかしいじゃないなんで人なんて死んだの」

「うん、花火師さんもそれがおかしいと思ってそれを見つけたとき調べたらしいけど今の花火とたいして成分が違わないどころか同じらしい

だから、たまたま不運が重なったんじゃないかと言っていた僕もそう思う」

「ならなんで皆その龍弾って奴の後に人が死んだと思ったの」

「たぶん昔はまだ青い花火なんて珍しくて

驚くと同時にまだ見ぬ物へ恐怖したんだろ、そしてその後死人が出たのできっとあのせいだと」

「・・・」

「・・・そういうこと」

「でも何でまたそんな物打ち上げることにしたの」

「うん僕も前に本で知っていたんで昨日配られたビラを見たときは興味が出て今日は嫌々外に出てきたわけだ」

そうだこいつはいつも図書室でまるで置物のように何時もいる

私は時々マンガを拝読するために訪れているが何時もいる

そうトイレに花子図書室に田枯だ

「まあどうせいわゆる田舎を騒がす町おこしって奴の一巻ではとにらんではいるが」

「でもどっちにしろ青いだけの普通の花火なんでしょ」

「まあしかし昔から考えると」

「そう言うことを言ってるんじゃなくて」

「まあ町おこしに意味など求めることが無謀だよ」

「まあいいけど・・ところどうするのこの後」

「うーーん・・・特に用事は」

「なら一緒に屋台に行かない」

「行かない」

「なんでよ」

「いや待ち合わせがあるから」

「あっそう、ではでは」

「・・・ああ」

そう言って特に用事のない待ち合わせをする青年をのこして私は自転車に跨がるともう少しでつく駐輪場まで行くと鍵を閉めていざ屋台にと歩き出したのだった

その夏何かあったかと言えば何もなかった

そう何もなかった・・心のどこかで何かあるかも知れないと思ったあの

「龍弾」とか言う呪いの花火が打ち上がったがしかし

特に騒ぎはその日もそしてまたその後も聞くこともなかった

その後学校で田枯とはなすことはなかったがしょせんは伝説のような噂であろう、私は試験に追われる内にそんなことはどこかえ忘れてしまうように消えていった


第一の綻び「事件発生」


ときは流れてそんな噂のような伝説が打ち上がった夏休み最後の日から

逆算して七年後、即ち過去の私が言うのであれば

「[20歳に七年後なります]など憎まれ口の一つでも言うのでは無かろうか、そんな果たしも無事大学課程を終えてやることもなく田舎の実家に居候という身分というか店の手伝いをしていた

店といっても最近の田舎といえどもコンビニエンスストアーなる物があり

その配列に何とか属さない数少ない雑貨屋をしている

そんな私の元にある日友人の一人ではない

それどころか最近まで綺麗に忘れていた人物がやってきた

それは名前をたしか「田枯」という人間だったはずだがしかし如何せん遠い記憶なので確証はない

「あのー田枯君だよね」そう言えばそれこそ女子としてなかなか女子女子しているようになるのかも知れないが

「君は確か四角君だったか・・いや真四角だったか」

私はそこで奇妙ながらにそんなことを昔言われたような気がした

「覚えてないか・・・と言っても花火大会で話しただけだしな」

そこまで言われて遠い昔、まだママチャリを「スピードワゴン」だか「ベンツ」なんだか言っていた頃、それに跨がって花火を見に漕いでいた頃のことを思い出す

「ああ田枯君でしたか・・よく覚えていましたねー」

「・・・いや実は君に会いに来たというのも他でもないんだ」

「・・どうしたの・・クラス会とか私出ないけど」

「いや違うんだ・・たまたまこんな田舎に残っているのが君ぐらいしかいなかったものでつい」

「別に好きでいるのでは」

「いやそれはいいんだ、それよりも最近死んだ人間が入ることを知っているかい」

「そんなの郷中のおばあちゃんに丸山のじいちゃん後・・」

すると奴はそれをさいぎって

「いやそう言うことではないんだ・・明らかに不信な死を遂げている」

「まさか」私はゴクリと唾を飲み込み冷や汗を流した

「そのまさかって分かるのかいきみは」

それはまあ不信なしと言われれば最近噂になっている

「鳥ウイルスでしょ」

「いや鳥が大量に死んでいたとかそう言うことでもないんだ」

「なら何なのそんな噂聞いたこと無いけど」

私はこう見えてもこの店にずーーーーーと座って色んな話が入ってくる

しかし明らかにそんな目立つような話聞いたことはない

「君は何時から帰ってきたんだ真四角君」

「四角ですし今年の四月です」一応中学時代一度話しただけであるが同郷のよしみで答えた

「なら知らなくて当たり前か・・・というかおまえ友達いなかったものな」

私は近くにあった蠅叩きで奴の顔面でも叩いてやろうかと思ったが止めた

この年でこんなことしていたらよけい嫁に出遅れる

私は代わりに奴に熱い麦茶を出してから言った

「それでその噂って言うのはなに」

「いや噂じゃなくて」奴は猫舌なのか汗をだらだらかきながら飲もうとしている麦茶をいったん置いて

「これ本当の話なんだが」と言って話した

何でもようやくすると

都会に出た同郷の同級生があちこちで死亡していると言うのだ

「それ本当なの」いくらクールの真四角と呼ばれた私でもそれくらいは思うがそれ以上は特には思わない

「でもそんなのたまたまじゃない」

「いや俺がなぜおまえのとこにいると思う」

「いやいくら美人だからって」

「そうじゃない」

私は奴にハバネロ入りの麦茶を勧めて

「なにが」と言う

「お前と俺以外後と三人しか生き残ってないんだよ」

「・・・・面白くない冗談は」

「冗談ではない、それとも何か俺はお前をいじめた連中と同じだというのか」


「そんな話もういいじゃない」

「・・とにかく本当だ」

「でも死因って何だったの」

「それが皆まちまちなんだ、突然発狂するもの、電車にいきなり飛び込むもの、心臓麻痺、脳溢血、食中毒、笑い死に、恋煩い・・・・」

「ふざけてる」私は奴の顔を見たがこれと言った変かはない

しかしこんな事を言っているのに変化さえ無いというのはどんなもんだろうか

「本当だ新聞の切り抜きでよければ見るか」そう言って茶色い鞄からスクラップされた新聞の切り抜きを見せる

「でも何で私知らなかったのだろう」

「それは皆この町を出てってしまったのと後、葬式まで死んだところでやってしまう人が多いんだ、最近はそんなとこまで変わってしまう時代だね」

とたいして年も食っていない男が軽薄にそんなことを言う

「でも噂ぐらい立ってもよくない」

「だから離ればなれになった人のつながりなんて物は実にあやふやで脆いものさ、最近なんてこの村の中でも新しい人間とはそんなものだしさ」

「いや村なら昔から余所者は・・ってそんな時代いでもないか」

「まあ時代だねー」と時代が違う意味で交錯した中

「で何で私の所に来たの」

「それは」奴はそう言うと断念した麦茶を置いて

「僕は全ての原因はあの花火大会にあると睨んでいる」

「・・・・・意味が分からない」

「さて僕はあのときどうしてもあの正体が何かあるんじゃないかと色々調べてみたんだ」

「それはまた後結構にご苦労なことで」

「うん、そのせいで中学校途中から行かなくなったけど」

だからあの日以来見かけなかったんだ

「それはまたご執心様」

「いやあ、それほどでもないんだけども」

「・・・・・そう」

「いや問題は君が実にしょぼくれた目で僕を見ているところにもあるがしかし問題は戦争中になぜ花火なんて作っていたかなんて所に疑問を覚えたとこなんだ」

「それは狼煙みたいな製造を依頼されていたとかじゃないの」

「うんん、その花火は間違いなくふつうの円球の花火なんだよ

しかし問題とされるところはそこじゃないんだ」

「なにがおかしいの・・だいたいもしかしたら戦争で元気もなくしている村人のためにとか」

「うん、それはないね」

「なんでよ」

「たぶんそんな良い感じの使われ方はされなかったんじゃないかと僕はお思う」

「どうしてそんなこと分かるの」

「誰一人としてその花火を見ていない・・いや見せるために作っていないんだその「龍弾」って花火は」

「どういうこと」

「僕はあのとき見せて貰った龍弾の作り方は正直何一つとして作り方が今と変わらなかったんだ」

「それで良かったんじゃなかったっけ・・確かあのとき毒があるとか言ってたような気がするけどさ」

「うんん」奴は首を振ってそれを否定して

「おかしいとは思わないかい今と全く同じ火薬を使っている花火が存在しているなんてさ」

「でもそんなに火薬なんて変わるものなの」

「大違いだよ、特に青色なんて物は反応の仕方がすごく難しくて」

「つまりは」

「これはあり得ない、もしくはオーパーツなんてこともあるかも知れないがいささかこれは疑わしい」

「何でよ」

「もしかしたらそんなことは書かれていなかったかも知れない」

「どういうことよ夢があってワクワクするじゃないオーパーツ」

「いやたぶん先代か誰かがそれを書き換えたまたは偽物を書いたんじゃないかと思うんだ」

「それも少し面白そう」

「・・・だろ、しかし問題はなぜにそんなことをしたかということなんだ」

「そんなの私達みたいのを面白がらせようとした遊び心じゃないの」

「・・・そうかな、もしかしたら何かを隠すためかも知れないだろ

本当の龍弾のことを隠すためとか」

「でも、だったらあんたはそれはなんだと思うのよ、だいたいそれが打ち上がったのは七年前、そんな遅く毒みたいな物が効くとは思えないしだいたいなんで私達の学年だけ、いや私達の学年だけだよね」

「ああ、それは間違いはない、そしてそれ以上のことを今から調べにいこうかと思って」

「何あんたまだ終わってないの、またまた私は思ったから推理を聞いて欲しくて来たのかと」

「いや今ようやく動き出して僕の仮説が当たったことが証明されたわけで」

「・・・・それで何しに来たの、探偵ごっこなら一人で」

「なあ東京に行ってみたくはないかい」

「いや私さっきまで東京に行ってきたから後30年は良い」

「そう言わずにそれにさっきって春だろ今はもう夏だ」

「夏だけど私にしてみればさっきだから」

「・・・・もしかしたらこの事件を解決したか謝礼金がでるかも知れない

「何が言いたいの」

「僕と君で山分けしたとき君に六パーセント譲ろう」

「・・・六割じゃなくて」

「六パーだ」

「止めるし帰れ」

「うむなら30パーで」

「59」

「六割マイナス三」

「55」

「七割マイナス七、三」

「何であたしが払わにゃならんのだ、なあ田枯」

「よし分かった六割で運転代ガソリン込みで」

「分かった五割でガソリン代そっち持ちで」

「・・・・分かったことにしよう」奴は涙ながらに言う

「分かったってことで良いの」

「分かった」

「よしそれじゃあどこ行く」

「だから東京って」


「あんたが運転免許持っていなかったとはねー」

「何を言う君こそ今までペーパーではなかったのか」

確かに運転はいささか荒いのは仕方がない

奴はと言うと後ろででかいハンバーガーをむさぼっていた

「所であんたバイトとかしてなかったの」

「うん親のツネにかじり付いてましたので」

「あんたって人は」

「ああそれをちょろまかしにちょロマかして財産なら僕が三〇回人生を送れるくらいはあります」

「なら運転料に付き合い料締めて犯人が捕まったときに貰える謝礼料は全て私に」

「そんなよく分からないことより君が行きたがっていたスター河馬とか言う牛乳店が今通り過ぎたぞ」

「早く言え早く」

私は無理矢理ハンドルを切って戻った


「ここで良いんだよね」

私はその目的地付近の駐車場に車を駐車させてから奴に聞いた

「良いも何もここが目的地だから駐車しているのではないか」

「だけどやっぱり行かなくちゃいけないかなー」

「どうしたまさか会いたくないのか」

「うん」

「いじめられたとか」

「・・・・どっちにしても会いたくない」

「・・そうか、ならいちおついてこい」

「人の話・・・」

「君はそう思う反面こうも思っている、電話では駄目だったのかと」

「まあ」

「しかし現場ひゃっぺんと言うように、本で聞くよりも会いに行けと言うように、絵の中の餅は食べたことにはならず

食べるより美味いなどと言わないように」

「・・・・・・最後は意味が分からない」

「とにかくなんだ男一人より女がいた方が良いだろこういう時」

「別段良いのではないでしょうか」

「良いんだな」

「良いわけないだろバキャ野郎」

「・・・とにかく付いてこい田舎になんて引きこもってないで外に出て見ろ」

「いえ車待機で」

「・・・・いいんだなガソリンそっち持ちで」

「行きましょうかね」私はそこでようやく腰を上げた

「しかし本当に電話で聞けばいいんじゃない」

「いや最初はそれでも良いかも知れないと思ったんだけど」

「思ったならそれで良かったんじゃない」

「それがお金貰っちゃったから」

「はぁああー」

「いやなんでもこの話を探しついでに手当たり次第調べていたら

何でも友達が死んだことに異様にビビっていたので」

それはビビるでしょう友達が死んだんだから

「でまあ、それが一人や二人じゃないと話の流れで話さざる終えなくなり」

「あんたわざと怖がらせて・・」

「いや違うこの交渉はあっちから言ってきたんだ」

「なんて」

「実は友達が犯人に殺されたかも知れないって」

「どういうこと」

「何でも友達から前々からあることを言われていた、それがもしかしたら事件と関係あるかも知れない、そこで久しぶりに同郷の仲間に会いたい

ついでに来てくれないかと」

「でっいくら貰ったの」

「成功報酬参拾万、会いに行くだけでも交通費はそっち持ちってことで」

「・・・ぼったくり過ぎじゃない」

「命かかってますから、何せあいては殺人鬼かも知れない」

「花火はどこ行ったの」

「さあ何のことでしょう」

「いやあんたは花火」

「いやあれなんだけどもしかしたらものすごい遅い毒かまたまた花火を使った催眠術かなんかかと思って、改めて区切りよく二十歳になるこの時期に何か変かはないかと調べたときに」

「異変に気が付いたわけと」

「そんなとこ」

「どうせチアリーダーのサイトでも見ててそっちに飛んだと」

「エボリューションか」

「・・・・・・・」

「とにかく、君もこれは仕事と言うことで付いて来たまえ」

「っで、誰なのその依頼主って言うのは」

「倉見 裂け目[クラミ サケメ]さんって言っていた」

「言っていたってあんた忘れたの」

「・・・・そんなわけ」

「忘れたんだ」奴の頬が少し青くなっていた


チャイムを押した後すぐに、ドアが開いた

このマンションは都会っぽい巨大なでかさでまた実に良いとこな感じがする

「はい」中から出てきたのは忘れもしない、小一中一の偏屈な変わり者

裂け目だった

「あらお二人で」

それは長い髪にスラットした身を落ち着いた服で包んでいた

「ああ、こいつは助手のニトーと言います」

「・・・ニートじゃない、角野だ角野」

「あら真四角さん」

「・・・二トーで」

「良いのかニトーで」

「早く話を進めてください」

「うむ分かった真四角君」

「二トーで」

「分かったよ真四角君あらめ四角さん」

「所で倉見さんは何で死んだご友人のことを知ったんですか」

「それは友人でしたから」

「・・・・君は下がっていたまえ真四角君」

「二トーです」

「すまなかった二トー君改め角野さん」

「・・・・二トーです」

「すいませんここで立ち話も何ですし中にでも」

「・・二トーです」

「いや僕的には四角さんという方が」

「そこは少し邪魔になりますので」

「ほら君が頑固に角張っているから邪魔になると言われているぞニトー君改め真四角君」

「・・・もお良いですよ真四角で・・」

「分かった二トー君」

「・・・早くは入れ馬鹿ども」

「これはどうも失礼しました」

怯えることもなく悠々と入っていく田枯、しかし私としてはその急遽な変貌に実に実に怯えているわけで

「すいません、田枯が馬鹿で」と言っておいた

「俺は馬鹿ではない君が馬鹿なのだ・・・すいませんねー職に就かずにブラブラしていたところを捕獲して連れてきたんですよ」

「してますー仕事してますからー」

「所で表札を見たんですがご結婚されたんですか」

「いえ、だと良かったんですが親が離婚したおかげでみよじが」

「そうですか、で来ましたからお話を聞かせていただけるとありがたいんですが」

「そうですね、その前にお茶でも」

「いえ結構です」

「そうですか、それなんですが拍子木なんです」

「はい」

「今なんかのマネしたでしょう」

「・・・はぁあい」

「・・・似てない」

「してませんから」

「お二人とも」

「「はぁあい」」

「ふざけんじゃねーぞオラ、こっちは金出してんだそんくらい聞けよ馬鹿ども」

「ほら怒られているぞ真四角君」

「・・・・すいません・・うう・・この人がやれって」

「してないしてないやってない」

「・・・・お茶でも」

「結構ですそれで拍子木を使って放火したと・・実に危ない話ですなー」

「そんなでっち上げ言っていません」

「そう言われているぞ真四角君」

「・・・・あれですえーーと二トーでした・・そう私は・・」

「すいません続きを」彼女は拳を振るわせる手を綺麗にテーブルに戻した

「それなんですが始めはちょっとした相談なんです」

「そうですよねー二十歳ともなればできちゃった結婚の二つや三つ」

「違います・・彼女が話したことは体の不調なんです」

「急に好みと違う物を食べたくなるとか」

「だから妊娠とかじゃなくて」

「・・・まさか妄想・・」

「違います、なんか変な耳鳴りがするとか」

「それはたぶん天のお告げとかが聞こえるとか言ってあなたを危ない宗教に連れ込んでできちゃった婚を」

「意味が分かりませんしそこで拍子木が出てくるんです」

「幻覚か何か」

「幻聴って言いませんでしたかドアホなんですか馬鹿ども」

「私さっきから何も話してませんけど」

「お前は人んちだからってくつろぐな物をがっつくな盗もうとするな遊ぶなこれ良いなってねだるんじゃない」

「それ私じゃありませんよって言うか誰ですかその子まさか田枯さんの隠し子」

「・・・なぜに俺に正室も居ないのに隠し子なんて言う物が出るんだ」

「いや・・田枯さんだから」

「意味が分からん」

「駄目でしょ伏し目今お母さんはお友達とお話ししてるんですから」

「えーー母上だけずるいでございますよ」

「すいません田枯さん、ここは何時代でしたっけ」

「・・・・・僕は夢でも見ているのかな真四角君」

「すいませんこいつはふざけているんですよ、ほら挨拶して」

「まことにあいすまんこって」二等身の子供が黄色い鞄を提げたまま

渋い声でそんなことを言った

「ご結婚なさっていたんですか」

「ええ、、まあ出戻りという奴であいすまんこって」

「いや別に謝られましても・・そうだ僕、ハンバーガー食べるかい」

そう言って田枯は鞄からおみやげにと地元ファーストチェーン「金単」の袋を少年にあげようとしたがその手をその少年でもまた真四角でもなければ田枯自信でもない裂け目が掴んだ

「すいません家そう言う物は食べ指さないことに」

「それはあいすまんことを・・・真四角後で食べて良いぞ」

「・・・欲しくないし」

「欲しくないとか言いながら服の下に隠すな」

「むすうごっくんもごむすごごずずずず」

「食うな」

「母上あれは何という生き物じゃ」

「伏し目さんあれは生き物ではなくて四角さんという同じ人間です」

「うむわしはあれが食べたいぞ」

「なりませんあれはげせんの物」

「さっきと言っていることがあべこべだぞ母上」

「あっこらいけません食べては」

「睨まないでください奥さん」

「・・・」


「母上これは何ともやんごきたる味だぞ、良きにはからい今日から毎日三個食前に出してくれ」

「だから睨まないで」

「あなたのせいじゃないですか・・ああ、これでもし家の伏し目さんが

コンビニでたむろをしいてしまうような人間になったらあなた責任取れるんですか・・賠償金として彼と私達に損害賠償2億円以上払って下さい」

「がんばって」

「こら逃げるな真四角」

「・・裾引っ張らないで下さい延びます」

「そうだぞ男、娘が嫌がって居るではないか放しなさい」

「・・・・・・・・」

「偉いぞ・・それでは私はドロン」

「何消えたか」

「おい真四角人んちで煙り弾やるには迷惑だろう・・だいたい火災機にでも引っかかったら」

「大丈夫です切っておきましたから」

「用意周到だな」

「では改めて」

「こら馬鹿どもこれ以上やったら」

「すいません」

「・・・・・・」

「それで何の話でしたっけ」

「それが・・・・・・・・・・・そうそう、私の友達が毎晩拍子木の叩く音が聞こえるって言うんです」

「それはまたまたこんな都会でもそんなことやるんですか・・嫌その人が都会かどうかは知りませんが」

「いえその人も都会何です、生きていた頃はここから三分の所に」

「・・・近いですね」

「お隣だったんです」

「一分もかからないのでは」

「色々したくもありますし第一・・言葉の綾です」

「これはあいすまんことで

「・・・・で、どういうこと何ですもしもそんなイベントみたいなことをやっていたならこんな話をわざわざ僕たちをここに呼んでまでするようなことじゃない・・いや小一中一の変わり者と呼ばれたあなたならやらない方がおかしいか」

「殺されたいのかあぁあ」

「でどのようなことで」

「・・・・実は」そこで言葉を聞っていっていいものかどうか迷っていたが意を決したように話す

「そうなんですそんなイベントなんてやっていないんです

始めはそう言うことを知らないだけでやっているのかと思ってました

私達の待ちでも夜当番で回っていましたから」

「ええ、僕もあれが楽しみでねー」

「っえ、楽しみだったんだ」

「うん、特に冷えた晩なんか終わった後に出される燗をした甘い甘酒なんかをこう一杯」

「それ濁酒何じゃないですか」

「そんなわけないじゃないか」

「えーーわたしの所濁酒でしたけど」

「・・・・本当ですか裂け目さん」

「い・・いえ忘れて」

「忘れたか真四角くんいやしかりニトー君」

「所で話の続きを・・ちなみに私の所では闇鍋でした」

「・・・意味が分からんですぞ助手君君達の地域は」

「えーーとそれで話の続きなんですが」

「わしも聞きたいぞその珍妙な地区会のことを」

「ほらあんたは部屋でイイヤマ戦争でも見てきなさい」

「はぁあーーい母上」

「何ですかその飯山戦争って」

「あれ知りませんか、昔はやっていた時代物なんです

しかしあまりにもマニアックかつ地方放送局制作のため幻の作品なんです」

「それではいよいよ知り得ないではないか・・知っているかい真四角君」

「もちろんあれは時代劇ながら低予算にならずSFティストであり実に」

「もう分かったで、続きをお願いしたい」

「知らないんですか」

「・・・ああ」

「ではどう言うものか」

「いや結構話の続きを」

「そうですか良かったら息子と」

「いや今は遠慮しとく」

「ならさっさと終わらして見ましょうか」

「いやこっちの方が本題になってはいけないのでは」

「今なんと」

「いやだから事件の方が」

「今なんと」

「すいませんお願いしたい」

「何がです」

「その耳鳴りとか言う」

「幻聴ですがまあ良いです後で前壱百弐拾話見て貰いますからね」

「そんなにあるんですか」

「ええ壱話、壱話が壱拾五分以下と短いですから」

「・・・はははたのしみだなーなあ真四角さん」

「・・・・・・」

「あれ真四角は」

「息子と一緒に部屋にテレビを見に行きましたけど」

「アンニャロー」

「見ます」

「ええお話の後でたっぷりと時間があれば」

「私はいくらでも」

「・・・・・」

「で話の続きなんですが、結局相談された後調べてみたものの、そんなことはやっていない、でも聞こえるらしんですよとるになると拍子木の音が

始めはテレビかなんかかなと思っていたんですが家の何処を見てもそんな物は付いていないだいたいラジオさえ付いていないなれば隣近所かと言えばそうでもないそしたら外かと思っても何処にもそんな物は目に付かない

しかし何処から拍子木の音だけが聞こえてくるって言うんです」

「なんだか怖いですね」

「ええ、で彼女はそう言った翌日に死んだんです」

「っえ」

「私それで気になって調べたんですがやっぱりというのかそんな物はなくて、それで最近聞こえ始めたんです」

「・・・何がです」

「・拍子木の音が、ひょっとした時に・・っあ」

「どうかされました」

「今聞こえた」

「っえ」

「今玄関の方で」

「ちょっちょっと待って下さい」

玄関の方へ歩いていく奥さん

それを追おおうとする男

そのとき彼女は突然倒れた

そして帰らぬ人になってしまったのだった

「ははは、だめだよ池田さん」

子供部屋で声がする、そのときはもう救急車を呼んでいた

しかし脈はない、徐々にそれは物に帰って行くようだ


「はあぁああははあははああははあははは、どうだ五時頭仮」

[何をしているんだ]僕は声のする部屋には行っていく

確かあいつとそしてあの子供が入っていった部屋なのであろう

僕は扉を開けて中を見ると案の定テレビを見ていた

すると先ほどの声もテレビによる物だろうとか思っていたら

無音だった、それを奴らが口パクに合わせて勝手に効果音やらセリフやらを勝手気ままに言っていた

「おい、四角・・・っちょっと来てくれ」

「四角の助・・なにやら兄上が相談のようだぞ」

「うむ兄者は縁談縁談とうるさいからきっとそのことであろう」

「うむ、それそろ自分の身を考えた方がよくはないか」

「上様まで」

何を言っているんだこいつら・・馬鹿なのか・・アホなの・・死ぬの

消えるのって、今そんなことを言っていたら洒落にもならん死口が裂けても言いたくはないことだ

「とにかく来てくれないか」

「そうですかーそこまで言うならどっこい昇竜剣からのお辞儀」

「意味が分からねーぞ、姉ーちゃん」

「世の中に意味を求めるなどまだガキよのー」

「・・・・お前等黙れとにかく来てくれ」

「うむ、いかしかたがない、行ってくるぞ若」

「・・良きに計らえ」

「早くしろ」

「無理を言うではないぞ男」

「・・・」

「それは将来わしの妻にと」

「まあ殿さん」

私は奴を引きずるように部屋に出してとを閉める

「何が殿さんだ・・お前の設定が俺には分からん」

「アドリブですよアドリブ・・アドリブ天国からの劇団アドリフ」

「・・・・とにかくこれを見てくれ」

「あなたまた強姦とかしたんでは」

「する河馬かいや馬鹿か」

「・・・なら何なんですか・・まさか私まで口封じに・・いや共犯しろと

いや矢っ張り」

「するかドアホ馬鹿とんちんかん間抜けヒョットコ間男故助」

「そんな意味分かんないこと言っても・・それじゃあまずヒョットコってとこから説明していただきませうか、、、いや馬鹿からの語原でも良いですが」

「お前これを見て何とも思わないのか」

「いやあなたのことですし襲わないにしてももし倒れたんであればまず

救急車でも呼んでその間に一応の大球処置をしたはず

しかし今何もしていないところから考えるともはや息はないんじゃないですか」

「ああそうだよ・・しかし良くそこまで分かったな」

「見てましたから扉の隙間から」

「それじゃああ伏し目君も」

「それはどうでしょう」

「どういうことだ」

「いやあなたたちの話に耳をかしていたせいで良く覚えてませんと言うか見ていなかったもんであいすいませんでござります」

「・・・ふざけているのか」

「いつもより多めにきまじめに進んでおります」

「・・・・・とにかく彼にこれを言うべきだと思うか」

「いや思うも何もかすし後としても仕方がないではありませんかごじゃりませぬか」

「ああそうだな・・・」

男はそう言うと少年が居た部屋に手をかけると中に入った

そこで少年は泣いていた

泣いていたの

たぶん先ほど真四角と同様に覗いていたに違いない

そしてその最愛のははに死なれてしまっては彼には二親が居ない

僕はどうすることもできないまま立っていた

しかし真四角は違っていた

「ねえ殿」

「ふざけるんじゃない」

「お母さんはきっとある事件に巻き込まれたんだ」

「どういうこと・・お母さん最近妙に不安定だったけど

それは人に対することじゃない気がしてたからお化けか幽霊でもいるのかと」

「そんなことあるわけがないでしょ・・今日ここにきたのはお母さんがどうして死ななければならないか知るために来ていたのよ・・実際死んでしまったけど」

「何で知っていたのに」

「これは確定事項だったのお母さんが死ぬってことが」

「そんなこと・・・まさか人間以外の神みたいな理不尽な力でもあるの」

「そこまではまだ分からない・・でもお母さんや私達の同級生のほとんどが皆死んでしまったの、おかしいでしょまだ皆二十歳それになるまえだって言うのに」

「それじゃあ僕きっとそいつを捕まえる横の犯人を」

「それはダメ」

「なんで、こう言うのは何らかの敵が居た方が憎めて良いはずだよ」

「所詮それも愛情なんだよ」

「あいぞう」

「そう、愛するの反対は無関心では無く憎む

つまりは君は犯人を愛しようとしている

何処までも人間という物は理不尽に出来ている

だから憎むのではなく忘れた方が良いのよ」

「良いのかそんなことで」と言う男の声に

「世の中理不尽なの」

「さてどうする坊や・・これからどう生きる」

「・・そうですね・・・父のくれた財産で一山稼ごうかと」

「それはいい、何なら株をやっているフリーターを紹介してあげましょうか」

「いえ結構です、母上の奴を見てもう知って居ますから」

「あらそう、で、どうする犯人一緒に探したい」

「いえ、この財産を使って探し出して見せまする」

「そう、それが良いわ」

「いいわけないだろ」と男

「何で人生を変な犯人に使うよりもお金を稼いで余った金で探し出した方が効率が良いのでは」

「いや世の中にはそう言う目先のことではなく人間根本の良くを制することの出来る願望という物があって」

「願望だって金が願望ならいうことないでしょ」

「それはそうかも知れないが」

「お二人さんご心配なされるな、後の経験のためにあなた二人が失敗しても良いように今日はお二人の探偵ぷりを拝見させていただこうかと思います」

「ほらお前がみょうちくりんなこと言うから来てしまおうとしているではないか」

「いえ世の中金で買えないこともあるのですよ田枯さんあなたと違ってね」

「おいおいそれ俺がさっき言おうとしていたことだがお前分かって言っているのか」

「そんなの適当ですよ適当適当世の中で一番得られないものは適当ですからね」

「・・・・・よし行くか」

「いいんですか裂け目さんをここに追いていって」

「うむ龍弾を探していたときにここの刑事さんと知り合いになってね、それでまあそこは色々と任せておいた」

「・・・・不味い飯でもごちそうされたんですか」

「違うわ、しっかりした飲み友だ」

「未成年に勧めたんですかその刑事さん」

「いや俺はカルピスの牛乳割りだ」

「良くそん何飲めますね、・・・っあもしかして背が・・・ってそこまで低くはありませんねちなみに幾つです身長」

「180センチだが」

「これ以上を望むなんて」

「いや好きなだけだから良いだろ」

「・・子供ですね・・ップ」

「・・・殴っても良いか」

「良いですけっどただでは済ましませんけどね」そう言って真四角は腕を軽く振って力を抜いた

「・・そう言えばお前」男は止めた

昔暴力構成員に対して50対壱で立ち向かった内の一人だという

何でも三人ぐらいともまた一人だとも言うがその中身はたしかではない

ただ分かっていることは大量のけが人を出したそのグループ名を

「山中山中の山嵐」と言うらしいが正直それすらも噂の範囲を出ない

今回奴を連れてきた理由の一つにそんなことがある

しかし奴がいじめられた理由の一つにはその構成員の上の手があったとか無かったとか・・正直これも同様に噂どころか怪しいものに代わりはない

しかし言うなれば山中山中などという中学は今のところ現在には存在していないところは確かではある

「止めておこう」

女は軽くまた腕を振ってそのまま玄関に向かった

「兄ちゃんなんか今の姉ちゃん目がマジだったね・・・っていうか怖い」

「そうかー」と言うもののなんか死想が顔に出ていてもおかしくない気がする

「それじゃあ先行ってるね」男の子はそう言うと玄関で似つかわしくない黒く光る靴を履いて外に飛び出していった

「おっおい本当に行くのか」

しかしその声がむなしく一人いる玄関にしか響くことはなかった


第一章[閉幕]


第二[始めての二人]

世の中には一生合わなくても良い人間を統計した記録があるという

しかしそれが表沙汰になることはないらしい

そんなことをふと思った

と言うのも今から行くのがまさにそれに少し似ていた

と言うかなんというか・・・とにかく思うに同じ学年なのだが一度もあったことがないのだ、と言うのも何度も言って恐縮に思うのだが

彼女は一日だけ転校した次の日にまた入院してしまったという

どういうことかというと、そのまんま一日だけ学校に登校してのこりは彼女を校内で見ることは出来なかったという意味に違いはない

それもさらに突き詰めて言わせていただくのであればってわたしは誰にへつらってこんなことを言っているのだろうと思う反面

今車内にはガキと暇そうに歌っている怪しい男しかいないから暇でそんなことを考えているのだからそんな一人妄想に耽っている私の話を聞いていただいているのだからこれくらいは言ってもいいだろう

つまりはよいしょと要所を摘んでよいしょ要所言うと

都会暮らしのと会る女の子が毎日毎日病室暮らし

しかしある一時期奇跡的に様態が良くなりここで田舎にでも行って療養してみたら良いのではそこでここまで来たが、そこで長年居た場所から離れたせいかそれとも田舎の環境が合わないのかまたまた長い車での疲労か

それとも元々たまたま奇跡的に良かっただけだったのか

結局驚き嬉しい学校に行った次の日にはまた整備の悪くなった病院に逆戻りしてしまったわけだ

と言うのがちまたでのもっぱらの噂でありだいたい事実だろうと思われている話だが実際には違う

あの子はいじめられそうになって居たのだ

それを一応は助かったもののしかしそれがショックだったのだろう

また逆戻り・・しかしそれだって噂通りたまたま奇跡的に良かったのが

また戻るべくして戻ったのか

どっちみち私はクラスが違っていたし会いに行こうにもすぐに都会に引っ越してしまったので会いに行くこともない・・しかしあえて何で今こんな話を考えているかと言えば彼女は一日であったが同級生であり

そして彼女が学校に来る一日まえにあの花火が打ち上がっていた

元々田舎に余所者が来たという話は前々から噂にはなっていた

何でも白い服を着た肌も同じような綺麗な垢抜けた奴がいる

と言う目撃談を聞いたがつまりはその学校に来るまえの日以前から彼女はここにいたわけで・・・・・しかしそれうんぬん言う前にあの龍弾と言う花火が果たして関係性があればの話でもある

もし無いのであれば全くとんちんかんなことだがしかし

彼曰く聞こえてきた声は電話越しだが震えていたという

しかし私からしたら一日しか行っていない学校の同級生から突然電話して

来て、しかもあんな男では震えてしまうのも無理なかざることなのでは無かろうか

「所で何であんた車とらないの」

「いや何でって危ないだろ」

「そんなもん私に運転させてるってどうゆうもん」

「それはれでぃーふぁーすとでありまた人にはそれぞれ得手不手と言うものがあるだろう僕の場合地君の場合は少し違うと言うことで」

「・・・どう思う坊や」さっきからパソコンを見ている少年は果たして悲しみはないのだろうか

イヤあるだろう、きっと隠しているに違いがない、または女の人または人前で泣いてはいけないと思っているのかも知れない

どっちにしてもいつでも泣いても構わないがしかしどういう物だろうか

私は彼にかける言葉はないし対してあの男はどうしてかけないかというとビビっているのかも知れない

どちらにしても少年はもう今はやることがある・・みたいな物なのかも知れない


「後30分だって」

「うむドラエモンが一本分か」

「・・面白い考え方だね」

「数え方だろ」

「私の家ではいつもそうだったぞ」

「そうか」

「矢っ張り面白い数え方だよねー」と私

「そうか、ならあなたの所ではどう数えた」

「えーーと私、私は一本二本と」

「それはアニメかなんかか」と男は言う

「いや線香、その長さで燃える時間って決まっているでしょ

だからそれで一本二本って」

「うむそれも変わっているが・・お姉さんは家は何の仕事を」

「ただの雑貨屋でござるが裏は」

「「・・裏は」」二人は何げなしに気を積めて喉を鳴らした

そのシーンとした時間を割って入ってきた女の声は

「そば屋でござる、いや飯屋か」と言う実にふざけたものであった


「ここか」男は車から降りたそこは、あのマンションから四時間三十分

人里離れた場所ではないがしかし田舎を少し人通りを多くしたような住宅地でありその家の前に車を止めるぐらいの余裕はある

「ピンポーン」時間は九時を回っていた

もしも彼女にもあの幻聴が聞こえているのであればもしかしたら危ないかも知れないし、だいいたい今は夜だ、聞こえる時間帯なのである

そうもし彼女が何らかの何かを聞いていたのであればもしかしたら死ぬかもしれないことを覚悟しておかなければならない

どちらにしても扉が開いて出てきた人物は老婆でも子供でもなく私達相応の年の女性である

もし彼女が百合などでなければ、もし彼女に姉妹がいないのであれば

もし彼女に女友達あるいは女のような格好の友達がいないのであれば

もしかしたら母親の線も捨てきれないかもしれないが

それは多分 夜中 透(よなかトオル]に違いなかった

「あのすいません、夜中 透さんですか」

「あれ、もしかして真昼さん」

「・・・違いますが」

「・・・・えーーと・・違う・・本当に」

「ええ、私の名前は田崎 アント二ワットとも押します」

「姉ちゃんの名前、真四角だよなー」

「うるさいぞがき」

「あっそっか、私が間違えて覚えていたみたい、ごめんね四角ちゃん」

「・・・・ああ、七年振りだな」

「そんなに経つんだー、でもあの時は本当にありがとう」

「お主もなかなか悪よノー」なぜか割り込んできてトンチンカンというよりかは勘違いなことを言う伏し目少年

「お黙りがき」

「・・・・・・・・・あれが噂に聞く猫かぶりかねー旦那」

「・・・俺に聞くな」

「所で、一つ聞くけど妙な物最近聞こえない」

「そんなことは・・・っあ」

「・・何」

「・・・実は最近妙な外国人が近所に引っ越してきたんだけどその夜中に歌う歌が実に奇っ怪でして最近ラジオ局まで取材に来たほどなんですーぅよ」と何か解説にまたは説明に嫌それ以前に何とも言えない顔で言った

「えーーといちお聞くけどその人はみんなが聞こえるんだよね」

「うんん、私だけ」

「・・・そうかそうかならよっ・・っえ、今なんて」

「嫌だから私だけ聞こえるから、もう危ないのかなーってラジオに流したら取材にって」

「・・・じゃああんたは実際にはない物が聞こえるんだ」

「うんんん、実際にあった物みたいな」

「それはどういう」

「霊感って信じる真四角ちゃん」

「・・・ないでしょそんな物・・そう言う物は好きだけど」

「・・本当に信じる」

「物による」

「なら私のことは」


「修羅場ですね」

「・・俺に振るな・・そしてこれは修羅場というのか」


「所で他には何か聞こえなかった」

「・・・たとえば」

「たとえば・・拍子木とか」

「拍子木・・・なんで」

「いや、今殺されていると言うべきか死んでいる同級生の一人いや少なくとも二人が真夜中にいないはずの拍子木を鳴らす音を聞いているのよ」

「それは少し誤りがある」

「何がよ」

「今まで電話した受け答えで少なくとも過半数の弐拾参名が実際にそのような物を聞いたという」

「そのような物って・・・だったら・・いや、そのそのような物ってのはどんなものか言ってみてよ」

「拍子木、あるいは木を打ったような音」

「・・・・・何だそれ・・今までのと同じじゃんか」

「そうだが」

「そうだがって、なら何でわざわざ東京まで田舎からきたのよ」

「もしかしたら違うかもしれないし・・第一彼女がコイと」

「そう言う問題じゃなくてもしそれを教えたら何らかの解決策が」

「君は合ったと思うかい、そしてもしあったなら何らかの行動を起こしていたはずではないかと知っているのではないのか」

「・・・・それでも誰かがいたら」

「いたらどうなる・・まあ確かに一人で考えるよりは悩むという場合は大勢の方がそれに限って良い時もある、しかし彼女はここまで来いと言った

だから僕はそれに従った・・そして更に言うなれば」

「・・・言うなれば何」

「・・・・彼女は死期を悟ってたんじゃないだろうか」

「どう言うこと」

奴は後ろをちらりと目で示した・・目線誘導

そこには小さな子供、裂け目のガキがいた

「あんたって奴はそれでも何とか」

「俺も色々やったさ、でも結果的に何も分からなかった

何かを言って希望なんか持たせるなんて俺にはとても出来る領分じゃない

・・」

「・・・・・それで幽霊がどうだっけ」

「うんうん、いいのいいの、後その拍子木ってのは・・・ちょっちょっと待って」

「なに聞こえた」

「・・うん」

「マジ」

「・・・私死ぬの」

「・・・それはまだ」

そのとき目の前になぜか赤いものが見えた

それは水風船が破裂したように

バケツの水をぶっかけられたように

インクの海にダイブしたように

それは爆発した

「大丈夫か伏し目君」

「・・・なに」

「真四角も大丈夫か」

「・・・っえなに」

「大丈夫かと聞いている」男の声が田舎の住宅地に響く

しかし私はまだ体中にある何かがそこからすべての感覚を奪うかのごとくそこだけなにも感じられなくなっていた

「・・・私なにした」

「何もしてないだろ」

「私何もしてないよね」

「大丈夫だお前は悪くないし、なにも心配することはない」

「うわぁああああああああああああん・・あぁーぁんーーん」

私は感情が壊れた

涙が溢れ声が出た

それは恐怖のせいだろうか

次は私かもしれないからだろうか

よく分からないことから逃げ出したかったからなのだろうか

私の感情がぐやぐちゃになって、そのどれもが理由ではない気がして

それで全てがそれでそれ以上な理由な気がして

結局私は何もかも吐き出すように泣くしかなかった


「おい大丈夫か」

そう言われた気がした

今私達は車の中にいた

そして奴はハンドルのある席に免許もないのに座っている

「・・もう大丈夫」何かとハッキリはしなくはないがしかしすっきりとしているにしろしないにしろ、私はいちおうの整理を付けた

そしてだれにともなくそう言ったのだ

「そうかなら出発しないとな」

「どこへ」と私

「警察の取り調べは」とがき

「それには全てノーコメントだ」

「捕まるぞ」と私とがき

「それについてもノーコメント」

「大丈夫か」と私

「無理でしょ」とがき

「ノープログラム・・これは事件を解決させるための策略、そう戦略的撤退成らず戦略的かつ戦争的かつ知的かつ色々と含めた要は

「「「犯人逮捕」」」作戦なんだよ」

「・・・詳しく三十文字以内で答えよ」と私

「ただし漢字は平仮名で」とがき

「お前漢字も知らないのか」と私

「それ関係ないだろ」と男二人

「・・・・だざ」

「何がダサだ何が」と男二人が喚く

「ダサではなくだざって言ったんです」(ちなみにそれには意味はない)

「・・・どういう意味だ真四角君、知っているか裂け目の子よ」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「何記憶堀くってんのよ馬鹿男」

「・・・・・早く出発しようではないか・・所で「だざ」の意味って言うには何だ、方言検定カムイ外伝を取得している僕でさえ知らないとなるとそれは造語かまたま過去に寂れた幻のそれかもしれない・・・・まさか造語か」

「・・・・それがなんだって言うのよ」

「それはそれっで言葉採取をしなければならない・・・それはどう言うときに使うのだ」

「でっどこだっけ次は」

「・・誤魔化すな、、、それというなれば君はなぜ爆破したか知っておきたいか」

どうやら男は私がまだ傷が言えてないと思って様子でも探ってこんなやりとりを・・・元々か、あん無骨でブキッチョで不器用でそれから将来太ったらデブと呼ばなくてはならないであろう、そんな人間がそんなこと・・

・・って関係ないか

「良いよ、教えて、お願いします」

「奴は体内にガスが溜まっていたようだ」

「・・・・・ふざけてる」

「違う、特殊な薬剤が体の中に溜まっていたらしい」

「・・・・犯人の手がかりは、ようやくなんかそれっぽい犯行が見えるじゃない」

「無い」

「っえ」

「ないと言っていた」

「それじゃあどうすんの、何か分かったから」

「初心を思い出して地元に戻ろう」

「・・フザケンじゃないわよ、そんな刑事みたいな事して一般人が分かるって言うの、だいたいあんただってあそこにいて何も分からなかったんでしょ、だからこんな色んな人間を今頃になって探して情報を」

「いや目星は付いていた」

「だったらいまのふたりはみごろしにしたって・・・」私はそこで改めて事の重要性に、いや最悪性に気が付き言っている口から止まり心の中に停止した

「そうじゃない、ただ分からなかったんだ」

「何がよ」

「でももう分かった」

「何がよ、分かった・・て」

私は聞く耳も持てなくなっていた

「今すぐ行くぞ、悪いがタクシーでどうこうするお金は今のところないんだ」

「やだよ」私は咄嗟にそんな言葉が口から出た

いやそれは意味の分からないことに対する奴への当てつけだった

「いやだって、そう言われてもここにずーといると警察の目に留まるぞ」

「そっちに任せた方がいいんじゃない」

「今は駄目だ」

「何でよ」

「とにかく運転しろ」

「いやよどうしてそんな無駄なことしなくちゃいけないの」

「・・・君がしないなら君だけ降ろして僕は無免許で捕まるとしよう」

「どうしてそうなるのよ」

「君が言うことを聞けないからだ」

「・・・・・・何で、どうしてそこまで田舎に帰りたいの何かあるの」

「ああ、そこに犯人がいる」

「・・・・さっき」

「君に言ったら途中で事故を興奮のあまり起こしかねない、だから言わなかったんだ」

「でも何で警察には言わないの」

「言ったさ」

「・・なら何で行く必要があるのさ」

「それはこんな事件を起こした犯人野放しには出来ないと思ったからに過ぎない」

「答えになってないんだけども」

「君は許せるかい犯人が都会の刑事に捕まえられるのが」

「許せないねーとは思えないねー」

「思えないねー」とがき

「あーーー分かった、お前等には全ては無そう「この俺が犯人だ」」

「「はあぁあああああああ」」二人の悲鳴にも似た声が車内をうるさく響かせた

「あんた言ってる意味分かってんの」早くも私は奴の首筋に腕を伸ばしていつでも即死から三割ほど助かる程度の十尾と同時にもう手を取り押さえて言った

「どうせなら故郷で捕まりたいじゃないか全ての狂言の場所で」

「なら一人で帰ればいいじゃないってかなんで私を連れてきたの」

「君のためだ」

「キモ」私はそんな言葉が口を出たがしかしそれ以前になぜにそんなことを私のためにしたというのか

「ははは、キモはひどいなー」

「・・何言ってんだ、何十人も殺した人間には軽すぎるくらいのホコリのような言葉だよ」

「そうか、それが君からもらえる僕の「誇り」と言う名誉なわけか」

私は奴の拳を思いっきし殴った、そのせいで嫌な感じがする

「・・・・・・君には証人になって欲しかったんだ・・それだけだった」

「なんでした」

「君をいじめてこの町から追い出した人間にしてみれば当然の事じゃないか、人一人彼らは地球上から消し去ったんだ、それは神だろうと起こしてはいけない摂理を破ったも当然だ」

「ふザケンジャないわよ、あんたに何が分かるってんだよ」

「何もかも知りたかった、でも気が付いたら君はもう僕が追える存在じゃなかった、僕の目の前から消えた、それは一回の中学生ではとても追える事は出来なかった」

「・・・・・言い残すことは」

「ない・・った、ただ一つ」

「・・何だ」

「君のことは世界で一番嫌いだ」

奴は窓ガラスを割って草むらに吹っ飛ばされた

それはもちろん私を嫌いと言ったことには起因しない

そして奴は死んでいた

間違いなく死ぬようなパンチでも蹴りでも頭突きでもなかった

奴は最後こう言った

「犯人は七年前の花火だ」と叫んで



解決したようー


私は窓ガラスが割れると高速を利用できたいことをその夜、始めて知った

何処までもさぶいこの季節にそれこそ乗ったが最後凍死してしまうかもしれないのを覚悟で私は、警察の追走を振り切ってここまで来たときに止められることに相成る

弐拾分と参分後私達が居た事務世に警察で後藤と名乗る男がやって来た

そいつは私達二人に手錠をかけることなくパトカーに乗せると

そのまま高速に入った


「何処行くんですか」

「・・・・・・寒くない」奴は適当な笑みと共にこちらにそんなことを言う

「大丈夫ですが・・・少なくとももしも無実のこの伏し目がちではないけれど名前が伏し目な子を逮捕するような心の寒い刑事さんなら寒いです」

「なら大丈夫だよ・・だいたい君達は誰かを殺したかい」

それはそう言った

私は首を振るが伏し目は初めて伏し目がちに言った

「あのお兄ちゃんは犯人じゃないような気がするんです」

「どうしてかい」

「だってそうは思えないから」

「刑事の感って奴か」

「ええ、三十年もこれやっていてもなかなかそう言うことはないんだけれどもなあぁ、どうも今回はそんな気がする」

「それは多分もなくあたりですよ、あなたがそうだという物は大体が裏付け積みで、当たっていますから」

「ちょっちょっと待って下さい」

「「何だ」」二人のオスゴリラが同時に言った

今一瞬子供の体がオヤジのように見えたのは気のせいか

「あの伏し目君って何歳なんですか」

「今年で五十六だが何か」

「・・・どう言うわけかきっちりと理図めで教えて下さい

「・・・まず俺は障害者だ、成長が出来ない・・まあかなり昔の実験のせいだが、、でっ、今回のことまで言うなれば俺はお前が行った倉見さんに雇われた探偵ってことになる」

「じゃあ結婚していたって言うのは」

「ウソ」

「あなたが子供だって言うのも」

「嘘」

「本当のことは」

「答えによる・・質問か」

「今から何処に・・降ろして場合によっちゃあ降ろして下さい」

「今からあの死んだ探偵と同じところに行く」

「っえ・・・どういう」

「いやいや、あれは仲間ではない、そして言うならば、あれはもう操られていた、そしてもうお前を呼んだ時点で死ぬことは確定していたといっても良い」

「何を知ってるんですか」私は完全なる戦闘態勢を張った

「まあまあ、狭いですし落ち着きましょう」若い男が前からそんなことを言う、そして

「缶コーヒーでも如何です」と缶コーヒーを渡してきた

「毒なんて入っておりゃせん」そう言って缶コーヒーを受け取ると勝手に飲み始める

「警察の方ではないんですか」

「無いんです、無線で拾って勝手にあなたをさらって確保した次第で

言うなれば死んだ田枯さんにそう言う以来をされていたので事業の一巻というわけです」男はそう言ってまた一本缶コーヒを渡してきた

「お前車に缶コーヒーの箱だけ積むの止めろ、どれもヌルいどころか冷たいじゃねーか・・第一俺は新鮮な奴」

「なら飲まないで下さい、大体何です新鮮な缶コーヒーって言うのは

そんなものあるんですか」

「あるだろう、牛乳だって」

「はいはい」

「聞けよおい新入り」

「もう十五年くらい経ちました」

「早く新しい新人が欲しいもんだ」

「それが同僚に対する言葉ですか、どんだけアシストしてすと」

「まあ良い」

「良くありません」

「ところで四角殿、あの花火という物は何ですかな」

「・・・花火とは」

「いえ、死に際に言ったではないですか「七年前の花火」っでしたっけ

そう言いになられた・・しっていますよね、花火」

「あなた方は知らないんですか」

「いえ、これによって内容が変わってきますので」

「ないよう・・・・とはぁ」

「睡眠薬が効いてきたようですな、これからあなたには幾つか質問させていただく、なおその質問は催眠中のあなたは全て嘘を付くことなく答えることになる

ではいい夢を」


私は消えゆく意識の中で思った・・それじゃああいつは本当は何がしたかったのか

しかし私に意識は白くそして何もなくなっていく


私が目覚めた場所は、果たして何処だったというのだろう

目を開けると何とも懐かしい匂いがする

しかしその匂いって言うのは別に好物だとかそんなしっかりとした狙いが見定まった・・いや嗅定まったものではないはずだ

それは故郷の何気ない土地の匂いであり

それはすなわち私に少なくとも私が見ず知らずの場所にいないかもしれないと思わせるには十分だった

「おい、お前は本当に何も知らないのだな」

ガキが言った・・嫌オヤジか・・どちらでも良いが

「お前たちは何が目的なんだ」

「お前の親父さんの暗殺・・または逮捕に並ぶ行為って所だろ」

「親父・・なんでそんなものが」

「だってそうだろう、あんたの家は代々この村の花火師だったはずだ

そう言えばみよじの角野だって、玉屋のライバル心からつけたって言うじゃないか」

「だから何なんだよ」

「今回の犯人はもちろんその親父がやったことであり、そしてその親父に無理矢理・・嫌洗脳されて遣らされていたのが同僚の田枯という男さ

最後の言葉ぐらいは多分多少の催眠が切れてあんな事でも言ったんだろうがな」

「どう言うことか説明しろ」

「簡単な話さ、あそこは近年にダムに沈む予定だった」

「沈んじゃい無い」

「そうさ沈んじゃい無い、今のところは」

「どういうことだ」

「あんたのクラスだけがあの学校に残っていた理由は何だ」

「それは、最後の卒業生だからって」

「そうさ、しかし実際は人数を減らすためにやったことさ・・だってそうだろ五十人ばかりの生徒に学校を起動させるより早く引っ越しさせて新しい場所で勉強させた方が効率が良い」

「そんなの卒業させるために」

「あそこは実験に使用されたんだよ」

「はぁああ、どういうこったあ」

「あんたの親父は国に買収されて新型の兵器を打ち上げ、その後の七年間の経過を見ることにしたんだ、だから進められていたダム計画は中止

お前等は暢気に知らずに暮らしたわけだ」

「だったら今回のって」

「そう、半分は計画されていたとおり死にもう半分は、これ以上バラバラになってしまった人間を追うことが難しくなるので殺したんだ」

「それなら最初から遣らなければ」

「それは質問にもなってはいない、馬鹿なのかお前は」

「・・・・殴り殺すぞ」

「我々は二人だけではない、そしてあなたは父親の名で生かされ・・」

私はそのガキを殴っていた

血の曲線が夜空に黒く浮かんだ

「ちょっと、先輩を殴るのはいけませんよ」若い男が言う

「なら説明しろ」

「まあ、物によりますが」

「あの拍子木の音はなんだ」

「何なんでしょうかねー、今回の兵器を浴びた物が死ぬ間近にどうもそんな幻聴を聞くらしいですが・本当に何なんでしょうか、こっちが知りたい」

「私を花火大会のときラチったのはお前たちか」

「私はそのとき別のこと遣ってたんで知りませんがそのようですね、確かあなたのお父さんの命ですよ」

「・・・ならなぜ父は死んだ」

「あなたのお父さんはさっきまで生きていた、彼、田枯の中に」

「そんなことあるはず」

「あなたのお父さんの意識を刷り込ませた、それだけです」

「彼は、田枯は何をしたんですか」

「死亡者の確認及び殺人です」

「私も殺すの」

「あなたは命により殺されませんし第一浴びていない被験者を殺す必要はない」

「あなたは催眠何とかで嘘無く情報を聞き出したと言ったが、その情報とは今の話とは別なのか」

男の顔が明らかに無の表情に変化した、それは訓練して何の感情も出さないようにされているのかは知らないが、まるで人間の皮が外れて中から異様な物が現れた気がした


「単純ことです」男は黒い物を懐から出すと

「これであなたは意味のないことを知った」引き金らしき物を引く


目には目を歯には歯を

その日雪が降っていた

しかしそのあまりの寒さにだれも窓の外を見ようとしてはいない

しかしそれでも見る者は野次馬であろう

なぜか

自分の暖かさを感じるために外を見るのだから


「おい、先地」

そんなことを言われて一人の男がそちらを向いた

果たしてなんだろうと

その顔は疑問を浮かべている

「実は頼みがあるのだが」

それが実に事の始まりであった


世の中には色々な物がある

しかし、中でも形の無い物という物は確かに現実にある

それは口伝えに伝わる伝承であったり

仏教の仏であったり

怪談話の何かであったり

それは実に事様々であるが

しかし人は、その何もない物を感じることにより

笑ったり怒ったりと感情を変える

これ果たして、どういうものであろう

これを考えに考えた秘密りな組織がある

それは始めこそ名もなければ

何をやるかさえ決まってはいない

しかしそれは時代を行く内に

「カタリベ」と呼ばれるようになった


カタリベー物事を言葉から現実の物にする物


その嘘のようなことを実際にしてしまうくらい

言葉とは実に不思議なものである



世の中である騒ぎがあった

それは不審な死が大量に続いているのだ

それは端から見れば、何か鈍器のようなもので

腹や胸を一撃に突かれていたり

または鎌鼬のように

体をズタボロに引き裂かれているもの

食われたように引きちぎられたもの

血だけが大量に残っているもの

それは一つの物として良いのか分からないほど様々な物がある

昔からこのような死体があったのは極一部の人間のみが知っていたが

しかしこれが果たして人の手による物か

それとも人ならざる何かによる物なのか

どちらにしてもそれを見ることは出来なかったのかもしれない


「おい、校長が死んだってよ」

僕の隣の金髪チビがそんなことを言う

こいつはこんな外見であるが

クラスでも一、二を争う美形であり

そしてその成績も同じくである

しかし普段からガングロのため

それを知っている人間は数少ない

しかしこいつの欠点は

まんまチャラい事にあり

正直僕の隣で騒がないで欲しい

「・・・・・」

「・・むしーーするなよーーー」

僕は断固無視を決め込んで

本に目を移したが

どうも涙目になりそうな

そんな声で鳴き始めたので

これはそろそろ女子から非難の目を向け駆けられ兼ねないと言う危惧から

僕はやれやれと心を沈ませながら

それに目をやる

「やっーーとーー目を向けてーーくれーーたーー」

「何か用件を言え」

「・・・冷たいし・・大体もう言ったし」

「・・・・・・・・だから何だというのだ・・俺に何を言って欲しい」

「・・・なっなんだってーー・・(驚き口調で)言って欲しい」

「何でも前に(驚き口調で)そんなこと言わなければいけないんだ」

「・・・・冷たいなー」

「・・お前がうざいのだ・・・それだけか」

僕は傍らに置かれた重版の本を片手に取ると先程入れた栞の項目まで飛ばそうとしたが

「待って下さい・・話をなにとぞ」

と、僕の振りに乗ってきたので付き合うことにする

「それで何処からの情報だ」

僕はまるで目をキラ付かせてこちらを見てくる奴に聞く

果たしてそれはどう言う事だろう

聞いて嬉しいしいからなのか

それとも今から話すことがそれほどの顔をさせるのか

どちらにしても僕は

それに目を移した

「実は僕だ見たんだよ、それを」

「・・・・・本当か」

嘘を付くような人間ではあるが

しかしどうだろう

こいつが嘘を付くとかならず何か嘘くささが残るが

「何時見たんだ」

ここぞと言うときは嘘を付くような人間ではない

「昨日の夜、テストと答案を盗もうとして」

「・・・おい」

「まあ嘘なんだけど」

こう言う嘘は平気で付くような人間である

「実はコンビニの帰り・・・何か聞こえてきたんだよ」

「何が」

「呪文みたいな」

「呪文」

「まあ・・萌え」

「・・・・簡単に言え」

「いや萌えるような話を、呪文のように呟いていたんだ」

「誰が何処で何時何時何分」

「地球が何周・・」

「まあいいから・・・それでなんだ、何処で見たんだ」

「いや校門の前で何だけどよ

玄関口の前の広場で二人の人間が向かい合っているんだ」

「・・・・それで」

「それで何だけどよ・・・それが憎っくき故五郎校長なんだよ」

「そんな時間に何やってるんだ」

「さあ、仕事で残って居たんじゃない」

「それで何を聞いたんだよバカ」

「・・・・・実は、分からないんだ」

「分からない・・・どういうことだ」

「奴は猫耳を付けてただそれを見ていたんだよ」

「それ本当に校長か」

「本当だって、あの憎っくき校長だ忘れるはずもない」

「しかし・・・あれだよな」

「ああ、それが凄いことに、セーラー服の婆と話をしていたんだ」

「・・・・・・・・はい」

「聞こえなかったか」

「聞きたくはないな」

「・・・・・・そのおばあさんが何やら萌え語を連発していたんだ」

「・・・・それでどうなったんだ」

「・・・体が引きちぎられたというか、爆発した」

「もう一度」

「お前本当の事なんだって」

「・・・・しかし信じられない」

「でも校長はどちらにしても死んだぜ」

「・・・・・・お前よく無事に帰ってこれたものだな」

「・・・っあ・・・・とそれは置いといて」

「・・・・・・」

「さて、君は」

「どうしたんだ、ついにトリップしたか」

「・・・・・あなたはどうして、校長がいる時間がそれ程遅いと思ったのかね」

「・・・・・」

「詰まりあの婆はお前だ」

「お前良く足りない頭で考えろ」

「・・何言い逃れか・・負けんぞ」

「・・・お前毎日深夜にコンビニ行くだろ」

「っあ・・・・」

「QDI」

「うぜーー」

「所で」

「何」

「お前その後どうやって帰って来たんだ」

「いや普通に」

「普通」

「いや爆発したから良い物の見れたなと思って、そのまま」

「・・・・・まあ、最近そういうのが多いが

まあ夜道に気を付けてコンビニは避けた方が良いんじゃないのか」

「何を、そんなことをどうして言うんだよ

お前から本を取るようなものだぞ・・それは」

「・・・お前の道楽と一緒にするな」

「何を、これは地域調査と言って」

「あんたら何の話しているの」

そこに現れたのは

オカルトマニア

「漠 玄」(バク ハルカ)である

そのおかっぱ頭に赤が多い服装

そのせいで現代の花子さんとちまたで言われている話だが

どうでも良い

あいつ事態それについて

「花子さんはこれほどブスではありません」

などと言っている事態

何処まで心配するべきか分から無い

「あんた達、本当仲良いわね」

「そうよ、私たちは仲良いのよブス」

「うるさい・・そしてお前、男なのに女言葉使うな」

「・・酷い・・女の子なのに」

「・・・・仲良いわね」

「お前のせいだ」

僕は幼なじみの漠に言う

「しかしさ、さっきの話」

どうやら妙な奴にはなしを聞かれてしまったらしい


僕は今警官としての職務を全うしている

場所は(下現第一高等学校)

その校門の前で捜査をしている人たち以外が入らないように見張っているのだ

しかしなぜこんなもうじき朝日が上がろうという時間に

僕はあくびをかみ殺してチラリと

その黄色いテープが貼られている奥を見て吐きそうになる

そこは僅かに青いビニールテープが張られているが

しかしそれからはみ出した赤い液体

何処からどう見ても

それは間違いなく血液である

(見るんじゃなかった)

そんなことを思いながらまた前に向き直る僕であった


「でも、おかしいじゃないか」

僕はそのときもっともなことを思いつく

「何で今俺たちはここにいるんだ」

「・・・・・・・僕の夢だったのかな」

「・・・・あんた達ねー」

そう言って、あきれ顔ながらも

「でもあんたが夢見るなんてねー」

と、そのガングロを見る

「コワイ」

そう言って僕に飛びつくのは弊害だが

しかし、確かにこいつが見間違いするとは思えない

外見はこん何だが

しかし根は実にふざけられないような

そんな人間である

「・・・・・まあそう言われると」

「・・・・でも朝来たら何事もない・・・あんた別の学校と見間違えたんじゃない」

「それはないだろ、こいつ人見知りで

近所のあのコンビニしか行けないし」

「でもさっき、ここら変のコンビニは全て僕の配下にあるみたいなこと」

「言ってないし」

「それは詰まりこいつ見栄だ」

「・・・・・詰まりここ以外にあり得ないと」

「・・・・・・・でも実際には何もなかったしな」

「調べたの」

「調べてないけど」

「・・・調べてみるか」

僕は珍しくそんなことを言う

「あんたにしては珍しく乗り気ね」

「・・・まあ、私のフィアンセですから」

「・・・・・止めろ」

「・・・でも何で乗り気」

「・・・いや、ちょっと気になってね」

そこで僕は自分が読んでいた物の表材を見せた

「怪死事件集」

「・・中々・乙な物を」

「気持ち悪いでしょ・・玄・・あんた趣味悪いわよ」

「・・・・あんたに言われたくないガングロ」

「それでどうする」

「何がよ」

「・・・いや何時、調べるか」

「私は放課後新聞部だから良いわよ、何時でも」

「それじゃあ、ガングロは」

「・・・何で私のことガングロって言うかなー・・・もちろん無理よ」

「この人地味にオペラ部だから」

「地味か」

「・・・・花子、あんたあの人のこと取るんじゃないわよ」

「・・・・・・・・・・・・・うふ」

「ウキーーー」

「・・・・」

かくして捜査が始まる


僕は朝日がついに上がっているのを見ていた

最近こういう事件が多い

そして僕というぺーぺーが呼び出されることになるのだが

もう幾日ろくに寝ていないだろう

僕はそんなことを思いながら立っているのであるが

そのとき

僕は後ろに人の気配を感じた

捜査が一段落したのかと

振り向こうとしたそのとき

僕は何者かに殴られ

ふと気が付くと

そこはコンクリートに迫った視界が

僕の前に現れていた

(不味いな)

僕はそんなことを思いながら

気を失ったのである


夜の公園に

二人の人影がある

一人は影法師のような細身で

それでいて背が高い

さらにその頭には黒い煙突のような

そんなシルクハットを被って居るものだから

余計それを感じなくては行けない

それに反するように

その公園の鉄棒の上にその小体を乗っけて座っているのは

年も若そうであるが

しかしその食べている物というのが

おしゃぶり形の飴という奇抜さ

そして幾分その格好も幼子が着るようなものである

「なあ」

その男が遙か頭上から

それを見るでもなしに真っ直ぐと鉄棒の横に立って言う

しかしその後に言葉は続かない

「・・・・何よ」

下からこれまた何処も見ず

ただ座ったままの状態でその子供のような物が聞く

その時になり

始めてそれが女であるように思えた

と言うのも幼い子供の声は

どちらか判別しにくい物だ

しかしその後言葉が続くことはない

一瞬にしてその二つの陰が消えたからに相違ないからだが・・


「それでどうするの」

私はそれに聞いた

普段からクールを装っているが

しかし全てに置いて要領が悪いせいで

運動、図工以外は全てが鰻登りの逆を迷走していた・・いや失踪か

とにかくそいつが珍しく興味を持って動いているのだ

それだけでも少しスクープネタとして使えるが

しかし今回追っているのは

それとは少しばかり訳が違う

消えた死体

そして殺人だ

果たして私が言うのも何だが

オカルトを主に扱う私が

その殺人というのは何処までも筋が違うのであるが

どうして食いついたかと言えば

それは消えたと言うところにある

まさか、神隠し

もしくは、何者かによる隠蔽工作

それも宇宙人の証拠を消すための

そう考えると

あの無駄に角張った狸オヤジの

あの不可解な言動も納得しかねない

それは全て宇宙人が地球人を苦しめるためにやっていたに相違ない

私は、決意を新たに

まばらにきたく者が居る校門の前にある玄関の人が邪魔にならない横に二人して立ったのである


二りして立ったはいいが

しかしやることと言うのがあまり起こらないと言うのもまた確か

「何かやる事あるか」

僕は隣ではないき荒く何やら決意したようにガッツポーズをしているコケシに言う

「・・・・・・あんた考えてないわけ」

「・・訳だ」

「訳だじゃないわよ・・・とりあえず何か探し迷しょう」

僕はそれに取りあえず頷くだけ頷いていつかえるかを考え始めた

死体がそのままあるのならいざ知らず

そこにあるのはいつもと変わりない玄関であり

そこまで来て対した興味もないことに気が付く

「あんた突っ立ってないで動きなさい」

そう言ってゴキブリのように

地面スレスレを小銭を探しているかのように

歩く奴にヤジを飛ばされた

もちろんコケシである

「・・はいはい」

僕は仕方なく色々と調べてみることにした

まず何からやるか

僕はそこら辺に一応に植えられている植木にはいっている木の根元を見てみる事にする

無いな

「・・・・・何もないぞー」

「あんた口より手を動かしなさい」

「・・・・・」

仕方がない

今度は血痕があるはずの地面を調べてみることにする

先ほどは犯人が何かしらの手がかりを植木に残したのではと思ったのだが

しかしどうやら人生というか世界はそこまで甘口ではないようだ

僕はそれならと今度は、灰色のコンクリートに目を這わした

もちろん女子にあらぬ疑いを抱かれないように

玄関口にきを配り

それが来た場合は速やかに

戦略的撤退をした

そして今はそれを実行して

泣く泣く日陰でお茶を飲んでいる訳ではあるが

「そこ何休んでるのー」

ついに怒り心頭のコケシが牙をはやし角をつきだしてこっちに暴言をかけ始めたので

「しかし、そこで地面を見ては僕としては人権に関わる」

と言う反論を言ってみる物の

「何言ってるの、事件の前では人権は無視されるの」

なる暴言をさらに浴びせてきたので

「ほう、なら君の家には入らせて貰おうか」

と言うナイスな切り返しを決行した

それは即ち

言うだけなら誰でも出来る

しかしだ、しかし、それを君は・・・・

「何、私と付き合いたいの」

角を生やした闘牛がとんでも無いことを言い始めた

「何処をどうしたらそんなことになるんだ・・・おまえと付き合ったら

いくら命があっても死んでしまう」

「何それどうゆう事」

まるで茹で蛸のようにさらなる怒りを乗っけて奴は僕を見た

「・・・とにかくそこらへんのじめんを一通り見たが血痕のような物は見なかったぞ・・それとモルミノールとかいうの君は持っているのか」

「・・・ルミノールねルミノール」

「そうそのルミノール何チャラの」

「・・・・・無いけど」

「・・・・それならどうしろと」

「探せばあるでしょ・・・・あったんなら」

「・・・いやしかしそれがないから」

「・・・・・・まあ良いわ・・それなら秘密兵器がある」

「・・・・良い予感が何が出るか分からないがしないのだが」

「じゃじゃじゃじゃん・ルーぺー」

「帰る」

何処からどう見ても理科室に装備されているそれを見て僕の足は良い口実を掴み取ったりと

足早に鞄を取りに戻ろうとするも

人間怪力と名高い新聞部部長「怪人春風」と名高いその握力に捕らえられた

「止めていただけませんか、腕が砕けます」

「・・・ここで腕が砕けるのと

社会的に二、三ヶ月不審な目で見られるのどっちがいや」

ここでもちろん腕を砕かれてしまった方が良いという考えもなきにして有らず

しかしこれは言ってみれば駆け引きだ

私の言うこと聞けないの

と言う彼女なりきの信用を確かめるもの

即ちそこら辺の人間に不審がられるのと

私の言うこと聞かないのと

どっちが・・・みたいなもので

本来なら低調にお断りをしたいところであるが

後々何をしてくれるか分からないので

ここは泣く泣くその備品とシッカリクッキリハッキリカッチリ書かれている彼女の手に二つあるうちの一つを取る

もちろん良い方は取らない

これは、レディー何とかではないが

しかし言わずも知らないと言う感じである

「さあ見つけなさい」

何で命令されているのか分からないが

しかし確かにもしなにかがあったならそれはそれで面白いことになってくる

先ほど仕入れた情報では

確かに校長は今学校にいないらしい

そして出張の予定もない

それこそ病気で入院もさもあるような話ではあるが

しかしここら辺の病院には入院していないらしい

こんな事のために三千円払うのは実にきが引けたが

しかし、たまには利用しておかないと

あの組織は裏切るには危ない

「スターカンパニー」

それは即ち

星埜 鈴鹿率いる情報や

別名「お釜カンパニー」

その情報量はさることながら

その非力であるはずのお釜というのは

だからこそ普段から人一倍結束力が強く

この学園の裏の左翼組織とも言える

そしてその幹部にいるのがあの鈴鹿である

しかしこれでも安いのだから本来ならどれくらいかと言いたいところであるが

しかしそれを言えば奴らの情報網は何処までの物なのか

大体今朝のあの話だって

この三千円相当の情報料を引き出すためのネタだったとも言えなくもないが

もしくは、その情報さえ実は特ダネ級のヤバく

そして高い物だったのを

僕のために安く卸したなんて言うのもまたさりなん

どちらにしても今の僕が出来ることは

右手に握られたルーペで地面を観察することしかないのである


私は今買い物をしていた

しかしかいたいものなど何もない

なぜならお金など払わずとも

すべてのものが私の前では無価値になり

それは即ちただなのだ

一言欲しいと言えば

それは、私の手の中にあり

一言入らないと言えば

それは私の前から消えてなくなる

この世に意味など無い

私の存在の意味さえも


僕はその時

何やら嫌な気配を感じていた

「やあ」

それは実に僕と同じくらい小さな身長であり

そして背丈だけではなく

容姿まで同じだ

「どうしたんだよ芒」

「何言ってるんだよ兄ちゃん、そんな妹に冷たいじゃないか」

こいつは俺の妹だ

しかしどうもおれと同じ血が通っているとは思えない

「何で、男装なんてするのお兄ちゃん・・ぷ」

笑うのを隠そうともせずに吹き出す

「お前こそ何でここにいるんだよ

ここは女人禁制だぞ」

「・・私男だもん」

「心は女だろ」

「なら見る」

「心の問題だ」

「・・・・・酷いなー・・・でも良いこと教えてあげようか」

良いわけがない

僕はすぐに耳をふさぐ

「・・・・・・・・・」

口を開けているが何を話しているのか分からない

「・・・・何で耳塞いじゃうの・・つまんないーー」

「何しに来た」

「別に兄の成長を見に」

「・・・もう良いから帰れ」

その時放送室の隣

「情報部()仮」の部員達に異常事態が起こった

「あんた達」

そいつ等は女装を脱ぎ始めたのだ

「何やってるの」

僕の声にだれも耳をかさない

「すいませんが僕止めます」

それは最近入った西藤君である

「どうして」

「・・・いや・・・やっぱり変かなって」

「そうだよねー」

「あんたは黙ってなさい芒」

「・・・・・・・・」

口をわざとらしく押さえて笑う芒

それを睨んで再度聞く

「でもずっと隠してきたんでしょ・・・ここなら」

「・・・・気持ち悪い」

「え」

「気持ち悪いんです・・・やっぱり」

「それは本心」

聞いてはいけないと知りながら聞いてしまう

それはそう言う意味じゃない

ただ

「はい・・・それじゃあ」

彼は出て行く

そしてそれに続くように

数人

「・・・・・」

「もう定員割れで廃部じゃない」

「あんたって子は」

私は片手で奴の口を挟むように

頬を閉めた

「・・・・・・・・」

奴はタコみたいな口を見て笑っている

涎が手に着く

しかし私は手をゆるめない

「ユルサナイ」

そして奴はその時を待っていたんだ

片方の手が塞げない状況

「・・・・づいvhsgふぃvdghをjh」

その時私は意識を失った


僕は目を覚ますとそこは白かった

何もかもが白くて

田舎の雪景色を思い浮かべたが

しかしここはそれとは別に暖かかった

「どこだ」

僕は声に出してみる

そして徐々に自分が何者で

そして昨夜何をしていたかを

思い出してきた

「そうだ、誰かに殴られて」

その時誰もいない病室の入り口があいて

その白しかない世界に

まるで敵意をむき出すような

真っ黒い服に

丸目がね()黒い

を付けた

まるでだるまのような大きさ&体型の何かがこちらに来た

「はいでは診察しますね・・・何か思い出したことは」

「昨日何者かに見張り中に殴られたんです・・僕はどうしてここにいるんですか、あの後」

「詰まりその何者かは見ていないんですね」

「ええ」

「本当に」

「何か知ってるんですか」

「さあ」

それはかわいげのない首の捻り方をして

僕の顔をのぞき込んだ

「そうですか・・・では良いでしょう」

そう言って彼は部屋から出て行った

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「先生目が覚めました」

「・・・・・・そうか」

「しかし一時は死んでしまったかと」

「滅多なことを言うな」

僕めの前で何やら騒いでいる二人を見ていた

先ほどあの黒い男が部屋を出て行ってから

僕の心を白い靄が包んで行った

それが果たして心かはわからない

しかしその風景は確実に白に塗りつぶされて行き

最後には全て無くなったと感じたとき

僕は別の世界で目を覚ました

そこで二人の人間がぺちゃくちゃと話しているのを耳にしているのである


「あいつ本当に何者なのです」

僕の隣に心配そうに横につくお釜がそんな事を言う

「・・・妹だけど」

「何処からどう見ても・・・」

「まあいいじゃない・・・それでどれくらい気を失っていたの」

「はい三時間ほど」

「そう・・・しかし、新入生を襲うなんてね」

「ええ、まだあいつら耳栓配っていませんでしたから」

その角刈り坊主のお釜はそう言うといよいよ部費の編成について話し始めた

「ところで今年はどうするの」

「と、言いますと」

「私が抜けてそれで此処続けていく気」

「・・・・・・」

「やらないの」

「あなたが居たから続けていた意味もあります

それにこれが続けられていたのは

情報という力を掴んでいたか等もありますから

あなたが居なくなってはどうも」

「・・・あなたでも無理よね」

「・・まあ、私もあなたと同じ三年ですから・・」

「留年しなさいよ」

「嫌です」

「そうよねー」

微妙に静かな時間が部室とは言えないようなせまい場所に充満する

去年誰かが置いていった、木彫りの熊が妙な威圧感を醸し出す

「でも、どうするんですか、来年」

「それはどういう意味」

「・・・いえまあ、一つしかないかと」

「何言ってるの、そんなのフィリピンに行くに決まっているじゃない」

「本当に行くんですか」

「本場を見ておかないとね」

「・・・・・・でも・・」

「もう良いじゃないそのはなしは」

「しかし、それじゃああの野良猫達どうするんですか」

「・・・それは」

「まさか保健所に」

「そんなこと」

「・・・・世話見るんですよね」

「・・・・あなた来年どこ行くのよ」

「私は普通に地元の大学を」

「・・・近くなの」

「寮に泊まります」

「・・・・」

彼らのほとんどの資金は

全て野良猫達のよって削られていた

そのほとんどが捨てられていたりする

保健所送りの物を

かっさらって確保していたものであるが

どうやらそれももう限界のようである

「こうなったら、お鍋会に」

「・・・・あんたそれ本気で言っているの」

「・・・しかし・・・内は」

お鍋会

それはスターカンパニーと対成す存在であり

そしてまた犬猿の仲でもある

珍しく

これは宝塚の影響があるのか無いのか

男子にモテない女子が

自暴自棄をもてはやしてふてくされて

それを見た女子生徒から熱烈な視線を獲得

その結果

女が駄目なら男路線と言うのが創立のきっかけだと言う

しかしそれは

裏世界の更に裏に根深く根付き

逆に言えばここ二、三年で出来た

スターカンパニーは裏の表とも言えるべき存在であった

どちらにしても

なぜか相容れないものであり

そのもっともたる原因に火種を更に付けたのが

この二人の双子とも言えた

「でも、あっちなら財力だってあるし」

「しかし、お釜にとってここは唯一心を休める踊り場

それを無くすことがどれだけ」

「・・どうせ社会に出ればそんな場所はなくなるわ

それなら、あの小さい命を」

「・・・そんな中途半端な思いで受けるからいけないんですよ

可哀想なのはあなたではなくあの子達です」

「・・・・・・私は行くわ」

「勝手に行って下さい・・・・骨だけは拾いますから」

「・・・・・うん」

かくして私は最後のケジメを付けに

地下一回に位置する

裏の裏

お鍋会に単身一人の乗り込こもうとしていたのである


「見つかりました」

僕は未だに必死扱いて探しているコケシ頭に聞く

あれから「キャー変態」「先生に言いつけるわよ」「バーカ」「そんな人だったなんて」「うふふふふ」「・・・・・・・・()冷たい目線」

等々を受けて

それでも頑張ったというのに

その成果は出ず

もう下校時刻まで後数分に迫っていた

「・・・・・・」

僕は、端から見てあれの電池が切れかかっているのを確信した

それは長年一緒にいなくてもわかる

奴の頭から水蒸気が噴出している

爆発寸前だ

というのは冗談であるが

しかし現に感情という物が奴の画面、表面、顔面、面からきれいに消えている

これは即ち余裕がないのだ

普段押さえている

そんな負の感情が

外に漏れ出そうとしている

僕は

「どうだ、アイス奢ろうか」

と、自分でも驚く太っ腹を見せるが

「・・・・・」

無言で首を振る

おかっぱ頭が僅かに揺れた

不味い、普段はうるさい物が

急に静かになると萌えるなんて物は無いにしても

しかしこれは不味い

実に不味いまるで大地震の予兆のように

その顔から波ではなく表情が刻一刻と

ものすごい勢いで消えている

これはとんでも無い弊害がでる

普段粘りのない取材をしているのだろうか

・・・果たして実に謎だ

「・・・・玄さん・・・そろそろ帰りませんか」

これはどう考えても逆効果なきがしたが

「そうだね」

真顔で、しかも笑顔を向けられた

まずい、これは実に不味い

・・・・・なんなんだ

一体なんだと言うのだ

普通のかわいい女子生徒になればなるほど

その怒りが増しているような

・・・・・・何なんだ

僕は一人で帰ろうかと思う反面

「そうだね」と言っておきながら

一向にその探索を止めようとしない

額からは汗がにじみ

その地面に黒いシミを落とす

「・・・・・・・」

僕はただそれを見ていた

帰るわけには行かないから

ただそれを見ながら

あるとは思えない地面を見ていた

まるで駄菓子屋の前で

玩具やの前で

動かなくなった子供を見ているように

・・・・・そう言えばこの話・・・・信憑性はたぶんあるだろう

あの星埜が話したんだ

信用だけは裏切らない星埜だ

・・・・・しかしこっちにはルーペだけ

・・・見つかるものではないのでは

と言うか赤いだけではどうすればそれが見分けられるかわからない

しかしそれこそ自分の無力さが嫌で

意地になっているとも十二分に十三分だった

とにかく僕は付き合うかと

地面を見るのである


「あんた何やってるの」

私はその時たまたまとろうとした

右手を何者かに捕まれた

「・・・・・」

私は林檎を放すこともなく

そちらに振り返る

そこには緑のバンダナを巻いた

地味なおばさんが居た

「・・・・・・」

「止めなさい」

「・・・・・・誰だ」

「・・・この店の物だけど・・・そう言うのは駄目でしょ」

それはそう言って私を見た

「・・・黙れ」

私はそれにそう言った

その掠れるような

それで居てどこか響く声

「・・・はあ・・何言ってるの」

「・・・いやだから・・・きかないだと」

「何言ってるの」

「・・・・早くそれ置きなさい」

「・・いやよ」

「いやじゃなくて」

私はもう一度言う

「放しなさい」

「・・・・・あんた逮捕されたいの」

「何で聞かないんだよ」私はその腕を振りきり走り出す

周りの人間が私を見た

しかし私はその中を

「どけーー」と叫びながら走る

それは皆分かれるように退く

「なっなんなの」

後ろでそんな声が聞こえるが

私はそれを無視して言う

「さがれ」

しかしそれは近づいてきた

「あんた無にやってるの」

「・・・知らないわよ」

「・・あんたがやったんでしょ」

私は誰も動かない中動いている奴を睨んだ


私はその日凄く疲れていた

何が疲れていたと言えば

マッドなサイエンティスト

が、妙な生き物を作り出したせいで

それを地下に埋めるために酷い骨を折らされてしまった

そのせいで最近ろくに寝ていない

しかし問題のはそこでもあるが

しかし今目の前に

誰も気にすることなく

堂々と果物売場の

林檎の山から

一つ林檎をポッケットに入れそうな人間に目が行っていた

それは何となくずーーとここで働いていたら気が付くことだ

しかしそれは驚くことに

何処に隠すことなく

そしてもちろんレジに向かうことなく

そのまま出口にいこうとしていた

何でこんな物見てしまったのだろう

私はしかし

しかし

私はそれに腕を伸ばした

そして掴んだ腕を掴む

「なにやってるの」


「ねえそろそろ帰らない」

僕は何処から出してきたのか

それとも常時常備しているのか

僕にまで懐中電灯を渡して

暗闇の中

それを探していた

「効率悪いんじゃない」

「分かってるわよ」

さっき大声で弾けたせいか

どうやらくちょうが乱暴化していた

「・・・夜更かしは・・・」

「うるさいーーー」

「・・・・・・・」

「ごめん」

「・・・いやそこでごめんというなら帰らせていただきたいことについて」

「そう言えばあの女何処行ったの」

「・・・もう帰っただろ・・・まさか僕をねらっているのか」

「・・・・・・・・・」

「そう睨まずに」

「・・・あんたそう言えば何であんな本読んでいたのさ」

「・・ああ」


「ねえお兄ちゃん」

私は毎日寝ころんで本ばかり読んでいる物体にそう読んだ

正直呼ぶだけでその体力は無駄に終わるような気がするが

しかしそれは呼ばずには居られないのだ

「どうしてそこで読むのよ」

「・・・・良いだろここが良いのだから」

「・・・ぜんぜん良くない・・邪魔」

「・・・・・・・・・」

それついに断固拒否する意味なのか

むんぞりかえる要にいびきをかいてまで退かないとやり始めていた

「・・・・・・・・・それじゃあ一緒にテレビみていいんだね」

「ダメだ」

「だったらどうしろと」

「テレビやのてんとうでもやっているではないか、しかもよりどりみどり」

「・・・何時の話をしてるのよ・・・・なら退いてよ」

「退く説明になってはいない」

「・・・・・・・・・・・・」

「どうした」

「・・・・・テレビつけていいんだね」

「・・・ふざけているんですか」

「だって、本読むときうるさいって」

「だから部屋全体の権利はここに座った物にあるとこの前決めたところではないか」

「付きめたのよそんなの」

「・・・いま」

「おい」

私はそれをにらみつけた

「・フフフフフッ」

「どうした、生まれたときから猿みたいな顔してると思ったら

実は宇宙人だったか」

「誰が宇宙人じゃ」

「・・・少なくとも美しい人は「じゃ」など言わないだろ」

「どんな偏見だ、そして美しいは関係ないし、きっと美しくても言うだろう」

「・・・・・」

「そして好きになればそれもまたしかり」

「何が臭いことを・・・早く出て行け」

「・・そんな事を言って良いのかな」

「・・・なんだ、どういうことなんだ」

それは反撃にでるには十分過ぎる物だ

「これが目に入らずか」と言う感じで

私は背中に隠し持っていた

絶版・日本世界奇怪死千年桜

「何、まさかそれは、」

それは目を点にしてそれを見ていた

「なっなぜそれを」

「ふふふふふ、これでこの席を一ヶ月私の物にしていただこう」

「一週間だ」

「一週間で良いのだな」

「なに、ぬかったか」

「・・ではでは」

かくして私はオークションで三百円で落札したものと引き替えに

一週間の娯楽を手に入れたのであった


「どうしたの」

私はさっきから何か考えている木偶の坊を見た

「いやなんでもない」

しかしここまで探しても見つからないと・・・・・・・・とことんやりたくなるとこが私の悪い癖であろう

「お前こそ一人何言ってるんだ」

「いやなんでもないけど」

「・・・・もう帰らないか」

奴は一間置いてそんなことを言う

「やだもん」

「子供か」

「まだ子供です」

「はぁあーーあ」

奴は大げさに疲れたように頭を抱えてうつむく

「どうしたら帰るんだ」

「・・・・・・何か見つけたら」

「しかし・・・・・・ちょっと待てよ」

「何よ」

「あいつが言ったのは本当に昨日だったのか」

「・・・何、あいつがタイムトラベラーとでも」

「いや、正夢なんて言う物が・・」

「ない、ぜぇーーーーーったいない」

「・・・オカルト新聞記者が聞いてあきれて泣けるねーえ」

「・・・・・・そんな信憑性がないもん」

「・・・・あいつの成績が良いのは何でだと思う」

「・・・・・・・まさか正夢のせいだと」

「それは単純にあいつが頭がいいせいもあるが・・しかしだ、

あいつは昔から物事の先を読んでいただろ」

「・・・そう言えば、天気予報で必ず雨だと言うときに

カッパ一つ持ってこなかったときあったっけ」

「・・それは単純に、雨に濡れたかったからだそうだが」

「・・・・それじゃあ、先生が居ないときだけ学校に来ていたのも」

「・・・・・・・さあ」

「それじゃあどこが」

「・・・・あいつは今まで一度も喧嘩をしたことがない

それがどうしてだか分かるか」

「・・・気弱だからじゃ」

「あいつは喧嘩にならないようにしている

そしてそれは喧嘩が起きないように強く願ったからそう言う能力を得たんだ」

「・・・あんた正気」

「・・・いや、単純にそう言うこともあると言うことだ」

「無いでしょ」

「いやある、俺はあいつと喧嘩したことがない一度しか」

「してるんじゃない」

「してるから分かるのだ・・・そしてあの日以来それはない」

「・・・・・・・・・・・で」

「でだ、校長は今学校にいない

最初それは体が悪いのかと思った

そして、校長自体が何らかの事件に関わってしまったと

あいつの話を来ていよいよそれを調べ始めた

しかし逆だったのだ

これは全て今から起こる」

「・・・嘘でしょ」

私はルーペを落としたせいで弁償しなくては、と思いながらやっぱり良いやと思う反面

はぁー

ため息を付いたのである


「大丈夫かよ」

そんなことを考えながら僕は地下を歩いていた

ここは先生さえを立ち入る事のない

地下の魔洞である

全く持って一度はいれば二度と出てこれないなんて誰が言ったのか

そう思う反面

それが嘘ではないのを知っている

だからこそ思うのだ

どうしてその噂が外に漏れているのかと

私はまた一歩

また一歩とその奥に進んだ

光のささない地下は

常時天井に吊されている明かりがつく

しかし今は深夜なので

その明かりさえ、夜用のほとんど見えないようなものとなっていた

・・・・・

僅かに足音が響く

しかし逃げ道のないその場所では

その音が壁やらに反響して

いやに大きく聞こえる

私はその一番奥に位置する木の扉を叩く

しかし端から見れば木だが

しかしその音は響かない

噂では中に鉄板が仕込んであるというのは本当だろうか

「はいどうぞ」

それは中から聞こえてきた

私はその中にはいる

「失礼します」

そこは外とは一変

まるで高級な城かどこかに来てしまったのではないかという感じで

床には豪華な赤く複雑な模様のかかれた絨毯

天井からは小振りだがしかし馬鹿高そうなシャンデリア

そしてその周りに置かれた丁重な小物達

・・・あの瓶に入っている茶色い液体はまさか「酒」だろうか

ここまで横暴をすると

逆に嗜みか何かに感じてしまう

恐ろしき乙女男子

「ところで今夜は何かな」

彼は・・・いや彼女であるが

彼はそう言って私にイスに座ったまま横暴な態度でそう言った

しかしそれがあまりに板についているため

どうも起こるというよりかは

「ほーー」と思ってしまった

そのどこまでもハンサムという言葉が似合いそうな女子高校生は

私を見るで無しに見る

「実はお願いがありまして」

「お願い」

奴は軽く首を傾げながらそんなことを言った

「実は」

「いいだろう受けよう」

「良いんですか」

「悪いね、あの場所は昔から我々が占拠していた場所でね

その中で話していたことなんぞ、筒抜けなんだよ」

「・・・・・・・そうですか・・ではお願いできると」

「ああ・早く潰れてくれたらな」

「・・・・それでは」

「ちょっと待ちなさい」

「なんでしょう」

私は怒りを押さえながら振り向いた

どうせそな事だろうとは思っていた

しかし盗聴器という

我々でさえ軍事的にどうしようかと迷っていた物を

金に物を言わせて・・・

「君はなぜ内にはいらない」

「・・・私は女ですから」

「・・しかしだ」

そう言って僕のが意見をジロリと見た

「それは男子生徒の制服ではないか」

「それを言うなら、何で弟はそちらにはいっているのですか」

「あれは女子ではなく男子だろ」

「・・・ではなぜ女性の服装を・・・同じ事ですよ」

「・・・しかし残念だ・・・君がいれば・・・」

「失礼します」

「・・・・・・待っているぞ」

「・・・止めてくださいそう言う伏線」

「・・・こういう物は張りつめておくと良いと言うが」

「・・・・・・・・・一つ言わせてもらうなら・・あなた来週死にますよ」

「・・・・・犯行予告か」

その言葉を聞いたとたん

どこから出てきたのか数人の部下が彼の周りに集まる

「・・・・いえ・・・失礼します」

私は部屋を後にした

・・・彼は来週水に溺れて死ぬ


「何であなたとはないなんてしなければいけないの」

「・・・それを言うなら私をおばさんというのを止めていただきたいわね

大体あなたを止めなかったら警察に」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うるさい」

「・・・あんた何歳なの」

「何歳に見える」

「・・・・21、2くらい」

「意味が分からない」

「あなたの方が意味分からないわよ」

「でもそれじゃあ、あなたは何で効かないの」

「何の話」

「・・・だから・・・・・・しゃべるな」

「・・・っあ・・あのみんなどいたやつね・・あなた能力者って奴・・あの催眠術とか言う・・それって簡単に出来るものなの」

「・・・・・しゃべるな」

「・・・・・っあ・・それも・・」

「違う」

「違うの」

「・・・・お前は何でかからないんだ」

「・・・まあ、馬鹿だからかな」

「馬鹿」

「そう・・・こう見えても、昔は会社に勤めていたんだけど

・・・・ある時に・・妙な物にであってしまったの」

「・・・・・」

「マッドサイエンティスト・・知ってる」

「・・・ふざけている」

「ふざけてないよ・・私の国ではむかしはごろごろ居たんだけど

時代の流れでね

それが居たのよ」

「・・・・・・・それで」

「・・・・何かの時にね・・・壊されちゃったの」

「何を」

「・・・私を」



「あんた達まだ探してたの」

「・・・お前はいつも言葉が足りない」

「・・・・気が付いた」

「・・・・・・普通ともだちには避けてもらうべきだろ」

「だって未来の旦那さんには守って貰いたかったんだもんーん」

「・・・なまじ嘘に聞こえないからいやだ」

「何テレカクシー」

「あんた達何やってるの」

「あら、あんたまだのこってたの」

「残ってて悪い」

「・・ふふふ・・良いいのかしら、このあとあんなことやこ・・」

「無いから・・・しかし、それは本当に校長だったのか」

「うん、そうだったぞ」

「・・・・・本当に」

「疑り深いな峻 幣は」

「・・・・・・お前が怪しすぎるのだ」

「ミ・ス・テ・リ・ア・ス・」

「何がミステリアスだ・・・お前の場合は・・」

「・・・・あれ何」

その時コケシがそう言った


「・・・それふざけてる」

「・・・どうしてそう思うの」

「だってあり得ないでしょ」

「・・あり得ないなんて事はあり得ない・・・誰かが言っていたけど」

「誰よ」

「色々じゃない・・・何か聞いたことがある」

「・・でもマッドサイエンティストに改造されたなんて」

「・・さあ・・私もそこら変がよく分からなかったりしたりするのよ」

「・・・・・・・・」

「でもまあ、そう考えると、あなたそのそ催眠術もまたあり得る気がするんじゃないの」

「これは・・」

「何」

「これは・・・・催眠術なんかじゃなくて・・っ」

その時それは消えていた

一体どこに行ったのかは分からない

しかし・・・私は確かに見た

・・・・いや聞いたと言うべきか

「シネ」と言う言葉を

果たしてその瞬間周りを見たがそこにはなにも居なかった果たしてあれは

空耳だろうか

私は彼女をもう一度捜したが結局見つからなかった



「それで何時だったの」

「分からない」

「・・・・・・・」

「だって時計写らなかったんだもの」

「あんたはどうやってそれ見るの」

「寝ているとき夢に」

「何で今まで話してくれなかったの」

「だって・・・私で金儲けをするかもしれないじゃない・・・大体、玄

毎日のように事件聞きにきそうだもん」

「・・・まあ当たらずにとうからず」

「・・・まあまとうや・・・・しかし・・何でお前こんな時間にここにるんだ」

「・・いやちょっと野暮用で」

「そうか・・・・しかし、しかしだ・・・校長は今までどこに行っていたと思う」

「そこでこの問題」

「当たり前だろ・・・・家にもいない、病院にもいない

それならどこか」

「・・・・・お鍋会じゃないの」

「どうしてだコケシ」

「・・・・・・誰がコケシだ」

「どうしてだ」

「・・謝れ」

「・・・・どうしてだ」

「・・・・・・まあ良い・・・しかし校長が学校に残るとしたらそんな理由だろ」

「・・・まあ、大の宝塚ファンだからな

大体あそこの顧問だしそれもさもありなんだが

しかし誰にも言っていないというのが気になるではないか」

「・・・・いや待て・・」

「どうした星埜」

「・・・・もしかしたら内の部にいたかもしれない」

「・・・まあ、お前の部は目の敵にされているからな・・・しかしあの巨体をお前は見つけられなかったのか・・・お前の部狭いだろ」

「・・・・壁薄いし・・そう考えると隣の空き部屋から」

「隣・・・・確か放送室だっけ・・・でもあそこ防音何じゃないの」

「・・・いや逆だろ」

「・・・ああ、物置」

「でも何でそう思うんだ」

「・・・いや部の最重要機密が握られていた」

「・・・・・そんなものあるのか」

「ある」

その威圧的な重々しい口調に

二人は黙る

「それで何なんだ」

「・・・・・言うわけがないじゃん」

「そこ教えてよコケシ」

「鈴鹿です」

「・・・教えてよ鈴鹿ちゃん」

「君です」

「君」

「・・・・・・・猫を保護してるの」

「まさか・・・・声はしても姿が見えない呪われた猫って・・あんたの仕業だったの」

「・・まあ」

「・・・そんな事あるのか」

「あんた知らないの・・・三年ほど前から・・・誰もいない廊下で猫の声が聞こえるって」

「・・へぇーーーお前っぽいがガセネタただろ」

「ちがいますー」

「しかし校長が見張っていたとなると・・・結局誰が殺したんだ」

「・・・・・さあ」

「・・・・お前はどうだコケシ」

「・・・誰が恨みがあるかでしょ」

「・・・誰」と僕

「そんなの色々あるでしょ・・・少なくともこの高校で恨んでいないのは

お鍋会以外の連中でしょうね・・教師も含めて」

「・・・・お前の情報網でも無理か」

「・・・・・・さすがに全員からは」

ゴーン ゴーン ゴーン

「何回鳴った」

「12と言うことは・・・もう12時か」とコケシが良いながら腕時計を見るC-ショックと言う海でも使える品種だった

「・・・っあ」

「どうした星埜」僕はいきなり叫んだ星埜に目を向けた

「・・・そう言えば時計」

「時計・・」

二人してそれを見た

「時計が鳴っていた」

確かにその時計は夜だと近所迷惑にならないように音が出来るだけ響かない使用になっていた

「この音が鳴っていた・・・音違うから分からなかったけど」

「と言うことは」

「もしかしたら」

その時いきなり玄関が開いた

そしてそこにはあの太った女校長が後ろ向きにこちらにまるで逃げるように歩いていた

「ちょっと待って後ろに誰か居る」

それは校長からしては前だが

しかし、その巨体のせいでそれが誰かは分からない

「・・・・早く助けないと」

コケシがそう言いながらもカメラを構える

だめな奴だ

僕はそれを横目に走っていた

「駄目」

星埜がそう言っていた気がした

しかし僕としてはなぜはしっているのかは知らないが

しかし進まずには居られなかった


「結局私が見たのは斉藤さんでした

彼女は部の廃部を取り消すようにいった

しかし、それは叶わなかった」

私はその光景を見ながらそんなことを思った

それは確か星埜の同期で確か斉藤という男・・いや女だった

それはいきなりその校長めがけてはしった

しかしそれよりも早く

その男

即ち幣がその前に立ちふさがるどころか

校長に体当たりをかまそうとした

しかしそうなると明らかに斉藤のナイフがその男の腹に刺さるのは

必須に思える

「だめーー」

星埜が叫んだ

その時

明らかにおかしなことが起こった

校長が爆発したのだ

それこそ木っ端みじんに

しかしそれは異常であるが

それ以前に

その現象が起こる前に

「バクハシロ」そんな声が聞こえた

それが果たしてどこから聞こえたのか私には分からない

しかし

しかしだ

あの男はすっころび

そして斉藤も勢い余って転けた

幸いナイフは地面にたたきつけられた


「居るんでしょ」

私は周りを見た

そこには、不吉に長い男が黒い服を着て立っていた

「・・・・ナンデミエル」

「・・・・・・どういうこと」

「しかし問題はその男の後ろに弟がいたことにある」

「あんたどうしてそこにいるの」

「分かってるんじゃないの・・・」

「・・・あんたがあれをしたの」

「違うよ、彼だよ」

「どうして」

「どうして、お兄ちゃんはあれが消えろと思っただろ」

「いいえ」

「それなら何であの男を守った」

「・・・・私は何もしていない」

「したでしょ」

「あなた達は何がしたいの」

「何も」

「何も・・・」

「そこの男・・弟をどうしようと」

「消えろ・」

「・・・・・・・・」

「内のお兄ちゃんは消えませんよ」

「ナゼダ」

「・・・・言葉使いですから」

「・・・・カタリベか」

「・・言葉使いです」

「・・・なぜ今日は俺を呼んだ」

「・・・・・別に」

「あなたたちひとを殺して何でそんなこと言ってるの」

「あれは死んではいない・・形を失っただけ

生きていようが変わらない」

「そんなわけ」

「魂はどこにある」

「・・・そう言う問題じゃ」

「機械と人間の差は」

「・・・・・・あなたは悪いことを」

「・・・善悪など無い」

「・・・・・・あなた達は何をしようとしているの」

「何も、ただヒーローをしている」

「ひいろう」

「お姉ちゃんは何でその力をつかわないの」

「誰も使わないからに決まってるんじゃない

大体この能力が今に消えたら・・・それこそ何もできない人間に」

「だからあんなに勉強するんだ」

「・・・あんたいまにいたいめ見るわよ」

「お姉ちゃんはあれが死んだと思ってるの」

「・・・違うの」

「・・・人間的に言う死など

それは取るに足らない表現ほら」

そこには

弟が顎でしゃくったそこには

さっきのままの校長がいた




夜の町を一人の少女があるいていた

しかし彼女以外なぜか誰も外を歩いてはいない

どう言うことなのだろう

その少女は一見の家の前に立つ

そこで僕は彼女の顔がドクロな事に気が付いたのだった

どうやら世界を間違えてしまったようだ

僕は急いで扉を開こうとしたが

ふと肩を握られているような気がして振り返ると

そこには無数の赤いフードをかぶったドクロが僕を捕まえようとしていた



ゆっくりと落ちる雨を眺めている蝦蟇蛙を

いまくってやろうかと

一匹の狐が虎視眈々と狙っている

その狐を先ほどから狙う漁師

その漁師を今中まで襲いかかろうとしている狼

どこまでも時間は続き

そしてその時間を誰かが食う

そしてその時間を有した物は

その時間を早々と終わらす自信を得て

結果的には変わらずいきる

どちらにしても生きる

生きることには生きる意味など無いが

無いならないでそれもまた一興なのかもしれない


所で旦那、何をいたしましょう

その男はそういうと

猫みたいな丸まった顔の小柄な男が

その体を着物の中に沈めて

こちらを細い目で見た

「やめておくよ」

僕はその男がどうも魔の物に見えて

この買い物を止めようかと思っていた

しかし男はそうは行かないとその手で必死に胡麻をするが

相当慣れているのか

どうも粘っこく

かなりすっているように思えた

「しかしお前の所の物は面白くない」

僕は突っぱねる思いでひどいことを言ってみたが

しかし相手も相当慣れていると見えて

それに怒るどころか顔色一つ変えず

「それではこんな物など、どうでしょう」

そういってどこに隠しているのか店の奥に引っ込んで

戻ってくると小さな木の箱をもってきた





夜の中に、私は一人立ち止まっている

しかしどうもおかしな事が世の中にはある

かと言っても

だからと言っても

なにがどうしてどれがこうして

なにもこうをそうさないが

無いからと言っても、どうしてこうなるとは、誰も知らないのであるからにしても、どうしてこうしてこうなるのだろうか、だからと言っても私は自分を無くしてしまった、無くしたのは良いけれど、どうもこうもどうもこうも、こうもどうもどうしていいのか、いいのか悪いのか、悪くはないのか悪いのか、やはり悪いからにして悪いわけでありまして、悪悪悪悪悪悪悪悪悪+引くかける投げる÷引く+刺すすをかけける殴る罰するるるるるるるる、だからどうしてここのかとうかとうじんぼうじんがいこつつじつまマスクメロンが付いたので終わりにしたいで、だからどうしてこうしてこうなるどうなるるるるるるるるるる、類人げん、げんこつ、骨盤、ばばばばばばいきんしょうきょりをとりながらながれ作業を、誰とも知れない、知れないような、知れたような、知らないような、なにも分からず、ずるがしこく口だけ、けだらけ、けもけももけけ、けじるりらりるりりりりりりんごりらっぱんつききるきるるりるらりるれろららりるれろらろろばいきんまんとひひひひひ


佐藤知洋は、一人難事件を前に、砂糖掛けのトーストを、むさぼっていた

むさぼることに対して、何か起こっているかと言えば、何も起こっていないのであるが、有る無しに対して、何もないのであるからにして、どうもこうも、どうしようもなく、どうもなにもないくらい、何もないようなものであるからにして、なにもないわけで、だからどうもこれは悲しい、悲しいからと言って悲しいわけではない、わけもなくだれもなくくずのようにばかのようにしずかしくないようなものばかりりをとらずしずかにしな


隠し立てしたかくれんぼ


墓穴を掘り続けた物は悲しく


昔の積み木を壊し


死をジロリと見つめる


見つめたところで、見つめないところで、見た見ない


みないみたことばのなししなにぬねのなのかばばばばば


じるじらりりりりんごらっぱいん


悲しいような、悲しみを、悲しさの中で


わすれわすられわずらいわすれわからずわわわとさけびながら


みながらみずしてみなかったことにして


みたことっわすれれれれとさえけび


びっとくればばっととばししっとしずかににげましょう


らりるれろろろ


まみみみをさがしししをしらずずずずときにしない


よくみるるいじんげんを


よく見ないラーメン屋に捨てる


数をみず


水を飲み


見なかったことにしない


見たことがないから


忘れない


忘れたことがないから忘れたという感覚を知らぬ


きみわたしおれれれれ


なにもないかならずずいずじずんずんころばしばしに


場所代払わし知らずに金儲け


けちにけちらししらないあなたへころばすすじをみつからずいずい


悲しく金縛り


まけおしみをまけずにしらずににげるわたくししらずしらず


ゆえにゆえにゆえにゆえをゆえではないかららららららりるれろろろろろ


かみかむかめめ


夜、僕は自転車で夜道を漕いでした、背中には、一眼レフが入っており、久しぶりに写真でも撮ろうと、運動をかねて、走っているのだ

家からしばらくすると、街を一望できる公園に着いた

この田舎と町の中間の中途半端な場所であるが、一応、川山が、一緒にとれる場所があり、風景的には、まあまあなのだろう

僕は、道に自転車を止める、小高い坂道のさらに、高くなっているところに、小学校があり、まだ、スポーツでもしているようで、体育館がいように明るいが、離れたこの場所からは、遠くでオレンジ色の光が見えるにすぎない、遠くで、国道の上を走る車が、点滅し、街の中心は、点々とした明かりが集まり、試しに撮った一枚が、他の場所に比べ、空まで明るく写している、そんなこんなで、まあまあとると、僕は日頃の疲れか、カメラを抱きしめながら、芝生に横たわった、すると、視点は、前から後ろに傾き、暗がりが見える、そのどこかに自転車があるんだろうが、めがねを、探すももってこれなかった僕は、ぼんやりとしてあまり見えない、良くこらすと、白い何かが見える、何となくレンズを向ける、そうするとめがねが無くても、はっきりと見ることが出来る、しかし、それは自転車でも看板でもなかった、顔であった、白い、それは、いつの間にかすごいスピードで近くにいた・・・・

目を覚ますと僕は、病院にいた

目を覚ましたことに気が付いた、看護婦があわただしく、先生を呼んできた

その間に、僕は妙な感覚に襲われた、足が痛いのであるが、その足が痛い部分が、布団の上から確認できないのである、そこだけ、太股からないように盛り上がっていない

先生が来たのがそれからすぐであり、公園で、足を失って倒れているのを

次の朝、発見されたそうだ

結局あれが何なのか分からないし、未だに足も発見されていない

そう言えば、なぜか自転車も未だに発見されてはいない


カメラ


私は、写真が嫌いだ

あれを撮ると必ず、少女がその写真の中に入っているのだ

しかも見たこともないのである

だから、私はその怖い思いをしたくなくて

写真を撮る行事はできるだけ避け

どうして物場合は、出るだけ出て

写真撮影となると、急いでトイレやどこかへ避難した

しかしながらこれの一番やっかいなことは

私にしかその写真の少女は見えていないと言うことだ

物心が付いたとき

わたしは、母にその女の子がどの写真にも写っているのを発見して

騒いだことがあった

其れもまるで、大発明をしたようなのりであったが

母は、そんな私のはしゃぎようとは別に

酷く心配そうに私を見て

ついには、あまり良い記憶のない

病院まで連れて行ったが

私に異常が見つかることはない

其れで結局私は口をつぐみ

そのことは、私の中でとぐろを巻いたように

居続けるのである

学校は良かった

まだ、理由が付けられた

しかし、社会では、理由など合ってもないようなもの

特にこんな話では、どうにもならない

幸いか、会社ではそのようなことは

殆ど気がつくものも居なかったし

大体、居ても騒ぐような大人は少ない

でも、恋愛は違う

私は今そのことをはなせずにいた

だから、彼の写真はあっても、私自身の物は

一枚もない

ある晩、私たちは少し高めのフランス料理屋にいた

其れは高級品などは出なかったが

味は其れには劣らない物があると噂であり

肩に力をあまり入れなくてもいいような

アットホームよりな

ごちゃごちゃと整頓されているような店内であった

「美味しかったね」

彼は言う

私が雑誌の取材で、訪ねたときに前から来たいと思っていたので

ちょうど良かった

「うん」

私たちは並んで歩く

もう夜の九時で、辺りはだいぶ冷え込み

みな、コートを羽織っている

「実は、話があるんだ」

彼は言った

ふと星が見たくて空を見上げたが

曇りで見えない

私はそのまま彼の方を向いた

「何」

「家に来てくれないか」

今まで一度も誘われたことはない

どういう風の吹き回しだろうか

もしかすると結婚もすることもなく

ただ、年老いていくのではと

心配したほどだった

でも、今日はどうなのか

エレベーターが、静かに、あがる

私は彼を見るが

どうもそわそわしているように見えなくもない

ただ無表情ではないが

余りなかみが見えないような人だ

それでもそう思うのは

十年以来の知り合いだからか

部屋にはいると

エアコンをつけて

ソファーに案内された

彼は私が座るのを待って

向かい側のいすに座って

手を膝の上でくんだ

まるで祈りをしているように見えるが

何かを悩んでいるのだろう

「」

時間ばかり過ぎる

エアコンの音が部屋の中で唯一聞こえる音だ

「ぼくはきみがすきではないんだ」

彼は顔を上げると

そう言った

「でも、ぼくは君から離れられない」

何を言っているのだろう

・・・よく分からない

でも、離れられないって

「君は、こんな女の子を知っているかい」

彼は、胸元からクリアファイルを出すと

中から一枚の紙を置いた

「・・っ」

其れを見たとき私は床が消えたのかと思うほど

驚くというか

感覚が鈍る其れはあの写真に写る少女だった

「彼女綺麗だろ」

男は言う

「僕もはじめは、信じられなかった

でもいつの間にか、僕は彼女のことが・・・

なあ、どうすればいい」

私は何か警告を頭の中でならしている気がする

彼が立ち上がった

いつの間にか

その手には、ながいものが握られていた

包丁だ

私がそう思ったとき

彼がこちらを見た

「もうやだ、君と一緒にいる彼女のために

どうして僕は君と一緒にいなくちゃいけないんだ

僕は彼女が、彼女が

もうがまんができないんだ

君が居なくなれば

君から離れるだろう

そしたら僕はあの世で、彼女と」

そのとき私は、何かが前を歩くのを見た

其れは後ろ姿で

そして其れを見たことがある

しかし、実際に見たのは

これが始めてであった

それは、彼に近寄る

彼は見えていないらしい

その小さな腕が

彼の首を絞める

首から上の色が変わる

しかし私は、動けない

自分の意志か

金縛りという奴なのか

単なる腰が抜けたのか

ふと目眩がして

そのまま気を失った

翌日私の元へ警察がきた

なんでも、彼が橋の上から飛び降りたとか

其れには目撃者もいるらしい

でもおかしな事に、死亡推定時刻が

死んだ時間よりも前だというのだ

見解としては、別人なのか

それとも、飛び降りた彼が流れ着いた場所が

工場の暖かい廃棄水が流れる場所だったせいなのか

結局に三日事情聴取を、取られた後

彼らが、来ることは二度と無かった

それでも、今でも写真を撮ると写る彼女は

一体、何なのでしょうか


カメラ少女



物事を考えながらある男が山を登っていた

お月さんが丁度男の真上を過ぎ

男は流れる雲を眺めながら

今日は満月だなと

しみじみとそう思った

なぜ男がこんな暗い中、山に登っているかというと

男はその日、願をかけにきたのだ

その山の頂上には

「ガンガラ」と言う社がある

しかしそれは何を奉っているのか男も知らないが

しかし地元のもっぱらの噂では

それは投身自殺をした物の供養塔だと言われていた

と言うのも

その塔のほど近く

絶壁の崖があり

毎年かならずと言っていいほど

そこで自殺をする者が出るからだ

しかし中にはそれは違うという者もあり

男はそちら側の人間であり

「よしそれならちょっくら迷信を破る意味も兼ねて

夜に願掛けに行ってくるわ」と

夜の山へと立ち入ったのである

もしこれであれが自殺の亡霊を沈める何かであれば

もしかしたら自分自身、死んでしまうかもしれない

男はそう思いながらも進む

山道というのは

昼間でさえ

下手をすると転ぶような場所であったが

比較的雲のない

そして満月だったおかげで

男はあまり転ぶこともなく

その山を歩く

しかし時折藪の中で物音がしたり

フクロウや鳥の鳴き声に

さすがの男も驚くことはある

しかし恐ろしい山道を男はずんずんと歩いていく

「おーえい、おーえい」

かけ声と共に歩くが

それは男なりきの怖さを紛らわすための言葉でもあった

ようやく山の上に上がったときは

いつの間にかひんやりした空気のせいで

あんなにかいていた汗もどこか引き

男はそこでようやくあのほこらを見つけた

それは比較的小さく

よく見るカボチャを二つくらい並べたら

そんな高さになるんじゃないかという代物で

何処の神主もその存在がどうしてあるのか知らなかった

男は足早にその前にしゃがむと

「どうか今年一年健康になりますように

後煩わしいようですが

もしも、この願いをお聞きになられた折りには

是非とも毎晩とは言いませんが

来月の満月の日に

家の前の戸を四回ならして下さい」

そう言ってまた祈ると男は夜の山から降りていった


それはそれから一ヶ月ごの満月

男は今か今かと寝床からその戸を見ていたが

一向に何の音もしない

これはやはり駄目だったか

そんなことを考えながらさて寝るかと枕に頭を乗っけたとき

「ゴンゴンゴンゴン」

その木の扉が確かになった

それは明らかに力強い

そんな風なんかとは違う

明らかに誰かが鳴らすそう言う音である

男は飛び起きると反対側の裏口から出て

表に忍び足で回った

男は出来るだけ息を殺して

その戸を叩いたであろう場所を見たその時




世の中で一番おっそろしい事は、続きがないことであろう


がらくた山ダ


探偵は、気取ってパイプを、ふかしながら、一同を見る

その沈みそうな、絨毯を、探偵は、何事もなく

ただ徘徊した

「では」

探偵がそう言ったその時

ものすごい爆音が、窓ガラスを砕いた

しかし、誰もそれが窓から何かが飛び込んできたときが付いては居なかっただろう、さらには、それが今徘徊していた、探偵の胸に、深く刺さっているなど、考えもしていないはずだ

しかし、そこは探偵である

わらわらと、数人の探偵が集まり、おのおの、手袋を着用すると

そのまま、吹き出して、いる、寝ている、探偵の胸元を探る

すると、傷口から、血に塗れた、豆ほどのサイズの、小さな達磨が出てきた

「これは」

一人の探偵がそれをみた

黒く塗られ、目が一つしかない達磨

実に奇妙キテレツであるが

それをみた探偵の一人が

「分かった」

それを見た瞬間、手に拳を打ち付けてそう叫んだ

その時だった

またしても、爆音が鳴り響き

手を打った探偵が、横になっている探偵の横に、倒れた

「きゃあ」

そう、誰も言わない

当たり前だ、皆探偵だから、怖がることなどない

しかし、この珍妙な現実に、各何かしらの思案をしているようであった

ここに集められた、探偵は、皆偶然を装って

たまたまこの屋敷に来たようだが

どうも違うらしい

皆が探偵だと気が付いたとき

最初の殺人は、彼らに幕開けを知らせたのである


男は人一倍思い悩む男であった

良い思いつきがあっても、それを披露する前に、その会議自体が

終わってしまうことも珍しくなく、ただ自分のアイディアを披露できなかったことを、悶々と悩むような男である

その結果、たまに、事件の全貌が見えても、気が付くと、正攻法で

事件を解決している探偵に、あっあり、謎を解かれ

いよいよ、見せ場を失い、探偵業から身を引かざる終えない時期が近づいているようにも感じた、しかしながら男は気が付いていないが

この男は、実に無駄に、正直でもあり、まじめでもあるが

その反面、まじめに、ふざけるので、そんな阿呆は、この世には少なく

いよいよ会話相手はおらず

ふてくされる

それもそうであろう、まじめな人間が少なく、さらには、そのうえで不真面目な人間など、皆無に等しい

そんな男であるが、そんな男も今回この事件に、探偵の特性か

巻き込まれていた

第一の事件

第二の事件

第三の事件を終え

ようやく死に終わりフィナーレと思われ

それも探偵の仕事状か

ようやく謎を解き始める

誰一人として、犯罪者を未然に防ぐことはしないのである

「・・・・どういうことだろう」

社会的地位を得るために探偵になったが

それほど好きではない探偵である

さらには、物事をどうにかしようにも

どうして良いか分からないと言うことが、彼をいよいよ困らせていた

しかし、その間にも、次々と、何かをいいかけて、探偵たちが死んでいく

その中で、何をいうにも

何も思い浮かばない、探偵は、西部劇かアクションのガンバトルかのように、死んでいく仲間でもない探偵を横に

ただただ、何もできないのであった


三人目の犠牲者がでたとき

ようやく、謎を解いた物が、死ぬと言うことが、現実的に浮かび上がり

みなくちさえ開く物は居なかった

どこら辺まででアウトなのか

見当が付かなかったからだ

それで、みなくちを閉じ押し黙った

だれも、犠牲になってその限度を知ろうという物はいない

それどころか、口を開いて、相談すらしなかった

そんなとき、あのひねくれた男がようやく口を開いた

なまじ、ひねくれているので、よく考えもしないでも

良いと思えば、どんなことでもやる

そして、その殆どが、真逆の行動であった

「みなさんどうしましょう」

皆が座ったり立っている雑談室のようなこの場所で

彼は、ホワイトボードに、そんなことを書いた

幸い、あの爆音は聞こえることはなった

ちなみ、三人の死因は、黒く塗られた達磨型銃弾による射殺だった

心臓を一撃ちにする腕前から見ても、なかなかの腕前だと思われると

みなくちには出さないが、そう思っている

一人、物を書いていた、男だったが

それが大丈夫だと分かると

一人の探偵が、さも自分が考えついたとでも言うように

そのホワイトボードの前に立つと

じゃまそうに、男をみた

男は、気が小さいので、体に似合わず、そそくさと部屋の隅に移動した

「わたしは・・」

探偵は、みなが注目する中、さも当然に、謎解きを始めようとしたが

またしても、先ほどの窓から爆音が響き

ホワイトボードにぶつかると

そのまま、張り付くようにうなだれ

真っ赤に白い板を染め上げながら

また、三人に習って、ふかふかの絨毯に横になった

どうする

皆の心に、そんな言葉が浮かんだ

しかし、みな自分で考えることもなく

ただ、周りにあわせ、事なかれ主義で、さらには、自己中だったため

何も思い描くことは出来ず

誰とも群を結成できず

ただただうろたえる

誰かが、携帯電話を開いた

それを見るとみなみなおのおのの端末を開いた

ただ一人だけ、あのおと子だけは、人としゃべることが嫌いだったので

開いてはいないどころか、持ってさえ居なかった

みな時間が過ぎるのを待った

まるで、時間が解決してくれるだろうと

しかし、何一つとして変わらなかった

時間のみが酷い沈黙とともに

気の遠くなるような時間をゆるゆると動く
































みな耐えきれず、しゃべり次々と絨毯に寝転がった

怖くなった物は、次第に、衰弱し、そしてついには、しゃべらないことこそが、物事を当てないことこそが、しんじつと見出し

ただ関連のない物をしゃべったが

ある時、一斉に絨毯に沈んだ

ただ一人、男のみが残り

ようやく、男は、その謎を解いた

妙なところで正義心が強く、無鉄砲なところがあった


「あなたのみが、答えを知らなかった

皆の者は、答えをはじめから知っていながら

歴史だとか、決まりだとか、最後にとっておいた方が格好いいだとか

下らん理由で、人の命を、見殺しにした

そんな者を裁くために、わたしはこの会を主催したのです」


あのおとこの前に現れた主催者と名乗る男は

黒い一つ目達磨の、お面を付けて

そんなことを言ったが

携帯電話も持たない

あのおとこに

めっぽう殴られたという事です

かくして、あの男は、馬鹿が幸いしていたのか

今でもあの情けない自分を叱咤しながら

情けないようと思いながら

探偵を続けている



夜になると、二宮金次郎像が、歩き、花子さんが便秘でうなり、はんてん着せましょうか、と、うなるような、そんなたわいもない夏の怪談


「ねえ、夏っぽいことしましょうよ」

どこかの学校で、誰かが言いそうなことを、写真部幽霊部員事、笹流ささながれ 刺差例さされが、蒸し暑い写真部の部室で言う

其れを僕は、その部室の中で、さらに暑い、暗殺室こと、暗室で、一人写真を、現像していた、ただでさえ、薄い壁であるが、わざわざ壁越しに近づいているせいか、その声は、暗室を振るわし、いよいよ集中力をとぎれさせる

「そう言えば、新聞部の写真もうあがったの」

彼女はそう言った、新聞部とは、書いて字のごとく、周一で、学校内の出来事を、書いて、新聞を発行する、部であるが、ただでさえ、せまっくるしい部室に、暗室を置くことを、新聞の大量のストックのせいで、不可能とした新聞部の意向で、数年前から、暗室を、提供することになっていたが、いつの間にか、写真まで、写真部が、とるような傾向になっているのが、写真部としての悩みだった、なぜなら奴らは、ほぼただ働きをさせる

非常な輩である

「ああ、もうすぐあがるよ」

なぜに、コンクール間近だというのに、其れをさしおいて、生徒会の腰巾着というか犬を優先しなければいけないのか、はたはた、世の中が恨めしい、されど、しなければ、部費どころか部室さえ没収されかねない、そう、部を作る最低部員数五人に遠く及ばないこの写真部が、生き残っている理由の一つが、まさに其れであり、逆らえない足かせでもあった

「うわー」

そのときわざとらしいくらい、驚いたような声がした、其れが本意かどうかは知らないが、笹流は、驚いたらしい、仕方がないので、今から浸そうとしていた、写真を、いったん置くと、サウナのような暗室から新鮮な空気の流れる外へとでた、すぐさま汗が引き、自分がいた場所の異常さをありありと発見するが、其れよりも異常なことを言う人物が前にいた

「いっいま、十円玉が、前を、転がっていったの」

寝ぼけてんじゃないのかこいつ

僕は、起こす意味を重ね、空手チョップを、水泳部のパサパサした、頭へと、落としたが、涙目ながらに、嘘では無いという、本当だろうか

「何時落としたんだ」

僕のというに、笹流は、数秒、固まり悩む様子を見せるが、直ぐに意味を理解したようで

「違う違うと」オーバーリアクションで、扇風機のように首を振り、つっこみのように手を振った

「違うとはどう言うことだ」

僕は、暑い部室の中で、それでも最前線から脱出した、事で、汗が、吹き返し、其れを冷ます意味で、達磨がかかれた馬路祭りの内輪を、あおいで聞いた

「いや、どこからと、ころころと」

僕は、もう一度、チョップをして、暗室に、戻り、残りの仕事を片づけ

自分の作品づくりに取り組もうかと、考えたが

「本当、なんだってーー」と、暑苦しくすがりついてくる、女に阻止される

「何が違うんだ、暑さのせいだろ、気にすることはない、毎年だ」

「信じてないじゃん」

笹流は、言葉と目線でそう語った

「アー信ジルヨ信ジル」

信じてないじゃん

奴に背中をやられた、おむこに行けなくなったらどうしてくれるというのか、こいつは、掛け値なく力が強い、小学校の頃から、幾度と無く怪我まがいの痣を作ってきた、其れが最近、いよいよ身の危険を感じる、成長しなくて良い物ばかり成長して、僕は、ショートカットの女をみた

「ほんとーだってー」

聞いたようなことを繰り返していた

天然ぽいキャラから、悪気はないのだろう、だろうが、人を殺してしまえば終わりであろう、可愛ければいいと言うが、それならぶすだったらどうなのか、僕は、そんな現実逃避をしながら、どうやってこのタコから逃れようかと、必死でない脳を削り節のごとく研いでいたが、元々無い脳は、考えることで、心まで削りだしてしまいそうで、いよいよ面倒だと思っていた頃

「こんにちはみなさま」

実に場違いな春風のごとく、優しげな声が、ささくれだった広野か、はたまた、希望のない暗黒街に、煌々たる光のごとく降り注いだ(そこまでこの部室が嫌いではないことから、僕の心はそれに類するものであり、すなわちは、にぎやかな人種ではないだろう)

「こんにちは、春川さん」

其れは、実に美しい声とは対照的に、とても肉眼で見るには忍びない肉片が、立っていて、それに向けて、あの光に溶かされた氷のように、いつの間にか、おおタコの姿は消えていた、直径一メートルを越すタコは、吸盤に歯を持つと言うが、僕の場合、奴の握力というか万力力とでも言うべきか、圧縮された部位が、止血して、あかおを通り越して、ひどい色に変色していた、あいつは人間か、いや、実は殺し屋の一家か何かではないだろうか、そこで僕は、奴が、同じマンションにあるにも関わらず、一回も言ってもたことがないことに気がついた、自分も、他人の家に行く方ではない人間なので、何ともいえない、少なくとも、自分で誘うのはもってのほか、ついてこいと言われても、極力否定をしなければ行けないような人種である

「こんにちは、笹流さん」

其れは、ぬっぺほへ顔負けの顔でそう言う

ただ、僕は知っている、これは、実に、本心から、美しい生物だと、其れは人間なんて言う枠を越えた存在とも言おうか、人間なんて言うのは、実に恥ずべき行為に思えた、其れは、顔の恐ろしさを差し引いてもなお、その心の優しげな風が、其れを台風か、はたまた春風のごとく、包み込んだりするので、もう、何ともいえないのである

「おはよう、木頭」

(春川 木頭 はるかわきとう)何でも、親が、神社関係の人間だとかで、そんな男みたいとかいぜんに、みよじみたいな名前であるという噂を知るが、対して興味はなくはないが、あまり他人に興味が引かない僕は、其れが嘘かどうかも知らないし、それ以上知ろうとも思わなかった

「おはようございます」

何時の頃か、僕は奴に、何故か名前を呼んでほしいと言われたことがある

其れがどういうきっかけか、余りに簿ぼやけ鮮明ではないが、其れを言われた気がした、其れはまるで、神のお告げか何かのように、僕に心に染み着き離れなかった、何せ、他人を困らす位なら、死んで、地獄に行った方が、と、言うことをやりかねないこともないが、それににた感じがあるのだ、つまりは、他人に頼みごとをしないような奴が、そんなことを言った

何故に僕なのだろうかと思ったが、奴のことだ、何かしら重大なことがあったと思って、僕はそう呼ぶことにしていた

「そう言えば、こんな暑苦しいところにまたまた何要ですか」

いつの間にか、幽霊部員が、部員気取りをしていた

そこについて後で抗議でもした方が、良いだろうか、僕は脳内会議を開きかけた頃

「実は私見たんです」

其れは、春川にしては、ひどく怯えた風である、今日は、菩薩春川の意外な一面が、よく見られそうな日だと、僕は暑苦しい部室で、達磨柄の祭り内輪を仰ぎながら、夏の一ページをめくろうとしていたのかも知れない



場所は、日陰通りの茶店という名の駄菓子屋

「茶店ダガシーヤ」であった

古きよき日本なんて物が、要らないほど、取り残されたように、ところどろころがっている、この街の一角である

学校から自転車で、むなしく汗を流しながら、登っているくらいに、途中にふと現れる、そこだけ誰が植えたのか、元々自生しているのか、竹が、店の周辺に、生えている、駄菓子屋はと言えば、道の途中に、ぽつんとたたずんでいる

「其れでは、幽霊部員を祝して」

一体どういう音頭をとっているのかと、多少頭が痛くなることを言いながら、笹流女子は、ビー玉が光るラムネ、僕は、カップアイス「レーズン&ソーダー」そして、歩く観音菩薩事、春川女子は、どら焼きだった、それを、乾杯のグラスのようにつき合わせるが、ろくな音がせず、ただ、どら焼きに対する、暴力のような結果に思われた

「其れで何々、恋バナでもする」

一体どうしたらそうなるのか、またしても意味不明なことを言う女は置いて置いて、僕は、アイスを一口すくい、口の中に入れてから、とりあえず

最初の至極を味わい、後は溶けることを覚悟で、話に入った

「それで、春川さんは、何をみたの」

僕の精一杯のフレンドリーな、物言いを妨害するかのように、後ろから、ラムネを、振りながら、何か盛んに、テンションの上がった笹流が言う

「お化けでしょお化け、もしかして、十円玉の・・」

僕はビー玉がしゃかしゃか言い、飲み口から液体のでている瓶を、いったん奪い、奴を黙らす

「うるさい」

「えーー、きっとそうだよ」

「何でそうなるんだよ」僕は、あきれ半ばに、援護を頼むかのように、座っている、春川女子をみた、そこで、先ほどまで至極の一口を食べていた

春川女子は、どこへ行ったのか、どら焼きを片手に、首をもうれつにたてに振っていた

「マジですか」

「はい、私は、一式セットでした」

「「一式」」春川女子以外、茶店のおじさんを除いて、近くにいた、僕と笹流が言う

「はい、私が見たのは、こっくりさん一式でした」

蝉の鳴き声が、無神経に鳴き続ける、僕は、アイスが溶けるのも考えず、ただ無意味に何かを考えていたが、意味をなさない内容だったと思う、というか、どう言うことか悩んでいた、あの春川さんだ、嘘など付かないような、あの春川さんだ、もう、春川さんである、あり得ない、しかし、其れは認めるにはいささか怪しい話だ、こっくりさんだと、一体いいとしして何を言っているのだ、そんなこと、しかし、春川さんが、言ったのだ、本当の可能性がある、しかし

「ねー、私の言ったこと信じた」

途中蝉ではない何か、地球外の物体が、話しかけているような気がしたが、たいしてきにしないで置こうかと思ったが、いきなり、首に何かが巻き付けられ、其れがいよいよ、いつか聞いたあなこんだの如く、絞め殺しにかかってきたので、生命の危機に関わる前に、僕は、その腕をたたいた

「ぎ・ぎぶぎう」

「笹流さん、そろそろ止めた方が」

春川女子が、どら焼きを片手に持ちながら、そんな心配をしてくれる

「だ・・だいしゅぶでしゅ・・」

何か、喉を圧迫しているせいで、今一つ、言葉がでにくい

「顔が青いですよ、笹流」

「っえ」

「げ」

普段とはかけ離れた、名前の名詞に、笹流は、腕をとき、僕は、蛙のような、潰れた声と共に、せき込む

「其れで、なんだけど」

頷く二人

「私見たんです」

静かな時間が流れる、二人はだまり、一人は、何か、間が空いている

「私が部活で、廊下を歩いていたんです、校舎の反対側に行くとき、校内を、突っ切った方が、楽ですから、其れで、一階の廊下を、歩いていたんです」

「はあ」僕は考える、そこで、こっくりさんにあったという事か

「そこで、合ったんです、紙と十円玉に」

紙という単語は、こうして聞くと、神ともとれるが、違うだろう、事が事だけに、別に間違いでは、無そうであるが、それであっても、確証はない

「それで」

ガラス瓶を、いつの間にか僕から取り返し、握りしめている、手から、なにやらきしむ音がする、嘘だろ、僕の考えとは、裏腹に話は進む

「それで、私怖くなって逃げたんです」

「逃げたの春川さん」

「逃げたんです、私、怖いから」

僕は、ガラスがきしむのを止めたことにほっとして、笹流の手から、瓶を奪うと、空き瓶置き場に置いて、話を聞く

「其れはつまり、置いてあっただけなんて事は」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

顔の白い、春川さんの顔が青くなり、笹流は、空き瓶置き場に目を向けている、しかし、直ぐにビー玉を取り出すと

「違うよ、呪いだよー」と、無責任に違いないことを言った


「つまり、誰れかが、イタズラでそこに置いた、もしくはそこで、コックリさんをやっているとちゅうで、用事が出来て、どこかに行ったとか」

「ないでしょー、何で、途中で置いてどこかに行く訳よ」

「いや、絶対なんてあり得ないだろ、そうだ、コックリさんを信じている時点で」

「ある、コックリさんは」笹流は、自信を垂れ流していう

「まさか、春川さんも」

「はい、居るかどうかは別として、いる方がおもしろいではないですか」

「あなたは怖がっているのですか」

「私は怖がっていた方がおもしろいので怖がるほどきようではありません」

「本当ですか」と、僕

「本当と信じていただけた方が私としてはおもしろいですたいへん」

「なら、私は信じているといいながら全く別のことを進めている方が数倍おもしろいと思っている人をおもしろいと思ってくれる方がいいです」

「・・・其れで何の話だったか」

僕は話を入れ替えた

「はい、変人奇人をどうして人は愛せないかについて」

笹流のぼけとも天然とも言い切れない言葉を遮り、春川さんが、言う

「コックリさんが居たかどうかと言う確認です」

時間は、先ほど、店の振り子時計が六回鳴った

あたりは少し薄暗くなり、影が徐々に忍び寄り、涼しげな風が、笹を揺らした

「そろそろ店じまいです」

ダガシーヤの亭主が、陰気な声で顔とそろえていった

「はい、すいません」

僕たちは、そう言うと、その笹が一部囲まれた店から外に出た

元々、半分くらい店の外にいたようなものであるが、僕たちは、帰り道で話を始めた

「そう言えば話が変わるんだけど」

良く話を変える人間が、前置きを設置して、わざわざ言う

「あの店なんだけど」

「・・・ダガシーヤか」

「うん、夜間営業しているらしい」

「・・・・・誰が来るんだ」

「さあ・・お化けとか」

「お前は子供か」

そのとき春川が、口を挟む

「私聞いたことあります、でも、誰が来るかは」

「ほらー、ほらー」

一人馬鹿が口うるさく騒いだ

「・・・まあ、そう言うこともあるかも知れませんね、よく、昼間は喫茶店、夜は居酒屋なんて物もありますから」と、春川さんに、僕は言った

「・・・駄菓子食べながら日本酒でも飲むの」

妙であるが、正当性のありそうなことを、笹流が、真顔で言う

「あるんじゃないのか、甘党だって居るだろう」

と、僕は言うが、そんな話聞いたことがない、だいたい、あの駄菓子屋で酒のにおいをかいだことは、今のところ皆無である、それに、もしそんなことがあるのだとしたら、小さい子供がいる親が黙っているだろうか

もしかしたら反対するに決まっている

「それにしても、どうします、この話はまた今度に」

「えー、せっかく夏だし、休みだし、夏の休み、夏休みだし」

「泊まるのは、パスだ」

早めに悪の芽を摘まなくてはならない、こいつと居るとろくでもない

サイクリングに行けば、暴走族に絡まれるし

海に行けば、サメが出るし、仕舞いには、遊園地のお化け屋敷で神隠しにまで合うような奴だ、ろくでもない、唯一取り柄があるとすれば、其れを本人は気にしていないような人間性であるという事だろうか、まあ、新聞クラブは、代が変わって、その才能(悪才)を、欲しがらなくなったのが、唯一の救いだろう、さわらず神にたたりなしだ

「あれ、行ってくれないんですか」

「・・・・」

僕は、並んで歩き出す二人を見ていた

どう言うことだろう、春川さんも、付いてきてほしいというか、何時のまに泊まることが決まっているのだろうか・・・・

「ほらー、歯磨きセットは、前に来奴があるから」

「・・・何時だよ」

多分に、十年以降の物だろう

「泊まらないんですか」

「・・・ファミレスに行かないか」

「えーーー、高いし」

万年金欠少女が言う

「そうですよ、私作りますよ、潔癖性でも食べれるくらいの腕はあります」

春川は、料理が上手いらしいと言うことを、僕はそのとき初めて知った

・・いや、待て、僕は潔癖性か・・いな、分からない


「いやー、奢りとは良いご身分ですなー、満腹極楽極楽」

「・・・温泉という展開なのかその言葉は」

僕は、赤鶏という、地元付近で展開している、ラーメン屋に入った

ここでは、百人餃子という、百個単位での餃子が、おすすめである

「しかし、おいしいです、食べる度に、肉汁があふれ、香り、味、その他万病速攻」

「春川さんどうしたの」いきなり妙な呪文を唱え始めるほどに、美味しいのである

「始めて、ですか」氷水を、一杯飲んでいる、春川さんに、聞いてみる

先ほどの展開を展開するような展開は、ようやく落ち着いたようで、きれいに、積上がっていた皿は、下げられている、ちなみに、百人餃子5500円という、ファミリー価格であり、家族で行くだけなら、腹に貯めることの出来る武器であるが、学生身分では、些か名高級品だ、しかし、長年のつき合いも、どうも今日の口論では、はなはだ難しく、苦戦を強いられ

結局、餃子を奢ると言うことで決着が付いたのだ

「はい、これほど美味なる物は」

春川さんは、安い電球の下、目を爛々と少女マンガよろしく輝かせて

爽やかに言った、ここは古寂れたラーメン屋である、寂れてはいないが

内装はまともとは言い難く、掘っ建て小屋のようである

「しかしお嬢ちゃん、良いくいっぷりだったね、おまけで二皿やるよ」

「あるがとうございます」

亭主の赤鶏 亀嶺さんが、皿をにまいつきだした

其れはそうだろう、十人が、食べて満腹になる量を、一人でほとんど平らげてしまったのだから、始めこそ、笹流の意地悪とも、また、時間稼ぎともとれた量であったが、ほとんど、意味を成し得ていなかった

「・・どうする、コックリさんの話だけして帰るか」

食し中の春川さんの横で、座っている笹流に聞いた

「・・・・・・どうしょう」

そのどうしようは、どういう意味合いを含んでいたのだろうか

あの食事にあっかんさせられて、譫言のように呟いたのであろうか

どちらにしても、要領の得ない言い方であった

「さて、第二ラウンドに突入う・・」

あわてて僕は、笹流に目配せをした

「むっむりだよ、一介の高校生に、一万円以上の食事代は酷だよ」

「そうですか・・・」

彼女の目には、キングオブ挑戦権「341皿」が、写っていた

本当かどうかは知らないが、時代をさかのぼること百年と五十幾数年

まだしがない小料理屋をしていた、赤鶏のご先祖様が、はやりの賭蕎麦を

真似て、思案の末にこしらえたのが、中国伝来の肉包み焼き

そのとき、初めての客が「雲雷」と言う、相撲取りだったとかなんだったとか、一足歩けば、地面にめり込み、二足歩けば、水がわき、三足歩けば

大噴火と、その時代のかけことばとか洒落っけだろうが、どちらにしても

開店早々、あるだけ食べて、出て行った、その数が、341皿、其れ以来この記録を塗り替える者はいないと言うことらしいが、こればっかりは、確かめようのない話である


「ここが、例の事件現場ですね」

ひときわ、震えたこわごわした声で

そんなことを言う笹流れは

実に恐がりを隠すために強張りをしていたが

はるかわさんが、怖いの一言を言ったせいで

「こわいこわいこわい」と、すがりつく笹流れであり

僕はそれを冷えた目で流しながら

シャッターチャンスをねらってた

片手には一眼カメラ

もう片方にもつらいとは

酷く断片的に

辺りを、ちらちらと光らす


十円玉を立てるよりも転がす方が、簡単であるby生徒会


図書館の前に、そんな、ポスターが、蠢くように、張られている

その他大勢のポスターの中で、目に付く

果たしてこれは、こっくりさんと関係があるのだろうか

あるとしたら、どうして・・・・・・・

「早く行くよ」

そう言って、二人の女子のうち

良く写真部に来る水泳部の女子と呼ばれる分類の女が

そう言って、一人先を進むので、仕方なく僕は、闇の含む廊下を

歩いていく


かつん かつん


僕はえらく、足音っぽい音声が、耳に届いた

それで横を向くと

どういう心境か

春川さんが、口から、そんな事を言う

そう言ってあるいていた

「ねえ、はるかわさん、その声止めてよ」

春川真顔で続けている

僕はそれを横で見ながら歩いていた


「ねえ、さっきから歩いているけど(校長室・理科室・家庭科室・職員室・音楽室・給食室・体育館・給食室が、あった)何処にいるんだろうね」

はるかわは、足音を言うのを止めて、そう言う

されど、笹流れは、おおよそ、喋る元気はない

されど、僕とて、話すことはない

なぜなら、目の前に、カーテンではない物が

赤く靡いていた


「アラワル現るあらわる」

僕の脳内に

あ・ラ・わ・ると言う文字が

ぐるぐると回る

それは、真っ赤な血のような深紅のドレスのようなワンピースを着用し

僕達のいる廊下に

立ちふさがった

されどそれは、たまたま通りかかっただけかも知れない

それこそ、おうまがどきを過ぎ去り深夜の丑三つ時に向かう途中だっただけなのかも知れないが

そこには、廊下の窓という窓が閉まっているにも関わらず

靡くワンピースを着て

やはりそこにいた


口裂け女について

僕はとにもかくにもしらなすぎた

それはとても美しく

こというのであれば

落語版番長皿屋敷ぐらいの衝撃である

顔を隠すマスクなど合ってないも同然であり

その鬘など存在する意味など無くしてしまった方が良いと思える

そんなおかっぱ頭であった

「おっお前は誰だ」

突拍子もない事を、普段通りの表現で言う

「く・・・くくくく・・口裂け女ーーー」

普段では想像も出来ない

それどころか、映画ぐらいでしか聞かないような

そんな悲鳴を上げる水泳部の隣の女子春川

僕はそんな二人がいるせいで

映画を見ているぐらいの

そんな感情しか受け取れず

ただ、恐怖を、テレビ画面越しに見るくらいの

そんな・・・・

やばい、恐怖のせいで、酷く頭が混乱しているのかも知れない

同じような言葉が、頭を回り練り歩いた


と、そんな馬鹿な三人と都市伝説一人である


「あなたたち誰

ここ私の領土よ」

その唇があるであろう白いマスクから

そんな甲高い

されど、落ち着いた声がした

「・・りょ・・領土」

またしても、と言うか、引きずるはるかわであったが

相変わらず

隣で震えている笹流れは

何を思ったのだろうか

「すいません、隣に引っ越してきました、笹流れです」

と、どういう事か、明日の方向に向かって、喋っている

「・・・こっくりさんじゃないですよね」

僕は、その学校に現れた不信人物に言った

そう、ここが、学校であり

夜であり

怪談の絶好の登場シーンであるが

だからといっても、それをそのまま

だから「「「都市伝説だ」」」などと僕はぜんぜん思わないしおもえない

怪談特番は99%は、信じないが

残りの1%は、信じないと言う前提で

信じる男だ

だからこそ

今回だって、つまりは、それは、学校に、突然現れた

不信人物だと思ったのだ

だから

「不信人物だろ」

と、携帯電話を

火に向ける消火器のごとく

僕は、奴に携帯電話を

突きつけながら言った

「ナニイッテンダコノヤロウ」

赤い人は、そう言うと

ゆっくりと、マスクに手をかけた

(なに、奴も何か奥手があるというのか)

とかなんとかとか考える暇もなく

「ぎゃーーーーー」と、横を、良く知る小麦少女が駆け抜け

はるかわは、いつの間にか、居なくなっていた

「・・・・少し黙ってくれない」

それはそう言った

赤い人はそう言った

それならそうしたがおう

されど、どうも、展開は、十円玉のように

転がるらしい

どこかで止まるまで

どこかで倒れるまで

永遠と立ち続ける十円玉がないように

それは突然現れた

そう

僕は、何かがろうかを、覆い尽くしている

ような気がした

向こうから

何かが、やってきていた

波のように

それは、女を越え

そして、僕にぶつかった

それは、虫ではなかった

水でもなかった

ただ、それは、足に当たると

円形にぐるぐる回り

そしてついに

それがなんだか分かることになる

ジュウエン

だった

「十円」

それが、廊下の向こうから

どんどん転がる

なんなんだろうか

今日は厄日に違いない


「科学部部室」

そう書かれた部屋に逃げ込んだとき

そこに四人いたことに

僕は非常に驚いていた

「私、笹流れだ」

突然、笹流れが言う

「・・・はるかわ」

つられるように、はるかわが言う

「僕は、部長だ、そう、部長」

「・・・・・・・・口裂け女です」

なぜか、四人目がそう言った

本来であれば、科学部の誰かが居て当然だろう

それこそ、科学の先生が、勝手に睡眠部屋にしていたらおもしろいのであるが

そこにあるのは、おおよそ、人が住めるような環境ではない

そんな環境であった


「あっどうも」

「どどどどどども」

「・・・・あれはなんなんでしょうか」

僕は、ダメ元で、この不審者のような人のような物に言う

「コックリさんだよ、最近出没するのだよ」


それはいきなりであった

ここまで息なりの展開を

くるくるくるくるなのに

だいたい、ふつうの展開になるはずがないし

誰もしないだろう


「君たち、僕の部屋で何をやっているんだい」

らすボスの親しげなめがね野郎と

言う立ち位置であろうか

「だっだだだれですかかかかか」

「僕かい、僕は、この部長で・・いや、部室の部長で、係長で

副会長で、経理で、書記の太刀絵だ」

「・・・それで、その部長で、なんだかんだで、その君が

どうしてここに突然現れたんだい」

「いや、どうもこうも、人の部室に突然現れて

その領域を、犯しておいて・・・質問とは、実に」

「おい、部長、最近お前が悪戯するせいで、この学校の生徒が

本物の怪奇として、認識し始めているんだよ

止めたらどうだい」

「おや、そこにいるのは、廊下占拠、口裂け女さんではないですか

何ですか、またいちゃもんですか」

「おいおいおいおい、お前が、嘘を巻き散らかすせいで、環境が変わっているって言っているんだよ」

「・・・・・・・・そうなの」

一体この二人が何を言っているのか

そして、この部長を僕は知らないが

知らないがそれは、知り合いでないだけで

顔だけは見たことがある

つまり、この男は、不審者が、顔見知りの可能性が高い


「十円玉転がし機」

三人の声が聞こえる部室

「つまりこの頭爆発不潔男が

十円玉を、全自動で、転がす機械を開発したが故に

それをたまたま偶然目撃した物が、それを、十円繋がりの重縁で

何の因果か因縁なのか

ただの勘違いにより

コックリさんだと勘違いした

それ故に、完璧だったこの学校が

揺れ始めた

本来いないはずの

いや、居たんだけれど

その代わりに

別の物が・・・・・どう責任とるつもりだ」

「ほうほう、非科学的である話だが

まあ良いさ、僕にだって発表するという武器があるんだ」


かくして、コノ話は、いきなり終焉を迎えた

つまり、翌日、十円玉転がし機を、堂々と体育館で発表

殆どの生徒の失笑と

ほんの一部の生徒の誤解を解いて

コノ事件というか

事故は、終幕した


「おい写真部、写真出来たのか」

リーゼントの新聞部部長裏川が、そんな怒鳴り声をあげて部室に侵入した

「すいませんまだなのです」

笹流れの声がする

「お前はどうでも良い、部長は何処だ」

「それが・・・・」

僕は今、学校の領土について

写真を、撮っている

しかし、それは大凡、人間が居るべきではない

天井の裏にいる

横には、重量オーバーの石像が居たりするが

まあ、そう言うことで

あと、あの女子二人は無事あの後家に届けたので心配は無用である



夜の流れの中で僕は、自殺について、深くあざけ笑いながら死んでいる

誰も僕のことなど知ろうとしていない

そしてそれに体足手傷つかず

されど、ほんのちょっとのことで死にたくなると言うのに


幸せは、不幸と同じくらい嫌いです


どうしてですか


僕は、幸せを享受することも不幸になることも出来かねているんです


「なぜです」


殺したら教えてあげますよ



僕の背後で、軽快なアクセル音が、響く

そのあまりの音に、僕は其れが始め何の音かは分からずじまいだったが

振り返り、真っ赤なスポーツカーだと分かる、メーカーは、分からない

瞬時に、その赤が、酷く不気味に見えたのと、何かの映画のようなその演出に、僕は頭の中で危険信号が鳴り響いているのを感じ

急いで、狭い路地に、逃げ込んだ、案の定

其れは、壁ぎりぎりで、道の向こうに走り去る

「何なんだ」

僕は、いろいろな物が、地面に散乱している、その道を歩いた

ただ、今夜の僕は、そのまま帰るわけには行かなかった

なぜなら、死に場所を求めているのだ

あの、ただの殺人マニアなんかではない

ほんとうの求める死期を

そう、あんなのはもうまっぴらだ

車にひかれればよかったのでは

そう思ったのは、反対側の道で

もう一度アクセル音を聞いたときであった

キルクール


携帯少女


イタチコーポレーション


私は電話を待っていた


しかし、私の手にある携帯は一向に

着信音をならさない

あなただけのために

毎月携帯料金を払い

こうしていつも、充電器に繋げて

待っているのに

私の手にある携帯は鳴らない


彼との初めての会話は

本当にどうでも良いことだったように思う

それがどんな内容か

あまり覚えていないくらいに

そんな彼から、いつの日か

電話がかかってきた

しばらく合っていなかった

そして、私は捨てられたと思っていた

だって、携帯で、電話するきっかけとなったのも

つき合い始めてからなのだ

それが、ある日ぱったり

彼からの着信がなくなってしまった

私は次第に、彼以外から、かかってくる

電話が鬱陶しくなってきた

それだから、私は、その他の電話を全て着信拒否して

彼からの電話を待った

でも、鳴らなかった

それがつい先日

私宛に

あの電話が鳴った

始めこそ、迷惑電話の一種かと思った

でも違った

その声は

わずかにかすれ

ノイズが走り

ひょっとすると

彼の声をあまり知らない友達やもしかしたら

家族が、聞いたら

きっと、彼以外だと思うに違いない

しかし、私は分かる

あれは彼だ

彼の声だ

「どうしたの」

私は言った

でも、その返答を前に

彼の電話は切れていた

ただ、私は無機質な携帯を握っているしかなくなっていた

また待たなくては

それは、彼が死んで、一ヶ月後の日であった


「これどう思う」

久しぶりに

お茶を飲まないかと、友達に誘われた

私は断ったが

何度も言われている内に

あのことが気になった

もちろん、死んだ彼からの電話だ

話してみようか

私はそう思うと

なぜか、急に行きたくなった

「うん」

私は頷くと

そのまま二人で、近くの喫茶店に、はいった

それで、彼女に話したのだ

「・・それ危ないよ」

彼女は、笑いもせずに

それどころか

いつもの落ち着いた雰囲気とは違い

明らかに、その話を信じ

その上で、何かを知っている風である

「どう言うこと」

私は聞く

「こう言うの変かも知れないけど

私、少し霊感があるのよ」

初耳だ

正直、科学に生きているような

全てを落ち着いて分析しているように

見える人であった

「たぶん、あまりでない方が良いと思う

きっと、連れて行かれる」

彼女はそう言うと

私の目を見た

実に真剣だった

でも、私は、携帯を握りしめて

それを上の空で聞いていた

なぜだろう

連れて行って欲しいのか

生きたくないのか

分からない

でも、上の空で聞いていた

「駄目だからね絶対出ちゃ」

彼女はそう言うと

私に念入りにそう言ってから

私と別れて行った

大学の講義があるのだろう

私は行っていない

そんなとき電話が鳴った

宛名はなかった

私は少しそれを見ていた

押そうとしたら

指が震えて上手く押せないことに気が付いた

辺りは真夏で

蝉がうるさい

少なくとも、寒いことなんてありはしないのに

どうしてこんなに寒いのだろう

震えているのだろう

私はどうして

そんなことをしている内に

電話が切れた

良かったのだろうか

でも、そう、でも

きっと私は

次電話がかかってきたら

きっとであるだろう

そして、死についても分からず

後悔なんかもせず

ただ、何となく

彼の声が聞きたくて

押してしまうのだろう

私は携帯を強く握りしめた

壊れろ

そう思うが

携帯は壊れない

私に、しねというの

自分勝手にそう言ってみた

私は生きたいのだろうか

分からない

家に帰り

その薄暗い部屋で

ただ携帯を見ていた

一日中

暑いのに毛布にくるまり

ただ、その無機質な物を見ていた

時間が経っているのに

それが分からない

意識が朦朧としている

何もあまり食べないせいだろいだろうか

そして、私は、辺りが暗くなったと

意識し始めたとき

電話が鳴った

私はそれを見た

あの、友達だった

消したはずなのに

私は疑問に思いながら

耳に当てた

「もしもし」

「あなた、まだ出てなかったのね」

「うん、

かかってきてない」

「出ちゃ駄目だからね」

「・・・うん」

私は自分でも良く分からないが

それでも嘘と言うことにして

そう言った

「本当に」

そのとき

着信が鳴った

耳から放し

画面を見る

彼からだきっと

その宛名のない画面

私は、彼女に詫びを入れ

電話を切った

そして

着信ボタンを前に

ただ、震える手を

無理矢理押しつけた

「もしもし」

何も聞こえない

「もしもし」

私はもう一度言った

すると、かすれるような声で

携帯から声が聞こえる

「もしもし」

私は何度も叫んだ

しかし、その薄れるような

こすれるような声は

酷く遠くから放しているようで

はっきりと聞き取れない

「どうしたの、何があったの」

何か音がした

それが扉をたたく音だときが付いたとき

私は、彼何じゃないかと思い

外に出た

「大丈夫」

友達だった

「どうしたの」

「あなた、そんなに死にたいの」

彼女は青い顔をして言う

「分からない・・どうして」

私は聞いた

「電話に出たでしょ」

「何で知っているの」

「言ったでしょ、私は霊感があると

それで妨害したのよ」

「何でそんなことしたの」

「あなたの為よ」

「嘘よ、あなたは、私から彼が取られるのがいやで」

「そんなこと無い」

「そうに決まっている」

「・・・あなた、死にたいの」

また同じ事を言った

「分からない」

私も同じ事を言う

「・・・・あなたを連れ出そうとしている彼は

もう、あなたの知っている彼じゃないはずよ」

「でも、私は出ようとするでしょう」

「・・私はそれを止めさせるわよ」

「無理よ、何時かかってくるか分からないから」

「なら、私はいつもあなたを見ているわ」

「そんなこと」

「出来るわよ、友達だから」

「嘘よ、それでも私はでる、私は自分を信用している

あなたはそれを阻止できない」

「あらそう、でも、私は阻止するわ

あなたのことが嫌いだから

死なせないもの」

・・・・・・

彼から電話がかかってきたことは

それからはない

そして、彼女は、その夏の終わりに

急に大学に来なくなり

家の人に聞いても、失踪した

と言うことが、どうも、分かり始めているような感じであった

あれから、私の元へ、彼女から電話がかかってくる事がある

でも、それは、彼女が湖で発見されてからのこと出会った

そして、私は、彼のときと違い

携帯電話に出ることはなかった

にどめの電話がかかってきたとき

私は、携帯を解約し

そのまま、一生携帯を使わないだろう

そのとき思った

でも、三年ほどして、私はお見合いで、結婚して

そのまま、子供も三人ほど出来た頃

夫に持たせられた

携帯がたまになるのだ

それは、着信名が無く

誰からかは、分からなかったが

しかし、どうしてか、私は分かるのだ

それが彼女だと

でも、私は決してでない

でも、ある時子供がそれを見て

携帯に出た

でもそのときにはもう遅かった

私の目の前で

子供は携帯を取り落とすと

「何で出なかったの」

彼女そっくりの声で言った



夕べのことを私は思いだそうとして、止めていた

何故ならその行為を繰り返すに従い

馴れるどころか

そのことへの恐怖我よりいっそう強く大きく

私の心を縛り付けた


ケタ亡



元素気球


この話は夏休みの暑い昼間を皮切りに

僕の日常を、蹂躙し始めた

八月二日のお昼が始まろうとした時刻であった


プールには、午前中に行ったし

スイカは食べたし、夏休みの宿題だって

午前中の内に、ノルマより1ページ多くやることも出来た

それならもっとやっても良いんじゃないかと、思うかも知れないけど

じいちゃんの言葉に、程々と言う物がある

そう言うことだ

僕は、宿題から手を引くと

お昼までの短い時間

社会の情勢を知るべく

テレビを付ける

すると、悪の組織と戦う

光景を、趣特にも、写している

ドキュメンタリー番組が

やっていた


「ほうほう、いつもこの時間帯に放映されていないことを考えると

夏の特別放映にちがいはない」

僕はそんなことをつぶやきながら、茶の間にある木のテーブルから

今日の新聞を、手繰り寄せると

そのまま、テレビ欄を観察する

「うむ・・これは驚きだ、なんと、ラーメン仮面とビルディングレンジャーの二本立て、しかも、再放送なんて、ちんけなものではなく

新作ではないか

くそう、そうと知っていれば、録画をしたのに」

そんなことをまたつぶやきながら

僕は汗が流れ落ちるのも

気にもせず

その画面に食い入っていた

「ご飯よ」

母の声がする

しかし、今眼下では、悪の組織団体ハンバーガンとシシトウ仮面が

その熱烈に極まる、攻防戦を

敵の用意した、熱しられたふらいぱんの上で

繰り広げられている

実に焦れったい

「ご飯ですよ」

にどめの声がした

僕はそのとき、ビデオテープがもう無いことを知っていた

しかし、このまま番組を見れば

二度とこの番組を見れない法律を立案される可能性を

否定できない

10歩先のことが分かる僕は

そんないやな未来をかき消すように

やむなく

泣く泣く、立ち上がると

そのままお勝手に向かった

その薄暗い中に

電気がつけられ

漬け物や、野菜

あさののこりなどが

毎日変わることの無いように

其処に陳列している

それを対した疑問をも抱くこともなく

かっこむと

そのまま

「ごちそうさまでした」

そう言うと

そのまま茶の間のテレビ台に

鎮座した
















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